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遺言

遺言書作成にはメリットも、デメリットもある?対策は?

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遺言は、いつかやってくるかもしれない万一の自分の死亡のときのために、残されたご家族が困らないように残しておくものです。そのため、適切な遺言には大きなメリットがあり、デメリットはそれほどありません。

しかし、遺言についての知識、経験が乏しく、間違った遺言を残してしまえば、遺言を残すことによるデメリットも当然ながら存在します。

そこで今回は、遺言作成のメリット・デメリットについて、遺言と相続に詳しい弁護士が解説します。解説を参考に、遺言書を書くかどうかをご決断ください。

注意ポイント

なお、遺言書を作成する方法には大きくわけて公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言があり、各方法それぞれにメリット、デメリットがあります。

遺言方法の比較とメリット、デメリットについては、遺言についての他の解説を参考にしてください。

「遺言」の人気解説はこちら!

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2018年(平成30年)に行われた、民法のうち相続法に関する部分の重要な法改正について、今回は「遺言制度の見直し」という側面から解説していきます。 遺言制度に関して、今回の法改正で変更があった点は、次の4つです。 ポイント 自筆証書遺言の方式の緩和 自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の創設 遺贈の担保責任等 遺言執行者の権限の明確化 特に今回の改正では、自筆証書遺言の様式の緩和によって、遺言が作りやすくなり、また、法務局での保管制度が創設されたことにより、検認手続も不要となったことから、自筆証書遺言が増加 ...

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遺言書を作成するメリット

【遺言のメリット①】相続人同士の揉め事を回避する

遺言を書く重要な意味は、お亡くなりになる方(被相続人)の生前の意思を相続に反映することです。一生で最後のお願いを、相続人に届けるのが、遺言書の重大な役割です。

相続が開始すると、相続人の全員一致の合意で手続を進行させなければなりませんが、遺言はその協力な助けになります。遺言がなければ、遺産分割協議相続人の全員の合意が必要ですが、遺言があれば遺産分割協議は不要です。

遺言を残すことが良い機会となって、相続人同士が、相続財産の分け前について、時間をとってじっくり話し合うことができます。そして、その際に昔からの恨みつらみがとけたり、被相続人の思いを知って譲り合いが起こる効果が期待できます。

遺言を残さないと、生前に話し合いの機会が全く持てないおそれがあるというデメリットがあります。生前から、遺言作成をみんなで話し合って作成すれば、相続人同士の揉め事を事前に回避できるというのが、遺言を作成するメリットの1つ目です。

【遺言のメリット②】遺産分割協議を円滑にする

遺産分割協議を円滑に進めることができるのが、遺言を作成するメリットの2つ目です。遺言を作成することで、遺言で指定された相続分(指定相続分)が法定相続分に優先するため、遺産分割協議をしなくても、既に相続財産の分け前が決まっています。

特に、「相続財産(遺産)は現金だけ」という方はともかく、不動産、生命保険、預貯金、株式、会員権など多くの種類の相続財産(遺産)がある方は、同じ価値であっても「どの財産をもらうか」が、相続人間でトラブルの元となる場合があり、遺言が重要です。

「争続」という言葉が流行したように、相続はときに、到底もめるはずもなかった家族の絆を簡単に破壊します。

参 考
遺産分割協議の流れと進め方は、こちらをご覧ください。

遺産分割協議とは、ご家族がお亡くなりになってしまったときに、相続人が、遺産の分割方法について話し合いを行うことをいいます。 遺産分割協議が行われるのは、相続財産(遺産)の分け方に争いがあるケースです。 ...

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【遺言のメリット③】相続手続の手間が減る

相続手続きは、一般の方にとってとても複雑です。ご家族がお亡くなりになった不安定な精神状態で、全ての期限を守ってこなすことは難しいかもしれません。

遺言を作成しておくと、相続手続きのときに必要となる書類がとても少なくなることもまた、遺言を作成するメリットの1つです。相続するとお金が必要なことも多々ありますが、相続財産の預貯金は凍結されます。

具体的にいうと、遺言を残さなかった場合、お亡くなりになった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本が必要となり、これを取得するには死亡から出生へと順々に戸籍をたどる手間がかかりますが、遺言を残した場合、これを省略することができます。

また、遺言によって特定の相続人だけに財産を与えたり、相続人を廃除したりといった方法で相続人を減らしておけば、相続人の現在戸籍を取得する手間も少なくて済むメリットもあります。

参 考
遺産分割協議書の作成方法と書式は、こちらをご覧ください。

ご家族がお亡くなりになると、相続財産(遺産)を得るためには、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成しなければならない場合があります。 遺言がない場合や、遺言があるけれども、相続財産(遺産)の全てにつ ...

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【遺言のメリット④】相続人以外に財産を与えられる

相続人以外の人物に相続財産(遺産)を与えることができるのが、遺言を作るメリットの4つ目です。遺言によって相続させたり(遺贈)、遺言によって贈与したり(死因贈与)する機能が、遺言にはあるからです。

遺言によって相続財産を承継させることができる人は、相続人に限らず、また、血のつながった家族だけに限りません。世話になった人や、相続人でない孫や長男の嫁などにも、遺言で財産をあげることができます。

特に、内縁の妻やその子、愛人、隠し子といった、相続人からすれば疎ましい存在に対して、故人がどうしても財産を譲りたいと考える場合、遺言を残す以外に手がありません。

世話になった団体など、個人以外の団体、法人に相続財産を分け与えることも遺言によって行うことができます。

遺言書を作成するデメリット

遺言書は、死後のご家族への大切なメッセージであり、死後も円満な家庭を築くために作成するもので、基本的には、遺言書を作成することで大きなデメリットが生じることはないはずです。

しかし、遺言の残し方を正しく理解しなければ、遺言を残したことがデメリットとなってしまうこともあります。そこで次に、遺言がデメリットになった事例について相続に詳しい弁護士が解説します。

遺言を作成する場合、遺言の文書案を作成してもらうための弁護士費用や、公正証書遺言の場合には公証人に支払う手数料など一定の費用がかかりますが、相続財産を守るための少額の経費と考えられますので、費用がかかること自体はデメリットではありません。

【遺言のデメリット①】曖昧な遺言書が争いの火種になる

相続を原因とした親族間の争いは、ときに人格が変わったかのような激しい争いとなることがあります。これは、相続財産が多くある裕福な家庭ではもちろん、そうでない場合であっても同様です。

本来であれば、遺言によって故人の重いを伝達し、この争いを回避することができるはずが、遺言の内容が曖昧だと、かえって遺言を残したことが争いに「火に油をそそぐ」デメリットとなります。

例えば、次の遺言が、遺言を残したことがかえって争いとなるデメリットを生む可能性があります。

ポイント

  • 相続財産の全てについての帰属先を決めていない
  • 相続財産が死亡時には既に存在していない場合の扱いについて言及していない
  • なぜ遺言を残して相続分を変更したのかの理由が明らかではない。
参 考
遺言書がトラブルの原因となるケースは、こちらをご覧ください。

相続の生前対策として「遺言書を書くこと」がよくあげられます。しかし、お亡くなりになったご家族残していた遺言が、かえってトラブルの原因・発端となることもあります。 「遺言書がなくて遺産分割でもめた」とい ...

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【遺言のデメリット②】遺言が無効となる可能性がある

遺言には数種類の方式がありますが、これから遺言を残すことをお考えの方は、公正証書遺言を作成してください。公正証書遺言は、公証役場で作成できるより正式な遺言のことです。

公正証書遺言以外の、自筆証書遺言、秘密証書遺言などの方法にはメリットも多くありますが、最大のデメリットとして、方式が厳しいために違反があって無効となってしまうおそれがあるからです。

遺言が無効になっても、遺言にかかれたことが故人の意思として相続人に伝わってしまうと、無効な遺言があることがますます争いを加速させることが、遺言があることのデメリットとなってしまいます。

参 考
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較は、こちらをご覧ください。

数ある遺言書の種類のうち、特によく利用されているのが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。この2つの遺言については聞いたことがある方が多いでしょう。他方、秘密証書遺言や緊急時の遺言の利用頻度 ...

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【遺言のデメリット③】不当な内容の遺言が争いの元になる

いくら遺言書を作成することで故人の意思を反映するメリットがあるとしても、また、遺言の内容について遺言者が自由に決めることができるのだとしても、あまりに不当な内容の遺言は、争いの元となります。

まず、法定相続人には、遺留分という最低限相続できる割合が決められており、この割合を下回ってしまうと、遺留分減殺請求を行うことができ、これが争いの原因になります。

遺留分を下回らないとしても、遺言を残した理由が伝わらないほどの不当な内容、非常識な遺産分割の内容が遺言として残されると、遺言を残したことがデメリットとなりかねません。

遺言作成は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか?

遺言を作成することは、「長男に事業を承継させて事業用の不動産を相続させたい」とか、「自宅は嫁に住んでもらいたい」など、お亡くなりになる方の希望を実現するメリットがあり、基本的には正しくのこせばデメリットはありません。

しかし、遺言の残し方を間違えたり、不適切な内容の遺言を作成してしまったりすると、遺言を残すことがかえってデメリットになることも残念ながらあります。

「相続財産を守る会」では、相続問題に詳しい専門士業である弁護士をはじめ、その他税理士、司法書士などが、それぞれの観点で、デメリットを残さない良い遺言内容となっているかどうか、徹底検証してサポートします。

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