

公正証書遺言は、自筆証書遺言、秘密証書遺言といった、その他の遺言の形式に比べて、確実性が高く、偽造、改ざんをされにくい点で、最もお勧めの遺言方法です。
遺言書を作成して遺言を残そうと、弁護士、税理士、司法書士などの相続の専門家に相談にいくと、真っ先に勧められるのが、公正証書遺言の作成であることが多いのではないでしょうか。
公正証書遺言を作成するときには、弁護士などの専門家に依頼する方が多いですが、公正証書遺言についてのポイントを、最低限理解してご依頼いただくのがよいでしょう。
よくある相続相談
公正証書遺言とはどのような遺言でしょうか?
公正証書遺言は他の遺言に比べてメリットはありますか?
公正証書遺言を作成するとき、遺言者が準備すべきポイントは?
公正証書遺言の作成を弁護士に依頼するとき、弁護士費用はいくら?
公正証書遺言には、多くのメリットがありますが、弁護士に依頼する方が多いことからもわかるとおり、公証役場に行かなければならないなど手続はある程度複雑です。
適切な公正証書遺言を作成し、遺言者の意思を、死亡後も確実に相続・遺産分割に反映できるようにしておきましょう。
「遺言」の人気解説はこちら!
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夫婦で一緒に遺言書を作成するときの注意点と、共同遺言の禁止
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相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺言作成に注力しています。
[speech_bubble type="std" subtype="L1" icon="asano.jpg" name="弁護士
浅野英之"]
弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野です。
遺言書の作成は、ご家族の状況、遺言者の意思に合わせてさまざまであるため、公正証書遺言を多く作成した経験のある弁護士にご相談ください。
遺言書の作成、遺言書の内容が適切なものとなっているか(遺留分侵害とならないか)といったポイントをはじめ、公証人との対応などの細やかな配慮も、当事務所にお任せください。
[/speech_bubble]
公正証書遺言とは?

遺言書を作成して遺言を残したいと思っていますが、「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」といった方法だと、遺言が無効となってしまうおそれがあると聞きました。
遺産分割協議になっても、しっかりと私の意思を反映できる遺言を作成したいです。
公正証書遺言の方式で遺言を作成するときは、公証役場にいって公証人の協力を得る必要があります。
しかし、公証役場にいく際には、公証人の予定と調整して予約をいただかなければならず、また、公証人は公正証書遺言の文案の作成には協力してくれません。
公正証書遺言とは、遺言をする人(遺言者)が、遺言の内容を公証人に伝えて、公証人がこれを筆記して作成する遺言のことをいいます。
公証人が筆記して作成した遺言書は、「公正証書」になります。
公証人とは?
公正証書遺言を作成する「公証人」とは、法務局や地方法務局に所属して、公証役場で公正証書の作成、書類の認証などをおこなう公務員です。
公証人の行う事務などについては、「公証人法」という法律に定められています。
公正証書遺言の保存期間
公正証書遺言の保存期間は、20年間とされています。
相当期間の間、当事者ではなく公証人のもとで保管され、破棄されることはありません。そのため、遺言者の意思が、偽造されたり破棄されたり、なくしてしまったりすることなく、遺産分割協議までしっかりと反映できます。
注意ポイント
公正証書遺言が、20年間の保管期間の間、公証役場で適切に保管されるのに対して、その他の形式の遺言の場合、遺言書自体が紛失してしまう危険があります。
「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」などの遺言を作成したけれども、遺言の内容が不利にはたらく相続人によって、遺言書が隠されてしまったり失くされてしまったりすることが、相続紛争のもととなります。
公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言の内容を決める(文案の作成)
公正証書遺言といえども、その書き方まで公証人が指示してくれるわけではなく、遺言書に記載する内容は、自分で文案を作成して公証役場に提出する必要があります。
公正証書遺言を作成する際に、どのような内容の遺言書としたらよいかは、ご家庭の事情や相続トラブルが起こる可能性の程度などによっても異なります。次のことに注意して文案を作成してください。
ポイント
- 相続財産が明確に特定できるように記載する
- 相続人の遺留分を侵害しないような分割方法、分割割合を指定する
公正証書遺言で作成することを決めている場合には、「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」などと違い、形式面を過度に気にする必要はありません。
公証役場に連絡し、日程調整を行う
公証役場に、いきなり公正証書遺言の文案を持って行っても、その場で公正証書遺言を作成してくれるわけではありません。
まずは公証役場に連絡をし、公証人の日程と調整の上、予約をする必要があります。
公正証書遺言の証人2名を準備する
公正証書遺言を作成するときには、証人を2名用意し、立ち会ってもらわなければなりません。
証人を準備するにあたっては、遺言者がなくなった後の相続に関する意思を知ることになるため、相続問題に無関係であり、秘密を守ることのできる人物が適任です。
ポイント
公正証書遺言の証人になることができない人
公正証書遺言の証人として適切な人
- 相続人とはならないご家族、友人
- 弁護士・法律事務所の職員など
公正証書遺言を作成する
公正証書遺言の作成は、公証人が、証人2名を立ち会わせて、遺言者から遺言の趣旨を聞き、公証人が筆記して作成します。
公証人が公正証書遺言を作成し終わると、遺言者と証人に対して読み聞かせ、閲覧を行った後、それぞれが署名押印をして完成します。
このとき、弁護士に公正証書遺言の作成をお願いしている場合には、立ち会ってもらうことができます。
公正証書遺言のメリット

公正証書遺言の確実性が高いことは理解しました。なぜ、公正証書遺言がお勧めなのでしょうか。
公正証書遺言が、弁護士や司法書士などの専門家によってよく進められるのは、後にトラブルとなったとき、有効な遺言であると認めてもらいやすいというメリットが大きいためです。
遺言は、後の遺産分割協議などの話し合いの際に、遺言者の意思をあらわすものとして有効でなければ作成する意味がありません。
【メリット①】専門家が関与し、適切な遺言をのこせる
公正証書遺言を作成するときには、公証役場に遺言書の文案を持参して、公証人に遺言書を作成してもらいます。
そのため、公正証書遺言の場合、方式に不備が生じて遺言が無効となってしまうことはありません。
公正証書遺言の文案が適正なものかどうかについて公証人はアドバイスをしてはくれませんが、公正証書遺言の文案の作成を、相続問題を多く取り扱う弁護士に任せれば、遺言書の内容自体も適正なものとなります。
もっとくわしく!
相続人間での公平をあまりに損なう、いちじるしく不公平な遺言書の文案を作成してしまうと、相続紛争のトラブルのもととなることがあります。
民法に定められた相続分よりも少ない相続財産しかもらえないこととなった相続人は、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」を行使して、その権利の回復を図ることができるからです。
参考
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「遺留分」に関する基本的な知識について、詳しくはこちらをご覧ください。
相続の専門用語である「遺留分」の考え方について、弁護士が、わかりやすく解説します。 「遺留分」とは、ご家族がなくなったときに発生する、「相続人が、これだけはもらえる。」という財産の割合のことです。 相 ...
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【メリット②】公証人・証人によって遺言意思・能力を確認できる
遺言をする人が、遺言を有効に作成するためには、遺言書を作成する時点で、遺言をする意思・能力がなければなりません。
この遺言をする意思・能力は、例えば、遺言者が認知症などにかかっており、財産に関する判断をすることができないときに問題となります。
公正証書遺言の場合には、遺言を作成するときに、公証人のほか、証人2名が立ち会うため、遺言をする意思・能力について問題になることを回避することができます。
【メリット③】遺言の偽造・破棄・隠匿が起こらない
遺言書を自分で保管しておかなければならない「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」の場合には、遺言が隠されてしまったり、破棄されたりしてしまい、遺産分割協議のときには遺言書が出てこないおそれがあります。
特に、その遺言によって権利を侵害されたり、相続財産(遺産)の取分が少なくなってしまう相続人が、偽造・破棄・隠匿行為を行うことがあります。
公正証書遺言であれば、遺言書の原本は公証役場で保管されるため、そのような危険はありません。
もっとくわしく!
公正証書遺言が存在するかどうかは、データベース化されており、公証役場で検索を行うことができるため、「遺言書がなくなってしまった」ということは起こりません。
ご家族がお亡くなりになって相続人となったとき、公正証書遺言が存在するかどうかを調べるためには、戸籍謄本、身分証明書などを持参し、公証役場に申し出れば検索してもらうことができます。
【メリット④】「検認」が不要
遺言書の「検認」とは、遺言書の方式に関する事実を調査し、遺言書の現状を明確にするものであって、相続トラブルなどに備えて、遺言書の偽造・変造を防止することを目的とした手続です。
遺言書の「検認」は、遺言書の保管者が、相続の開始を知ったら遅滞なく家庭裁判所に申し出なければならないこととされていますが、公正証書遺言の場合には、遺言書の検認は不要です。
公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言を作成すると、弁護士や公証人といった相続、法律の専門家が関与してくれるため、安心してしまいがちです。
しかし、公正証書遺言のデメリットとしては、その遺言が、相続トラブルが起こらないこと自体を保障してくれるわけではないことに注意が必要です。
また、弁護士などの専門家に公正証書遺言の文案を作成してもらったり、公証人役場で公正証書遺言を作成してもらったりする際に、一定の費用が発生します。
注意ポイント
公証役場は、あくまでも、遺言をする人が希望した内容を公正証書にし、方式に不備のない遺言書を作成してくれるにとどまります。
決して、その遺言書の内容が、事案に即した適切なものであるかどうかについて、アドバイスをしてくれる役割ではありません。
遺言書の内容が、将来の相続トラブルを回避できる内容となっているかどうかは、相続問題の経験豊富な弁護士にご相談ください。
遺言作成は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。
今回は、「公正証書遺言の作成方法と、メリット、弁護士費用」などについて、相続問題を多く取り扱う弁護士が解説しました。
公正証書遺言は、他の遺言書作成の方法に比べて確実で、無効になりにくいというメリットがあることから、相続の専門家がよく進める遺言の方法です。
「相続財産を守る会」でも、相続の専門家(弁護士、司法書士)が、ご家庭のご事情をお聞きして、適切な公正証書遺言を作成することができます。
当会では、遺言書の作成に詳しい弁護士が在籍しています。
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まとめ

いかがでしたでしょうか。
公正証書遺言には多くのメリットがありますが、作成には手間がかかり、公証人との間で、公正証書遺言を作成するまでのやり取りを行ったり、証人を準備したりしなければなりません。
今回の解説をご覧になっていただくことで、次のことをご理解いただけます。
解説のまとめ
「公正証書遺言」とは?基本的な知識
「公正証書遺言」の他の遺言と比べたときのメリット、注意点
「公正証書遺言」の作成方法
相続財産を守る会では、相続に強い弁護士だけでなく、税理士、司法書士などの他の士業、不動産会社、FP、保険会社などが一丸となって、あなたの相続のサポートをします。
まずは、初回のご相談にて、あなたの置かれている状況をご説明いただき、オーダーメイドの相続のご提案をお受けくださいませ。