★ 相続の専門家の正しい選び方!

相続の専門家とは?選び方とそれぞれの役割について解説

相続は、一人の人生が終わりを告げると同時に始まる、家族の大きな転換点。

誰にでも訪れる相続ですが、しかし、遺産分割や税金、登記、法律問題など、相続にまつわる問題は極めて複雑です。感情的な側面も絡み合うため、専門家の知識とサポートが不可欠です。ただの財産の配分ではなく、残された家族のケアや将来の計画まで、相続は細部に影響します。

困難な状況を導くには、法律、税務、財務、不動産など、それぞれの分野に精通した専門家に、各役割に応じたアドバイスを求める必要があります。今回は、相続問題の専門家の選び方を、それぞれの役割に応じて解説します。

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相続に関わる専門家について

相続は複雑な問題であることから、多くの分野の専門家が関わります。ここでは、相続を扱う各専門家の詳細と、その役割について解説します。

弁護士

弁護士は、法律や裁判の専門家です。

相続においても、法的紛争の解決にとって、弁護士は不可欠な存在です。主な役割として、遺産分割協議の進行、遺言書の作成、裁判手続きに発展した際の法的なサポートなどがあります。なかでも、遺産分割の争いが激化したとき、公正かつ有利な解決を目指すには、弁護士による適切な法的指導が欠かせません。

税理士

相続税の申告には複雑な計算と専門知識が必要です。税理士は、税務の専門家であり、相続税の申告について専門的にサポートします。

相続税を正確に計算し、申告することはもちろんですが、生前から綿密に税務計画を立案し、節税対策のアドバイスをすることも、税理士の役割です。税務面の透明性、公正さは、法的なトラブルを回避し、争いごとを減らすのにも役立ちます。

公認会計士

公認会計士は、会計や財務の専門家です。税理士と似ており、ダブルライセンスの多い業種でもありますが、役割分担が重要です。

相続においては、財産の正確な評価、会計監査、財務に関するアドバイスを提供します。相続財産の価値を正確に把握することは、公正な遺産分割、税務申告にとって不可欠です。また、財務監査を通じて、相続に関連する財務状況の透明性を保ちます。

司法書士

不動産の名義変更や相続登記は、司法書士の専門分野です。遺産に不動産の含まれる相続においては、正確な登記が法的なトラブルを避ける鍵となります。また、戸籍の調査や遺言書の作成など、補助的な業務も行います。

社会保険労務士

社会保険労務士は、遺族年金や社会保障に関する専門家です。相続の場面においては、遺族年金の請求手続きや遺族が受けられる社会保障のアドバイスを提供し、遺族の経済的支援を行います。

その他の専門家

その他にも、相続には多くの登場人物がいますが、その一端を紹介します。

  • ファイナンシャルプランナー
    財産の管理や投資計画、将来の財政計画に関するアドバイスを行います。相続を見据えた資産運用やリスク管理が役割です。
  • 不動産鑑定士
    不動産の価値を正確に評価するのが役割です。相続税申告や遺産分割における不動産の評価額が必要となるときにアドバイスを求めます。
  • 土地家屋調査士
    不動産登記を新たに作成するときに必要となる業種です。測量をし、表示登記を行うもので、相続の場面では土地の分筆などを担当します。

相続問題における適切な専門家の選択は、スムーズな手続きと最適な結果をもたらします。以下は、専門家を選ぶ際の重要なポイントと、あなたの状況に最適な専門家を見つける方法です。

相続の専門家を選ぶ際のチェックリスト

次に、各専門家を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントを解説します。

主に、相続において専門家を選ぶには、その専門家を探し、そして選び、決めるというプロセスを踏みます。相続では、時間に余裕のない場面も多いですが、一度決めると後戻りが難しいので、慎重に見極めてください。

専門家選びの重要ポイント

まず、相続の専門家を選ぶには、次の点が重要なポイントとなります。

  1. 専門性と経験
    相続に関する専門知識を持ち、豊富な経験を有しているかを確認してください。特に、複雑な相続のケースや、扱いの難しい特定の資産など、特殊な事例の経験があるほど、その解決に適した専門家だといえます。
  2. 評判と口コミ
    過去の顧客からの評価や推薦、口コミなどを参考に、信頼できる専門家かどうかを確認してください。
  3. コミュニケーション能力
    相続は、人間関係を軸とした感情的な問題を含んでいます。専門家として、明確に、かつ、丁寧にわかりやすく説明できるかどうかが重要です。初回の相談のコミュニケーションが良好かチェックしてください。
  4. 料金体系
    かかる費用も選定の重要なポイントとなります。相続関連のサービスには様々な料金体系があるため、合理的な費用を提案してくれるか、追加費用がかかるか、といったことを予算と比べて検討します。
  5. アクセスの容易さ
    アクセスがしやすいかどうかも考慮してください。物理的な距離はもちろん、連絡手段が複数ありいつでも連絡できることも大切です。地方在住の場合、専門性の強い人がいないこともあり、オンラインで相談可能かどうかも重要なポイントです。

あなたの状況に合った専門家の見つけ方

以上の一般的なポイントを考慮の上、最終的には、自分の状況に合った専門家を選ばなければならず、特殊な状況であるほど、その見つけ方に苦慮することがあります。

  1. 相続問題の複雑さ
    単純な手続きや、スタンダートな解決で済む場合はよいですが、多額の資産、複数の不動産の相続や国際相続など、複雑なケースでは、より専門的な知識を持つ人に依頼する必要があります。
  2. 専門家との相性
    相続は、結局は人と人との争いなので、専門家との相性も大切です。長期化することもあるので、信頼できる関係を築けるかどうか、スタート地点での感性も大切です。
  3. 目的に合わせた選択
    専門家にはそれぞれ役割があります。士業ごとの業務範囲はもちろん、そのなかの小分類として先生ごとに得意分野があります。あなたのの目的にあわせた専門家を選定してください。
  4. 解決へのアプローチの違い
    専門家にもそれぞれの考え方やポリシーがあります。争いが得意な「攻め」のタイプ、円満に解決するのが得意な「守り」のタイプなど、そのアプローチが自分の感性と合っているかを確認する必要があります。

【ケース別】 実際の相続問題と専門家による解決事例

専門家選びの重要性を理解してもらうため、実際の相続問題で専門家がどのように活躍し、解決に導くかについて、事例で解説します。

多額の相続税の問題

被相続人Aが死亡し、大規模な不動産と株式を含む莫大な遺産が残されました。相続開始に伴い、大きな資産に対する相続税の額は非常に高くなる見込みでした。

相続人Bは、相続開始してすぐに相続税専門の税理士に相談しました。税理士は、資産の詳細な評価を行い、株式の評価額を下げる努力をしました。また、Aの妻が近い将来に死亡する可能性に備えた節税対策として生前贈与を提案しました。税理士の専門的なアドバイスにより、相続税の大幅な節税に成功し、二次相続の争いを回避することができました。

複雑な遺産分割の問題

被相続人Cには、遺産のなかに複数の不動産と海外資産が含まれており、家族間でその行く末についての意見が分かれていました。

相続人Dは、弁護士に相談し、アドバイスを受けながら、遺産分割協議を進めました。弁護士は遺言書をDに有利に解釈し、法的な助言をし、他の相続人からの争いが調停に発展しましたが、その法律知識によって家族間の対立を和らげ、有利な遺産分割に成功しました。

不動産の名義変更の問題

被相続人Eは複数の不動産を残して亡くなりましたが、長年、名義変更が滞っていました。

家族は司法書士に依頼し、相続登記の手続きを進めました。司法書士は必要な書類の準備、登記申請の代行、そして関連する法的アドバイスを提供しました。専門的な経験と知識を持つ司法書士のおかげで、不動産の名義変更がスムーズに進み、第三者が現れる前に資産を防衛することができました。

これらのケーススタディで、相続問題がどれだけ多岐にわたり、それぞれの専門家がどのように重要な役割を果たすかを知ることができます。

まとめ

今回は、相続についての専門家を選ぶ重要性について解説しました。

専門家といえど一様ではなく、特に相続の場合には多くのプレイヤーがいるため、いざ悩みに直面した状況で最適な選択をするのは難しいです。生前から、相続を見据えた対策をしていれば、その際にじっくりと専門家を吟味し、将来に備えることができます。

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