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遺産分割

相続人の確定とは?遺産分割協議の前に必要な相続人の確定方法!

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ご家族がお亡くなりになったとき、遺産分割協議を始める前に、「相続人の確定」をしておくことが重要です。

「誰が相続人になるのか。」は、民法で法定相続人に関するルールが定められていますが、実際の相続のときに具体的に誰が相続人となるかは、「相続人の確定」で決める必要があります。

「相続人の確定」を、遺産分割協議の前提事項として調査しておかなければ、「知らなかった」、「発見できなかった」思わぬ相続人を見落とすおそれがあります。

そこで今回は、相続人の確定方法、相続人を確定する時期、相続人の確定にかかる費用などについて、相続に強い弁護士が解説します。

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相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺産分割協議のサポートに注力しています。

弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野です。

相続が発生して、遺産分割協議についての相談・依頼を弁護士にされる方の中には、「子どもは私だけです。」「兄弟姉妹はいません。」といったように、相続人の確定が済んでいるという思い込みを抱いている方がいます。

相続人調査をせず、相続人を確定せずに遺産分割協議を進めた場合、せっかく遺産分割協議で合意をしたとしても、「相続人全員の合意」とはならず、遺産分割協議が無効になってしまいます。

相続人の確定とは?

相続人の確定とは、「相続財産(遺産)をどのように承継するか。」を決める遺産分割協議の前に、遺産分割協議に参加すべき相続人が誰かを決める手続きのことをいいます。

相続人の確定をしなければ、法定相続人となる人が存在するかどうか、相続人の具体的な相続分がどの程度かを決めることはできません。

相続人の確定をすることではじめて、どの順位の続柄の相続人が存在し、どのような優先順位で相続するかが決まります。先順位の相続人が存在する場合には、後順位の相続人は、相続人となることはないからです。

参 考
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相続人の確定が必要な理由

相続人の確定が必要な理由は、遺産分割協議には全ての相続人が参加し、相続人全員が遺産分割協議書に実印で押印する必要があるからです。

遺産分割協議書に、相続人全員の押印がなければ、遺産分割協議で折角話し合った内容が、すべて無効になってしまいます。

相続人の確定は、相続人の自己申告によって決まるわけではありませんから、思い込みは禁物です。遺産分割協議に参加していた全ての相続人が知らない「隠し子」や「前妻の子」が発見される場合も少なくありません。

たとえば・・・

ある方がお亡くなりになって、既に両親、祖父母は皆お亡くなりになっていたとします。両親、祖父母は、第二順位の相続人です。

このとき、第一順位の相続人である子もいなければ、第三順位の兄弟姉妹が相続人となることができます。しかし、傍系である兄弟姉妹の相続における地位は非常に弱いため、相続人の確定は特に慎重に行わなければなりません。

  • 遺言により、法定相続人以外の人に全相続財産を承継すると決められていた。
    →兄弟姉妹には遺留分がないため、遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)を行使できません。
  • 第一順位の相続人となる前妻の子、認知した子などが発見された。
    →夫婦が離婚していたり、結婚していなかったり、同居、養育、面会交流などをしていなかったとしても、親子関係があれば第一順位の相続人となります。

相続人の確定は遺産分割協議の前に!

相続人の確定は、必ず、遺産分割協議をはじめる前に行わなければなりません。これを「遺産分割協議の前提問題」ということがあります。

遺産分割協議では、法定相続分どおりではない相続財産(遺産)の分け方について、踏み込んだ議論がされます。遺産分割協議に参加できなければ、遺産分割協議書にも心から合意することはできないのではないでしょうか。

相続人の確定は、戸籍謄本という書類によって行わなければなりません。証拠収集が必要ということです。

相続人の確定に使用した戸籍謄本は、相続財産のうち不動産の名義変更、預貯金口座の名義変更、凍結解除、解約などにも必要となります。

相続人の確定の方法

相続人の確定を行う方法は、戸籍謄本を収集し、「相続人が他にいないこと」を証明する方法によって行います。婚外子の存在なども見逃してはいけません。

具体的には、お亡くなりになったご家族(被相続人)の、出生してから死亡するまでの全ての戸籍を集め、読み解く必要があります。

「死亡時の戸籍」は簡単に入手できるかと思いますが、実は「死亡時の戸籍」は、そのときの家族状況しか表しておらず、ここには記載されていない隠れた相続人が他にもいる可能性が高いのです。

戸籍の入手方法は?

相続人の年齢や、結婚や離婚、養子縁組や離縁などの身分変更の回数によっても異なりますが、通常、4,5通から10通程度の戸籍謄本が、相続人の確定までに必要となります。

戸籍謄本の取得は、死亡時の最後の戸籍の入手は容易でしょうが、それ以前の戸籍は、最後の戸籍から辿って入手しなければなりません。

現在の戸籍はデータ化されており、市区町村によって、役所に設置された機器や、コンビニなどでも入手することができる場合があります。

戸籍謄本の取得方法は、役所の担当者の指示に従って順に行えば、相続手続きの専門家でなくとも可能ですが、戸籍の読み取りが必要であるなど、煩雑な場合があります。

戸籍謄本の取得が複雑な場合や、古い戸籍の読み解きが必要な相続人調査は、戸籍、相続登記の専門家である司法書士にお任せください。

必要な戸籍の種類は?

相続人の確定をするための戸籍謄本の取得は、まずは、死亡時の戸籍を、お亡くなりになったご家族(被相続人)の本籍地の役所に申請してください。

その後、結婚、離婚、養子縁組、離縁などによって戸籍が変わっている場合には、戸籍の記載にしたがって、順に古い戸籍へと遡っていきます。戸籍の状況がどうなっているかは、入手した戸籍を読まなければわかりません。

取得すべき必要な戸籍の種類には、大きく分けて次のものがあります。

ポイント

  • 戸籍謄本
    :戸籍謄本とは、現在、その人の籍が記載されているもののことをいいます。結婚をしたり、離婚をしたり、子供が生まれたりすることで、内容が追加、削除、変更されることがあります。
  • 除籍謄本
    :除籍謄本とは、既に閉鎖された戸籍のことをいいます。戸籍に記載されていた人が全員いなくなったり、死亡したりしたときであっても、除籍謄本が残ります。
  • 改正原戸籍
    :改正原戸籍とは、もともと存在した戸籍謄本が、法改正による戸籍の様式変更で作り変えられたもとの戸籍のことをいいます。
  • 戸籍の附票
    :戸籍の附票とは、戸籍に記載された人が、その戸籍に記載されている間に行った住所の変更について記載されています。

戸籍の大きな三分類について解説しましたが、相続人の確定のために必要な戸籍が3通で足りるという意味ではありません。被相続人の名前が載っている戸籍は、すべて必要となります。

どこまで調査しなければならない?

日本では、戸籍をたどっていくことによって、その人の身分関係の変化を全て知ることが出来る制度になっています。相続人の確定をするため、どこまでの調査をしなければならないのでしょうか。

相続人の確定までに必要な戸籍調査は、次の通りです。

もっとくわしく!

  • 死亡時の最後の戸籍を、被相続人の本籍地に申請して入手します。
  • 戸籍を読み解き、順次、古い戸籍を入手していきます。
  • 被相続人の名前の記載された戸籍を、被相続人の出生から死亡まで全て入手します。
  • 発見された相続人が存命であるかを調査するため、発見された相続人の現在までの戸籍を全て入手します。

被相続人の戸籍をすべて入手するとともに、発見された相続人の戸籍も入手しなければなりません。例えば、次の例のように、代襲相続の発生する可能性がある場合には、代襲相続人の発見に必要な戸籍の通数分、必要な戸籍が増えます。

たとえば・・・

被相続人の全ての戸籍を入手した結果、相続人が妻のみであり、前妻との間に子がいたけれども、既にお亡くなりになっていたとします。

この場合、前妻との間の子に、その子(被相続人の孫)がいた場合、代襲相続が発生するため、前妻との間の子の戸籍もまた、死亡時までのものが全て必要となります。

これに対して、被相続人の戸籍を調査した結果、相続人が妻と兄で、兄が既に死亡していた場合には、甥・姪の死亡まで確認できれば、それ以上の調査は不要となります。

代襲相続は、第一順位の相続人である「子」の場合、孫、曾孫(ひまご)、玄孫(やしゃご)と永遠に続きますが、第三順位の相続人である「兄弟姉妹」の場合にはその子(甥姪)までしか代襲相続しません。

参 考
「代襲相続」の範囲と割合について、詳しくはこちらをご覧ください。

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相続人の確定の時期(タイミング)

相続人の確定の時期(タイミング)は、「できるだけ早く」、そして、遅くとも、遺産分割協議を開始するより前に行う必要があります。死亡時の手続などが済んで落ち着いたらすぐ着手するのがよいでしょう。

相続人の確定には、ここまで解説したとおりある程度の期間と手間がかかるため、時間に余裕をもって着手してください。

遺産分割協議までに相続人の確定をしていないと、遺産分割協議で相続人全員の合意ができない、相続税申告の金額が確定できないといったデメリットがあります。

相続人の確定にかかる費用

相続人の確定にかかる費用は、戸籍謄本などを取得するための実費と、遠方(遠隔地)の役所から戸籍を取り寄せるときの郵送費などです。

戸籍謄本の取り寄せにかかる費用は、定額小為替で支払います。取り寄せる戸籍の種類、存在する市区町村によって、金額が若干異なりますが、いずれも数百円程度です。

弁護士、司法書士などの相続手続きの専門家に、相続人の確定を依頼するときは、これに加えて、戸籍謄本などの取り寄せ1通あたり1000円~3000円程度の専門家費用(報酬)がかかるのが一般的です。

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、遺産分割協議前に行うべき「相続人の確定」について、相続人の確定方法、どのように進めたらよいのか、どこまで相続人調査をしたらよいのか、その際にかかる費用などを、相続に強い弁護士が解説しました。

相続人の確定を怠ると、遺産分割協議書が無効になるうえ、相続税の申告額の計算ができなくなります。

相続人の確定のために必要な戸籍調査は、古い戸籍が多くなればなるほど、弁護士、司法書士など、相続の専門家に依頼するほうが、費用対効果が高くなります。

「相続財産を守る会」には、相続に強い弁護士が在籍しており、豊富な遺産相続問題の解決実績をもとに、無料相談を実施しています。

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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