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遺産分割

法定相続分と割合を知り、相続で損しない方法を弁護士が解説!

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法定相続分とは、その名のとおり、「法律」で定められた「相続分」のことをいいます。民法で、「誰が、どの程度の割合の相続財産を得ることができるか」ということです。

法定相続分は、お亡くなりになったご家族(被相続人)との続柄、関係性と、相続人の人数によって決まっています。

法定相続分は、遺言生前贈与寄与分などがなければその通りになりますが、侵害された場合には、「遺留分侵害額請求権(遺留分減殺請求権)」によって救済されます。

そこで今回は、相続で損しないために、法定相続分の意味と、割合についての詳しい知識を、相続に強い弁護士がわかりやすく解説していきます。

「遺産分割」の人気解説はこちら!

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2019/1/15

遺言書があるか不明でも遺留分を請求できた事例【相続の解決事例】

今回は、相続相談に対して、実際に遺産相続に強い弁護士が受任し、解決に導いた事例を、「解決事例」の形式でご紹介します。 遺言書があり、民法で最低限相続できることが保障された「遺留分」を侵害されている場合には、遺留分を侵害している相続人に対して、その返還を求めることができます。 しかし、実際には、遺言書があると遺言によって相続財産(遺産)を得た相続人が単独で相続登記などを行うことができるため、「遺言書があるのかどうか」がそもそも知らされず、どうしてよいのかわからず、対応にお迷いになる相談ケースも少なくありませ ...

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2018/11/2

遺産分割協議の流れと、円滑な進め方のポイントを弁護士が解説!

遺産分割協議とは、ご家族がお亡くなりになってしまったときに、相続人が、遺産の分割方法について話し合いを行うことをいいます。 遺産分割協議が行われるのは、相続財産(遺産)の分け方に争いがあるケースです。例えば、次のような遺産分割協議についての相談が、相続に強い弁護士に寄せられます。 よくある相続相談 遺産分割協議を、損しないようスムーズに進めるための方法を教えてほしい。 遺産分割協議の方法、期間、期限や進め方を教えてほしい。 遺産分割協議の結果を遺産分割協議書にまとめるときの書き方(書式・文例)を知りたい。 ...

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2019/1/11

遺留分減殺請求されたらどうしたらよい?4つの対応【弁護士解説】

「遺留分減殺請求」とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が、遺言や生前贈与などによって、最低限相続できることが保障された「遺留分」すら相続することができなくなってしまったときに、逆に多くの相続財産(遺産)を得た人に対して行使する権利のことです。 遺留分減殺請求をする方法(内容証明・訴訟など)についての解説は多くありますが、では逆に、遺言、遺贈や生前贈与などによって相続財産(遺産)を多く取得したことによって、相続人から遺留分減殺請求をされてしまったら、どのように対応したらよいでしょうか。 「内容証明郵便」という、普 ...

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2018/11/7

相続の順位と「誰が優先順位か」を、弁護士がわかりやすく解説!

配偶者相続人が、常に相続順位のうちの最優先順位にいるのに対して、血族相続人には、相続順位に優劣があります。 血族相続人の相続順位には、「相続順位の優先する相続人がいる場合には、その人は相続人になることができない。」という明確なルールがあります。 いいかえると、相続順位において先順位の相続人が誰もいない場合にはじめて、その順位の法定相続人が、相続財産を実際に受け継ぐことができるということです。 たとえば・・・ 相続順位の第一順位の子がいる場合には、子が相続順位において優先しますので、それよりも劣後する両親、 ...

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2018/10/25

代襲相続とは?範囲・割合をケースごとに弁護士が解説!

「代襲相続」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「代襲相続」を知ることによって、いざ相続が発生したとき、誰が、どれだけの遺産(相続財産)を相続できるかがわかります。 通常、相続が発生したときには、民法という法律に定められた相続人である「法定相続人」が相続をするのが原則となります。 しかし、「法定相続人」が、相続が発生したとき、既に死亡してしまっていた場合に発生するのが「代襲相続」です。 そこで今回は、「代襲相続」が起こるケースで、相続は具体的にどのように進むのか、「代襲相続」の範囲、割合など ...

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2018/11/13

遺産分割とは?どのような遺産分割方法・遺産分割手続がある?

親などの家族がお亡くなりになり、相続人が複数いるとき、他の相続人との間で相続財産を分けるためには、遺産分割をしなければなりません。 遺産分割の流れは、遺言書の有無の確認、相続人の確定、遺産分割協議、遺産分割調停・審判と進みます。遺産分割のとき、自分の分け前がどの程度なのか、気になる相続人の方が多いのではないでしょうか。 遺産分割についての基礎知識を理解しておくことで、相続人同士、兄弟間などで大揉めになることなく、相続についての話し合いを有利に進めていくことができます。 「遺産分割」の人気解説はこちら! 目 ...

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2018/11/12

遺産分割調停とは?申立てから調停成立までのわかりやすい手続の流れ

遺産分割調停とは、相続財産(遺産)の分割方法について、家庭裁判所において、調停委員の関与のうえで話し合いを行うことです。遺産分割協議が、いざ進めると相続人本人間だけでは思ったようにまとまらないとき利用すべき制度です。 ご家族がお亡くなりになる前は「親戚関係はうまくいっているから、相続トラブルは起こらないはず。」という家族間も、遺産分割調停が長引くケースも少なくはありません。遺産分割調停が長引くと、相続人は精神的に疲弊します。 よくある相続相談 遺産分割調停を、家庭裁判所に申し立てる方法、必要書類を知りたい ...

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2019/2/19

連帯保証人の保証債務を、複数人で相続したとき、どう分割する?

相続人は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続する結果、親が有する、「連帯保証人」という地位も相続することになります。マイナスの財産を相続したくない場合には、家庭裁判所に相続放棄を申述するしかありません。 しかし、相続人が複数いるとき、不動産、動産、預貯金といった、遺産分割をイメージしやすいプラスの財産と異なり、連帯保証人としての保証債務は、どのように分割するのでしょうか。 特に、連帯保証人は、「分別の利益」が認められず、債権者から請求されたら、共同保証人がいたとしても全額返済をしなければならないこ ...

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2018/11/24

遺産分割で預貯金をうまく分ける方法と、分け方のポイントを解説

お亡くなりになった方(被相続人)の財産の中で、銀行やゆうちょなどに預け入れてある預貯金もまた、相続される財産(遺産)になります。 そこで、遺産分割のときの、預貯金の分け方と、より良い分割方法のポイントについて、相続問題に強い弁護士が解説します。遺産に預貯金が含まれることが多いため、注意点も解説します。 預貯金の相続、遺産分割のときは、預貯金を勝手に引き出すことはできず、遺産分割協議を行って凍結を解除し、適切な分け方で分割する必要があります。 「遺産分割」の人気解説はこちら! 目次1 預貯金口座の凍結を解除 ...

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2018/12/21

遺留分減殺請求にかかる費用は?弁護士報酬(弁護士費用)はいくら?

ご家族がお亡くなりになったとき、残された遺言によって、あなたの相続できるはずであった財産が減らされてしまったとき、「遺留分減殺請求権」を行使して救済できる可能性があります。 遺留分減殺請求権を行使する方法には、内容証明郵便など、話し合いによって解決する方法のほか、遺留分減殺請求訴訟を起こして裁判所で解決する方法がありますが、いずれの方法でも、幾分かの実費がかかります。 遺留分減殺請求権について、他の相続人が争いって来て「争続」になり紛争が激化する場合、その交渉、面談、訴訟などの全てを、相続に強い弁護士にお ...

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2018/11/19

孫に遺産を相続させる方法と、孫への遺贈・養子縁組の注意点

「孫がかわいい」という祖父・祖母の方は多く、また、相続税対策としても「遺産の一部を孫に渡しておきたい」という相続相談をよく受けます。 よくある相続相談 孫の教育資金として、生前贈与して相続対策をしたい。 孫に相続させたいが、相続税が最も安くなる節税対策を教えてほしい。 生命保険の受取人を孫にしてよいか知りたい。 お亡くなりになった方(被相続人)の孫は、子がいない場合には法定相続人になりますし、子がいる場合は法定相続人にはならないものの、遺言による遺贈、生前贈与、養子縁組などの方法で、孫に遺産相続をさせるこ ...

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2018/11/6

寄与分とは?認められる場合と計算方法を、弁護士が解説!

民法に定められた法定相続人・法定相続分の考え方は、一般的に公平な遺産分割の割合であるとされていますが、実際には、法定相続分以上の貢献を主張したい相続人がいることがあります。 法定相続分を越えて、相続財産の維持、増加に貢献したことを主張する相続人の相続分を増やし、公平な相続を実現する考え方が、寄与分の考え方です。 よくある相続相談 長男は家業を手伝ったが、次男は生活費を入れなかったので、長男に多く相続してほしい。 長女が特に、被相続人の老後の看護を行ったので、長女に多く相続してほしい。 相続財産の大部分は、 ...

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2019/1/19

相続分以上の財産を得ると、別の相続でも特別受益になる?【相続Q&A】

今回の相続相談は、ある相続で、生前贈与、遺贈などの方法によって相続分以上の財産を取得した場合であっても、その後に起こった別の相続では「特別受益」とされないのか?という相談です。 特別受益とは、被相続人の生前に特別な利益を受けた場合に、その分相続財産(遺産)を取得できる割合が少なくなる制度です。 別の相続、例えば、過去に起こった祖父母の相続や父の相続などで多くの財産を得ていたことは、「特別受益」になるのか?ならないのか?というのが今回の解説です。実際のご相談にお答えする形で、相続に強い弁護士が、Q&A形式で ...

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2019/1/23

特別縁故者とは?相続人以外でも財産をもらえるケースとは?

特別縁故者(とくべつえんこしゃ)という言葉をご存じでしょうか。ご家族がお亡くなりになったときに相続できる人は民法で定まっていますが、相続人でなくても相続できる場合もあります。 相続人がいない場合に、相続人でなくても相続することができるのが「特別縁故者」の制度です。 今回は、特別縁故者とはどのような人がなることができるのか、また、特別縁故者が、相続人ではないのに相続できる場合とはどのような場合であるか、その具体的手続きなどについて、相続に強い弁護士が解説します。 「遺産分割」の人気解説はこちら! 目次1 特 ...

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2019/1/8

死亡直前・直後の預金引出しへの、相続人の対応は?返してもらえる?

口座の名義人がお亡くなりになると、銀行などの金融機関では、預貯金口座を凍結し、入出金ができないようにするのが原則です。しかし、金融機関は、人の生死を常にチェックしているわけではないので、死亡直前・直後に預金の引き出しが行われることがあります。 預貯金は、相続の際に、1円単位で分割できる、分割しやすい相続財産(遺産)である反面、預貯金の凍結解除や解約、名義変更、払い戻しに手間がかかったり、死亡直前・直後の引出が「不当利得」として「争続」の火種となるなどの問題があります。 特に、ご家族の死亡する前後では、入院 ...

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2018/11/12

未成年者の特別代理人が必要な場合と、選任方法を弁護士が解説!

相続において、相続人の中に未成年者がいるとき、未成年者の特別代理人が必要な場合があります。例えば、お亡くなりになった方の妻と未成年の子が相続人であるといったケースです。 通常であれば、親は「法定代理人」として未成年者を代理して手続を行うことができますが、相続問題に限っては、妻と未成年の子の利益が相反する可能性があるため、母親として「法定代理人」になることはできません。 ご主人がお亡くなりになり、何もする気が起きなくなってしまうことでしょう。複雑な手続きをすぐに行う気力がわかない、というつらい気持ち、悲しい ...

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2018/11/9

特別受益とは?認められる場合・認められない場合と計算方法

お亡くなりになったご家族から、生前に、学費や住宅の新築、建替えなど、多くの援助をしてもらった相続人と、援助を全くしてもらえなかった相続人との間で、不公平感が生じることがあります。 相続人間の、生前にお亡くなりになったご家族(被相続人)から受けた利益による不公平をなくすための制度が、特別受益です。 よくある相続相談 長男は結婚してマイホームの頭金をもらったが、次男は、独身で実家に住んでいる。 長男の私立大学の学費を全て親が出したが、次男は公立大学に通った。 娘は、結婚の際に多くの援助を受けたが、息子は全く援 ...

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2019/4/18

子どものいない夫婦の相続対策のポイントは?何からはじめたらよい?

家族のあり方が多様化し、結婚をしても、お子さんをつくらないというご夫婦も増えてきました。 お子さんがいないご夫婦の場合、「夫婦2人が生活できるだけの財産があればよい」、「死んだ後のことなど心配しても仕方ない」とおっしゃる方もいます。しかし、子どものいない夫婦であっても、相続対策のときに気を付けておいていただきたいポイントがあります。 お子さんがいないご夫婦の場合、「全財産を配偶者にあげたい」と考えることが多いでしょうが、対策なくしては実現できないケースもあります。 そこで今回は、子どものいない夫婦が行うべ ...

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2018/8/6

2018改正で導入「預貯金の仮払い制度」の対応・利用方法は?

2018年(平成30年)7月に、民法の中の相続法に関する部分が改正されました。相続法の改正は、私たちの生活にも重要な影響を与えます。 改正項目の1つに「預貯金の仮払い制度」というものがあります。この記事をお読みの皆さんも、どこかで「預貯金の仮払い制度」を見聞きしたのではないでしょうか。 「預貯金の仮払い制度」は、特にこれまでの改正前のルールでは不都合の多かった部分であり、注目度の高い改正です。 よくある相続相談 相続人間に争いがあり、預貯金を引き出すことができないため、相続税が支払えない。 相続人のうち1 ...

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2018/8/7

配偶者の取り分が増加?2018年法改正と「持戻し免除の意思表示」

2018年法改正で、「持戻し免除の意思表示」について、重要な改正がありました。 この「持戻し免除の意思表示」ですが、一般の方にはなじみの薄い専門用語ですので、今回の解説は、よくあるご相談内容をみながら、解説を進めていきます。 よくある相続相談 亡くなった夫が、「一緒に住んでいた自宅を私に与える」という遺言をのこしてくれていました。 自宅をもらえるのはありがたいのですが、自宅をもらってしまったために、逆に、預金や株式など、生活に必要な資金を十分にもらえませんでした・・・。 私たち夫婦は高齢なので、どちらかが ...

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相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺産分割協議のサポートに注力しています。

弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野です。

「法定相続分」は、法定相続人に認められた相続分のことです。法定相続分にしたがった遺産分割協議、遺言書の進め方を知ることで、もめにくい相続となります。

法定相続分は、被相続人との続柄、人数により、相続財産(遺産)に一定の分数をかけることによって計算することができます。

法定相続分とは?

民法の基本的な考え方では、お亡くなりになった方の相続財産(遺産)は、民法に定められた割合にしたがって計算され、「法定相続人」となる一定の続柄の血縁に対して分配されます。

このとき、法定相続人に分配される、相続財産(遺産)の割合、もしくは量のことを意味するのが「法定相続分」です。

法定相続分を定める民法900条は、次のとおりです。

民法900条

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

民法900条の条文からもわかるとおり、法定相続分は、ご家族(被相続人)がお亡くなりになって相続が開始したとき、どのような法定相続人がいるかによって、いくつかのパターンがあります。

今回は、法定相続人と法定相続分のパターンについて、具体的な例をあげながらわかりやすく解説していきます。

配偶者の法定相続分は?

配偶者とは、結婚している夫もしくは妻のことをいいます。

配偶者は、お亡くなりになったご家族によって扶養されていたり、生計をともにしていたり、また、被相続人の財産の増加に貢献をしていたりすることが多いため、常に法定相続分があり、かつ、他の相続人より多く設定されています。

配偶者の法定相続分は、配偶者以外に相続人となる人(両親、祖父母、子、兄弟姉妹など)の続柄に応じて、次のように決められています。

もっとくわしく!

配偶者とは、結婚をしている夫婦のことをいいます。そのため、事実婚のパートナー、内縁の妻などには、法定相続分はありません。

前妻と離婚をして、後妻と再婚をしたときには、後妻にだけ、法定相続分があり、前妻には法定相続分はありません。

配偶者のみが相続人のとき

配偶者のみが相続人のときには、配偶者の法定相続分は、100%です。

つまり、配偶者が、お亡くなりになったご家族(被相続人)の相続財産を、すべて相続することができます。

配偶者と子が相続人のとき

配偶者と子が相続人のとき、配偶者の法定相続分は「1/2」です。

つまり、配偶者と子どもが、相続財産(遺産)を半分ずつ分けることとなります。

配偶者の法定相続分 1/2
子の法定相続分 1/2

ポイント

被相続人に、子が複数いるときは、子は、「1/2」法定相続分を、さらにその人数で分けることになります。

これに対して、配偶者は常に1人ですので、「1/2」法定相続分のすべてを得ることができます。

配偶者と親が相続人のとき

お亡くなりになったご家族(被相続人)の相続人が、配偶者と、両親・祖父母などの直系尊属の場合には、配偶者の法定相続分は「2/3」となります。

つまり、被相続人に子がいない場合、直系尊属が相続人となり、この場合、両親もまたお亡くなりになっている場合には、祖父母が相続人となります。

配偶者の法定相続分 2/3
直系尊属の法定相続分 1/3

配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき

お亡くなりになったご家族(被相続人)に、相続開始の時点で、子も両親、祖父母もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。

この場合に、配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、配偶者の法定相続分は「3/4」となります。

配偶者の法定相続分 3/4
兄弟姉妹の法定相続分 1/4

子の法定相続分は?

お亡くなりになったご家族(被相続人)に子どもがいるとき、その子は第一順位の法定相続人となりますので、法定相続分を得ることができます。

この場合、被相続人に配偶者がいるときは、「配偶者(夫もしくは妻)と子」が法定相続分を得ることになり、配偶者がいないとき(死亡していた場合や、離婚していた場合)には、子だけが法定相続分を得ます。

子が法定相続分を得るとき、直系尊属(父母、祖父母)や兄弟姉妹は法定相続分を得ません。

子だけが相続人のとき

子だけが相続人のとき、相続財産のうちすべてを法定相続分として得ることができます。これは、子が未成年であったり、胎児であったりしても、変わらず法定相続分を得る権利があります。

既に離婚した前妻の子であっても、親子関係はなくなりませんから、子が法定相続分を得ることとなります。

子どもが複数いるときは、法定相続分は、子によって平等に分けられます。

もっとくわしく!

結婚をしていない男女の間に生まれた子供を「非嫡出子」といいます。

非嫡出子も、認知をされれば、法定相続分を得ることができます。

以前の法律では、非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の法定相続分の「1/2」とされていましたが、平成25年12月に民法が改正され、嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同等となりました。

配偶者と子が相続人のとき

配偶者(夫または妻)と子が相続人のとき、子の法定相続分は「1/2」となります。

この場合、既に子どもが先にお亡くなりになってしまっていたときは、孫が代わりに相続することができます。これを「代襲相続」といいます。

配偶者の法定相続分 1/2
子の法定相続分 1/2
参 考
「代襲相続」についての詳しい解説は、こちらをご覧ください。

「代襲相続」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「代襲相続」を知ることによって、いざ相続が発生したとき、誰が、どれだけの遺産(相続財産)を相続できるかがわかります。 通常、相続が発生した ...

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注意ポイント

民法では、未成年の子は、親権者が法定代理人として、その代わりに意思決定をすることができることとなっています。

しかし、配偶者と、未成年の子が相続人のとき、配偶者(子から見た親権者)と子の利益が、相反することがあります。

この場合に、相続の話し合いを続け、遺産分割協議を行うためには、家庭裁判所に申し立てて「特別代理人」を選任してもらう必要があります。

養子が相続人のとき

法定相続分を計算するにあたっては、実子であっても養子であっても、相続分の割合は変わりません。

このことから、相続税の節税目的のために、孫などの血縁者を、お亡くなりになる家族の養子とする例(孫養子)、妻の夫と養子縁組する例(婿養子)などがよくあります。

ただし、節税目的で増やせる養子の人数には制限があります。相続税の計算では、実子がいないときは養子は2人まで、実子がいるときは養子は1人までとされています。

直系尊属(親・祖父母)の法定相続分は?

配偶者も子もいない場合(未婚・独身の場合など)や、配偶者はいるけれども子はいない場合には、直系尊属(親・祖父母)に法定相続分があります。

このとき、両親が既に死亡しており、祖父母が存命の場合には、祖父母が法定相続分を得ますが、これは「代襲相続」とはいいません。

直系尊属(両親・祖父母)が相続人となるときの法定相続分は、次のとおりです。

被相続人に子がいる場合には、子のほうが優先して相続人となるため、直系尊属(親・祖父母)は相続人にはなりません。

直系尊属(親・祖父母)のみが相続人のとき

直系尊属(親・祖父母)のみが相続人となる場合とは、お亡くなりになったご家族に、配偶者(夫もしくは妻)も子どももいずれもいない場合です。

この場合には、直系尊属(親・祖父母)が、すべての相続財産を相続します。両親がいる場合には、法定相続分「1/2」となり、片親の場合には、残った親がすべて相続します。

直系尊属(親・祖父母)と配偶者が相続人のとき

配偶者(夫もしくは妻)がいる場合には、直系尊属(親・祖父母)と配偶者とが相続人となる場合があります。

直系尊属と配偶者が相続人となるとき、直系尊属の法定相続分は、次のとおりです。

配偶者の法定相続分 2/3
直系尊属の法定相続分 1/3

兄弟姉妹の法定相続分は?

兄弟姉妹もまた、法定相続分を有する場合があります。

兄弟姉妹が法定相続分を有する場合とは、配偶者と兄弟姉妹以外には、ほかに相続人がいないケースをいいます。

兄弟姉妹は、被相続人からみてそれほど親しい間柄ではなかったり、連絡がとりづらかったりすることがあるため、あらかじめ遺言などによって、兄弟姉妹には相続させないという内容を記載しておくことが有用です。

兄弟姉妹には、「遺留分」がないため、遺言によって、兄弟姉妹には相続分を与えないようにすることができます。

兄弟姉妹のみが相続人のとき

兄弟姉妹のみが相続人のとき、兄弟姉妹の法定相続分100%です。つまり、すべての相続財産を、兄弟姉妹が相続します。

兄弟姉妹のみが相続人の場合とは、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子、両親、祖父母など)がまったくいない場合のことをいいます。

半血の兄弟姉妹(異父兄弟・異母兄弟など)の場合には法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の「1/2」とされます。

兄弟姉妹と配偶者が相続人のとき

兄弟姉妹と配偶者が相続人となるとき、兄弟姉妹の法定相続分は、次のとおりです。

兄弟姉妹の配偶者法定相続分はありません。兄弟姉妹がお亡くなりになっていたときは、兄弟姉妹の子(甥・姪)が代襲相続しますが、更にその子(甥・姪の子)は、再代襲をすることはありません。

配偶者の法定相続分 3/4
兄弟姉妹の法定相続分 1/4

法定相続分と異なる遺産分割をするには?

法定相続分は、民法に定められた相続についての基本的な考え方ですが、必ずしもこれに従わなければならないわけではありません。

法定相続分は、民法で認められた相続をする権利ではあるものの、絶対にその通りにしなければならない義務はありません。相続人側からすれば、法定相続分通りには、必ずしももらえない場合があります。

法定相続分をある程度無視して、法定相続分とは異なる分配方法で遺産を分けるためには、次の方法があります。

「遺言」による法定相続分と異なる遺産分割

法定相続分とは異なる相続割合、分割方法などを定めた遺言が存在する場合には、法定相続分よりも優先します。お亡くなりになったご家族(被相続人)の生前の意思を、遺産分割にも反映するためです。

法定相続分に対して、遺言によって被相続人が定めた相続分のことを、「指定相続分」といいます。

しかし一方で、法定相続分は、被相続人によって扶養されていた配偶者や子の保護などの目的があるため、遺言によっても、最低限侵害されない保障があります。これが「遺留分」です。

そのため、遺言によって、法定相続分のうち、遺留分までも侵害されてしまっているときは、「遺留分侵害額請求権(遺留分減殺請求権)」によって、法定相続分のうちの一部を回復することができます。

参 考
「遺留分」の基本的な考え方について、詳しくはこちらをごらんください。

相続の専門用語である「遺留分」の考え方について、弁護士が、わかりやすく解説します。 「遺留分」とは、ご家族がなくなったときに発生する、「相続人が、これだけはもらえる。」という財産の割合のことです。 相 ...

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被相続人が、認知症になりそうな兆候があるときは、せっかく作成した遺言が無効となってしまうおそれがあるため、お早目の遺言作成をお勧めしております。

「遺産分割協議」による法定相続分と異なる遺産分割

被相続人がお亡くなりになった後、相続人が遺産分割について話し合いを行うのが、「遺産分割協議」です。

遺産分割協議で、相続人が全員合意をすれば、法定相続分とは異なる計算、割合によって、相続財産を分けることができます。このとき、遺産分割協議の結果は、法定相続分に優先します。

遺産分割協議による話し合いが、法定相続分とは違った内容でまとまったときは、再度の紛争が起こることを避けるためにも、遺産分割協議書という書面を作成し、合意内容をまとめておくことがお勧めです。

法定相続分通りにわけるのであれば、遺産分割協議書は不要です。

遺産分割協議が、相続人間の話し合いによってはまとまらないときは、家庭裁判所に、遺産分割調停という手続きを申し立てることができます。

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、法定相続分の基礎知識を、相続人のケースに応じて、パターン別に相続問題に強い弁護士が解説しました。

法定相続分の考え方を正しく理解することによって、遺産分割協議を円滑に進めたり、遺言による相続税対策を間違いなく進めたりすることができ、損のない相続を準備することができます。

「相続財産を守る会」でも、相続の専門家(弁護士、司法書士)が、ご家庭のご事情をお聞きして、オーダーメイドの相続プランをご提案します。

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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