相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

遺産分割

相続財産をもらいすぎた人への対応は?特別受益で調整する方法

投稿日:

遺言や、お亡くなりになった方の生前の贈与によって、相続財産(遺産)をもらいすぎの人がいるとき、相続人はどのように対応したらよいのでしょうか。

相続財産を守る会には、「特別受益」に関する次のようなご相談がよく寄せられます。

よくある相続相談

  • 兄が親と同居しており、親が亡くなる前に多額の生活費をもらっていた。兄は相続財産をもらいすぎではないか?
  • 妹は結婚の際に多額の支度金をもらっていたが、自分はもらわなかった。妹だけお金をたくさんもらって不公平ではないか?
  • 他の相続人から「遺産をもらいすぎだ」と言われているが、自分は親と同居して親の面倒を見ていた。遺産を多くもらうことは当然だ。

今回は、遺産の「もらいすぎ」が問題となる場合の相続分(遺産の取り分)の調整について、相続に強い弁護士がご説明します。

「遺産分割」の人気解説はこちら!

遺産分割

2018/12/12

遺産相続に強い弁護士に、相談・依頼する6つのメリット

遺産相続トラブルを抱えている方から、「弁護士には敷居が高くて相談できない。」とか、「弁護士に相談するととても高額の費用がかかるのではないか。」といったお声を聞きます。 確かに、遺産相続トラブルを自分たちだけで解決をできることもありますが、家族内では解決できないほど紛争が激化してしまったとき、遺産相続を解決した実績の豊富な、相続に強い弁護士に相談したり、依頼したりすることはとても有益です。 そこで今回は、遺産相続トラブルを抱えて、弁護士に相談しようかお悩みの相続人の方に向けて、その相続問題を弁護士にご相談い ...

ReadMore

遺産分割

2019/1/29

遺留分減殺請求をされても不動産を失わない方法「価額弁償」とは?

民法上、相続人が最低限相続できる財産である遺留分を侵害して多くの財産を得た人は、他の相続人から「遺留分減殺請求権」を行使されるおそれがあります。 遺留分減殺請求をされたとき、不動産(土地・建物)を生前贈与や遺贈などによって得て、多くの相続財産(遺産)を得ていたとき、遺留分減殺請求の結果、その不動産が共有となってしまったり、その不動産を渡さなければならなかったりすることがあります。 「価額弁償」という方法を利用することによって、不動産を多くもらうことによって他の相続人の遺留分を侵害した人であっても、不動産を ...

ReadMore

遺産分割

2018/11/16

指定相続分とは?法定相続分との違いは?

相続財産(遺産)を相続する割合のことを、「相続分」といいます。そして、相続分には、指定相続分と法定相続分とがあります。 相続財産の分け方は、遺言によって希望通りに決めることができますが、遺留分等に注意しなければなりません。指定相続分について民法の条文は次の通りです。 民法908条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。 今回は、指定相続分についての基礎知識、法定相続分との違い、指 ...

ReadMore

遺産分割

2019/2/19

連帯保証人の保証債務を、複数人で相続したとき、どう分割する?

相続人は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続する結果、親が有する、「連帯保証人」という地位も相続することになります。マイナスの財産を相続したくない場合には、家庭裁判所に相続放棄を申述するしかありません。 しかし、相続人が複数いるとき、不動産、動産、預貯金といった、遺産分割をイメージしやすいプラスの財産と異なり、連帯保証人としての保証債務は、どのように分割するのでしょうか。 特に、連帯保証人は、「分別の利益」が認められず、債権者から請求されたら、共同保証人がいたとしても全額返済をしなければならないこ ...

ReadMore

遺産分割

2018/12/6

遺留分減殺請求権で不動産は得られる?不動産の遺留分の3つのこと

不動産(土地・建物など)を持つ地主の場合、特に相続分割のときにトラブルとなりがちです。 不動産を所有した地主の方がお亡くなりになり、「不動産を全て、1人の相続人に相続させる」という遺言書が残っていると、不動産を得られなかった相続人は、どのような請求ができるでしょうか。 よくある相続相談 不動産を相続できると思っていたら、1人の相続人にだけ相続させるという遺言書が発見された。 不動産から得られる賃料を、1人の相続人がずっと得ていた。 相続財産に占める不動産の金額が大きく、不動産の分割方法について話し合いが成 ...

ReadMore

相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺産分割協議のサポートに注力しています。

弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野です。

「特別受益」という考え方をご存知でしょうか。相続財産の分け方について、「どのような分け方が公平か」は、家族の状況、これまでの金銭管理の状況、被相続人の資力、生活状況などによっても異なります。

ご家族ごとに、公平な相続とは何かを考えていく必要がある中で、過去の「もらいすぎ」について、遺産分割協議の中で、適切に調整しなければなりません。。

法定相続分とは?

亡くなった方の相続人(配偶者、子ども、親など)には、法律で、相続の際の原則的な取り分が定められています。これを法定相続分(ほうていそうぞくぶん)といいます。

配偶者(=妻または夫)と子どもが相続する場合であれば、配偶者の法定相続分は1/2です。子どもは、残りの1/2を、人数に応じて平等に分けることになります。

相続人が子どもだけで、子どもが3人いる場合は、法定相続分は1/3ずつになります。

相続財産の分け方について、まずはシンプルな事例を考えてみます。

ケース1

被相続人の相続財産(=亡くなった時点での財産)が預金2000万円で、相続人は子どもであるA、Bの2人であったとします。

この場合、AとBの法定相続分は同じで、1/2ずつになりますので、AとBは、それぞれ1000万円ずつを受け取ることができます。

相続財産の分配方法について納得がいかないときに、そもそも相続財産の「もらいすぎ」にあたるのかどうかは、この法定相続分を基準に考えなければなりません。

法定相続分よりも多くの相続財産をもらっていることが明らかな相続人がいるときは、もらいすぎではないかどうかを検討することとなります。

参 考
「法定相続分」を知り、相続で損をしない方法は、こちらをご覧ください。

法定相続分とは、その名のとおり、「法律」で定められた「相続分」のことをいいます。民法で、「誰が、どの程度の割合の相続財産を得ることができるか」ということです。 法定相続分は、お亡くなりになったご家族( ...

続きを見る

ただし、不動産(土地・建物など)、非上場企業の株式などが相続財産の場合、相続財産の価値に争いがある場合があります。相続財産の価値が、あなたが考えるより安いものであった場合、もらいすぎではない可能性もあります。

相続財産のもらいすぎで「特別受益(とくべつじゅえき)」が生じる事例

特別受益とは、相続財産のもらいすぎを調整する方法

では、次の場合はどうでしょうか。相続財産をもらいすぎている相続人がいたとき、調整をする方法が、「特別受益」の考え方です。

ケース2

被相続人の相続財産が預金2000万円で、相続人は子どもであるA、Bの2人。ただし、Aは、被相続人が亡くなる1ヶ月前に、被相続人から生活費として現金1000万円をもらっていた。

仮に、この場合もAとBが遺産である預金を1000万円ずつ分けるとすると、Aは、遺産の中から受け取る1000万円のほかに、被相続人の生前贈与によって1000万円を受け取っているので、Aは合計で2000万円を受け取ることになります。

しかし、仮にAが生活費を受け取っていなければ、被相続人がのこした相続財産は3000万円であり、A、Bはそれぞれ1500万円ずつをもらっていたはずです。

そうすると、Aが受け取った生活費は、「遺産の前渡し」であり、その受け取った1000万円も遺産の一部であると考えて取り扱うのが公平であるといえます。

このように、相続人の中に、被相続人(亡くなった方)から一定の生前贈与を受けた人がいる場合には、そのことを考慮に入れずに相続財産を法定相続分にしたがって分割した場合、相続財産をもらいすぎている可能性があります。

この場合、生前に受けた利益を遺産の前渡しであるとして、遺産分割などの際に調整し、不公平が生じないようにするという制度が、「特別受益(とくべつじゅえき)」です。

特別受益で、もらいすぎている相続財産を取り返す方法は?

相続財産をもらいすぎていた相続人がいるとき調整して遺産を公平に分割することができ、その際に使う考え方が特別受益であると解説しました。そこで、もらいすぎ状態を解消するための特別受益の計算方法について解説します。

先ほどのケース2の例でいうと、Aが受けた特別受益は1000万円です。

特別受益の存在をふまえて、AとBの最終的な遺産の取り分は、次のように計算されます。

まず、遺産の額を計算します。

  • 被相続人が亡くなった時点で残っている預金2000万円に、Aが受け取った特別受益である1000万円を加えた3000万円が、被相続人の相続財産であるとみなす。

次に、Aの相続分を計算します。「法定相続分」に「特別受益」の存在を加味して計算します。このような相続分を具体的相続分(ぐたいてきそうぞくぶん)とよびます。

  • 3000万円をAとBで法定相続分どおりに分けると、それぞれ半分の1500万円が取り分となる。
  • ただし、Aは既に1000万円を被相続人から受け取っているので、Aがさらに受け取ることの金額(具体的相続分)は1500万円-1000万円=500万円である。

次に、Bの相続分を計算します。Bには特別受益はないので、Bの取り分(具体的相続分)は、法定相続分どおりになります。

  • Bの取り分(具体的相続分)は3000万円×1/2=1500万円である。

Aの相続分とBの相続分が計算できたので、被相続人が亡くなった時点で残っている財産を、両者の相続分の割合に応じて分配します。

  • 相続時点で現にのこっている財産は預金2000万円である。
  • Aの具体的相続分は500万円、Bの具体的相続分は1500万円である。
  • したがって、Aは預金2000万円のうち500万円を、Bは1500万円を受け取ることができる。

実際には、Aは、生前に1000万円を受け取っているので、Aは1000万円+500万円で合計1500万円をもらっています。

Bも1500万円を受け取っています。

このように、特別受益の考え方を使って「もらいすぎ」を調整する計算方法によれば、平等な相続を実現することができます。相続人間の公平を図るための制度が「特別受益」の制度です。

特別受益はどのような場合に生じる?

特別受益の計算が必要となる場合、つまり「もらいすぎ」の調整が必要となるのは、次のような場合です。

単に「あの相続人は、もらいすぎなのではないか。」と漠然と不満を持つのではなく、もらいすぎではないかと疑問がある場合には、相続の専門家である弁護士に無料相談ください。

ポイント

  • 遺贈(いぞう)を受けた場合
  • 婚姻または養子縁組のために贈与を受けた場合
  • 生活費として多額の贈与を受けた場合

ただし、婚姻のための贈与といっても、多額の持参金や支度金のようなものは特別受益として調整の対象になるとされていますが、結納金や挙式費用は特別受益にはなりません。

つまり、結婚のときに多額の持参金や支度金をもらうことは「もらいすぎ」と評価されるけれど、結納金や挙式費用程度であれば、常識の範囲内であるとお考えください。

生活費として多額の支援を受けていた場合でも、他の相続人も同じように多額の支援を受けていた場合には、それは特別受益にはなりません。

また、多額のお金をもらった場合でも、亡くなった方がその人のために意図的に多くの財産をのこしたいと考えてお金をあげたのであれば、相続財産の「もらいすぎ」とは判断されない場合もあります。

参 考
特別受益と認められる場合、認められない場合の違いは、こちらをご覧ください。

お亡くなりになったご家族から、生前に、学費や住宅の新築、建替えなど、多くの援助をしてもらった相続人と、援助を全くしてもらえなかった相続人との間で、不公平感が生じることがあります。 相続人間の、生前にお ...

続きを見る

遺産を「もらいすぎ」の相続人がいるとき、どう対応すべき?

遺産をもらいすぎの相続人がいるのではないか、実際には生前に多くのお金をもらっていたのではないかというお悩みがある方は、相続問題の専門家である弁護士にご相談ください。

特別受益にあたる場合には、遺産分割協議の中で、証拠をもって、特別受益を考慮して分配するべきであることを主張する必要があります。この場合、遺産分割協議が紛糾することが予想されます。

特別受益にあたるかどうか、相続財産のもらいすぎにあたるかどうかについて、弁護士に無料相談する際は、次の点を整理しておくとよいでしょう。

ポイント

  • 誰(被相続人)が誰(相続人)にお金をあげたのか
  • 相続人が、特別にお金をもらった時期(相続前か、相続後か)、金額
  • お金をもらった(あげた)ことを証明する資料

遺産分割協議のサポートは、「相続財産を守る会」にお任せください

いかがでしたでしょうか。

今回は、「相続人をもらいすぎている相続人がいる。」という理由で不公平感を感じている相続相談について、「特別受益」によって公平を確保し、相続財産を取り返す方法を相続に強い弁護士が解説しました。

「もらいすぎではないか。」という疑問を抱いたときは、そもそも、相続財産の価値を算定し、法定相続分を計算した上、どれだけの金額もらいすぎとなっているのかを計算しなければならず、相続の専門知識が必要です。

相続財産を守る会では、遺産分割協議の経験豊富な弁護士が、ご依頼者にとってより有利な相続の実現をサポートします。

ご相談の予約はこちら

相続のご相談は
「相続財産を守る会」
相続にお悩みの方、相続対策の相談をしたい方、当会の専門家にご相談ください。
お問い合わせはこちら
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

-遺産分割
-

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2021 All Rights Reserved.