★ 相続の専門家の正しい選び方!

終活の費用はいくらかかる?金額の相場とお金のかかる準備について解説

終活は、人生の最終章を自分らしく、心穏やかに迎えるためのステップですが、この大切なプロセスを進めるにあたり、多くの人が気になるのがその費用です。

「終活の費用はいくらかかるのか?」「どんな準備にお金がかかるのか?」といった点は、終活を考える上で避けては通れない問題です。終活の重要性からして、相続開始前後に必要となる準備に、一定の費用を要するのは仕方ありません。終活にかかる費用の相場を知ることは、自身の状況にあてはめた適切な終活を進める助けとなります。

本解説では、終活にかかる費用について具体的に必要な準備とともに解説します。葬儀の費用から、遺品整理、遺言書の作成、相続に関わる費用まで、終活に伴う様々な費用を明らかにし、賢く終活を進めるヒントを提供します。不安を払拭し、計画的に終活を進めるためにぜひご活用ください。

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終活には費用がかかる!平均してかかる費用は1,400万円

終活とは、人生の終わりに向けて行う事前準備を指す言葉で、医療や介護、お墓に関する希望をまとめたり、身の回りの不用品を整理したりすることが含まれます。

終活は自分自身が残された時間でやりたいことを明らかにし、また、残された家族が対応に困らないようにするために非常に重要です。ただし、実際にやろうとすると意外と費用がかかるのに驚くかもしれません。終活にかかる費用の例をまとめると、以下の通りです。

エンディングノートや遺言書の作成費用  10万円
※ 定型的な文言を想定  
生前整理にかかる費用  30万円
※ 3LDKの自宅を作業員5名で対応
医療・介護の準備にかかる費用600万円
葬儀や告別式の準備にかかる費用  200万円
※ 一般葬を想定
お墓や納骨堂の準備にかかる費用  150万円
※ 一般墓の購入を想定
空き家の整理にかかる費用  100万円
※ 不動産会社の仲介手数料や引越し費用
相続調査にかかる費用10万円
相続手続きにかかる費用  300万円
※ 経済的利益2,400万円の着手金・報酬金
合計約1,400万円

もちろん、これはあくまで一例であり、実際にかかる費用は個々の状況によっても大きく異なります。いわゆる三大都市圏もしくはその近隣地域で利便性の高いお墓を買う場合や、相続人間で意見が対立しているなど複雑な事情がある場合は、費用が高くなる傾向にあるので注意が必要です。

次章にて、各項目について詳しく解説します。

終活にかかる費用と相場の目安

一口に終活といっても、やるべきことは人それぞれです。ここでは、一般的に終活においてやるべきことの概要と、それにかかる費用の目安を解説します。

終活にかかる費用の相場を目安として知っておくことは、貯金の目標額を定めるのにも役立ちます。

終活のやることリストについて

エンディングノートや遺言書の作成費用

  • エンディングノートの作成費用
    無料
  • 遺言書の作成費用
    10万円〜20万円

まず、自身の遺志を後世に残すため、エンディングノートや遺言書を作成するのが終活のスタートです。エンディングノートは法的な要件がなく、あくまで自分で好きに作成して良いものなので、特段費用はかかりません。遺言書に関しては、作成や保管にあたって以下の費用がかかります。

  • 必要書類の取得費用
    (戸籍謄本、住民票、不動産の登記事項証明書、預金などの残高証明書)
  • 自筆証書遺言書保管制度を利用する際の手数料
  • 公正証書遺言を作成する際の公証役場への手数料
  • 公正証書遺言を作成する場合の証人への謝礼・日当

相続に必要な戸籍の収集は、司法書士などの専門家に任せれば、時間や手間がかからないメリットが大きいです。

また、遺言書の作成や公正証書化は、弁護士に相談しながら行うべきです。特に、自筆証書遺言の場合には、法律上の要件を充足していないと、将来になって無効と判断される危険があります。弁護士に遺言作成を依頼する場合の費用の例は、次の通りです。

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サービス内容手数料
遺言書作成
(定型的な文言)
10万円
遺言書作成
(オーダーメイド)
個別見積もり
※相続財産の5%が目安
公正証書化8万円
※東京23区内の公証役場への日当を含む

遺言書の基本について

生前整理にかかる費用

  • 生前整理にかかる費用
    30万円程度

生前整理とは、生きているうちから身の回りの不用品を処分することです。自分である程度進めておくことはできますが、量が多い場合は専門業者に頼むと良いでしょう。料金例を示しますが、家が広く、物が多い場合は高めになる点に注意してください。

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間取り作業人数・搬出車両作業料金例
1K・1R 1人       5万円~
1DK・1LDK         2人・2tトラック1台      8万円~
2DK・2LDK         3人・2tトラック1台      15万円~
3DK・3LDK       5人・2tトラック2台      20万円~

※その他、人件費として作業員1人当たり1万5,000円~2万円程度が請求されるのが通例。

仮に、3LDKの家の生前整理を頼んだ場合は料金として30万円程度(作業料金および人件費の合計額)かかると考えましょう。実際にかかる費用は依頼を検討する際に見積もりをとって確認するのがお勧めです。

医療や介護の準備にかかる費用

  • 医療の準備にかかる費用
    20万円程度
  • 介護の準備にかかる費用
    600万円程度

終活には、将来の医療や介護の準備も含みます。

まず、医療について、わかりやすい例として、入院時の自己負担費用の平均額で考えてみます。「入院したときにかかる費用はどれくらい?」(公益財団法人生命保険文化センター)によれば、過去5年間に入院し、自己負担額を支払った人を対象にした調査の結果、平均額は19.8万円という統計が発表されています。病気やけがの程度が重いほど多額の費用がかかる可能性がありますが、一方で同調査における費用の分布は20万円未満が約7割なので、まずは20万円をすぐに出せるようにしておいてください。医療保険などで賄える準備をしておくのもよいでしょう。

次に、介護費用について。同じく「介護にはどれくらの費用・時間がかかる?」(生命保険文化センター)の調査によれば、住宅改造や介護用ベッドの購入費など、初期の一時的な費用の合計は平均74万円とされます。また、月々の費用が平均8万3,000円、平均介護期間が5年1ヶ月とされているので、だいたい500万円かかる計算です。細々とした雑費もかかると考えると、余裕をもって600万円程度を準備しましょう。

葬儀や告別式の準備にかかる費用

  • 葬儀や告別式の準備にかかる費用
    150万円〜200万円程度

葬儀や告別式について、相続人に迷惑をかけないよう事前に取り決めておくことも終活の一部です。葬儀や告別式の準備にかかる費用は、どのような形式で執り行って欲しいかによってもかなり異なります。

「第5回 お葬式に関する全国調査」(2022年・鎌倉新書)によれば、葬儀費用の総額の平均は110万7,000円でした。ただし、この時はいわゆるコロナ禍であり、平均額が少なめになっています。1つ前の調査にあたる「第4回 お葬式に関する全国調査」では平均額が184万3,000円であったことを考えると、一般的な葬儀を行いたい場合は多めに見積もったほうが良さそうです。地域や宗派、希望にもよりますが150万円~200万円程度と考えましょう。

相続における葬儀費用の負担について

お墓や納骨堂の準備にかかる費用

  • お墓や納骨堂の準備にかかる費用
    150万円程度

「先祖代々のお墓に入るつもり」などはっきりとした予定がないなら、お墓や納骨堂の準備もしなくてはいけません。株式会社鎌倉新書が行った「第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)」によれば、お墓の型式別に見た平均購入金額は以下の通りでした。

一般墓149万5,000円
樹木葬63万7,000円
納骨堂  80万3,000円

一般墓を買いたい場合、150万円程度は見積もっておくべきです。墓石を建てることにこだわりがなく、費用を安く抑えたいなら、樹木葬や納骨堂も視野に入れましょう。

終活におけるお墓について

空き家の整理にかかる費用

  • 空き家の整理にかかる費用
    100万円〜150万円程度

既に亡くなった家族が住んでいた家があるものの、自分や他の家族が今後住む予定もないなら、早めに売ってしまうほうが良いでしょう。ただし、空き家の売却について仲介を不動産会社に依頼した場合は、仲介手数料がかかります。不動産会社に払う成功報酬であるため、取引が成立しなければ払う必要がありませんが、手放すうえでは欠かせない経費と考えてください。

仲介手数料には、宅地建物取引業法により以下の上限額が決められています。

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売買代金仲介手数料
200万円以下の場合          売買代金の5%以内の金額  
200万円超、400万円以下の場合   売買代金の4%+2万円以内の金額  
400万円を超える場合      売買代金の3%+6万円以内の金額  

つまり、仮に空き家が1,500万円で売れた場合、仲介手数料の上限額は56万1,000円になる計算です。遺品の整理をしたり、引っ越し作業をしたりなどの諸経費がかかることを考えると、空き家自体の価格にもよりますが、100~150万円程度は見込んでおいたほうが良いでしょう。また、空き家がすぐに売れるとは限らない以上、売却するなら早めに不動産会社に相談するのが好ましいです。

空き家の相続問題について

相続対策にかかる費用

  • 相続対策にかかる費用
    1万円〜10万円程度

終活の段階から、将来の相続を見据えて対策を講じておいてください。

どのような相続対策を行うべきか、本人と家族が置かれた状況や財産の内容によっても大きく異なります。いずれにしても、まずは弁護士や税理士などの専門家に相談し、財産の状況をしっかりと調べたうえで、どのような方法が最適なのかを探らなければなりません。初期の段階では、終活セミナーに参加したり、無料相談会に申し込んだりして知識をつけるのもよいでしょう。相談会や終活セミナーには料金が無料のものも多くあります。

弁護士に依頼する場合、まったく同じ手続きをしたとしても費用がそれぞれ異なるので、事前に見積もりを取るのが望ましいです。弁護士費用の一例は、次の通りです。

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サービス内容手数料
相談料  1時間1万円
相続調査   5万円~10万円
※難解なケースは別途見積もり

相続の専門家の選び方について

相続手続きにかかる費用

  • 相続手続きにかかる費用
    30万円〜100万円程度

自分が亡くなった後の話を考えるのも、終活においては重要です。故人が遺した財産をどのように分けるか話し合うことを遺産分割協議といいますが、お金が絡む話でもあるためなかなかまとまらないのは珍しくありません。交渉をスムーズに進めるためには、弁護士に間に入ってもらうのが望ましいです。

弁護士に遺産分割サポートを任せる際の弁護士費用の例は次の通りです。

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サービス内容      着手金  報酬金
遺産分割協議30万円30万円 +経済的利益の10%
遺産分割調停40万円 40万円 +経済的利益の10%
訴訟      50万円   50万円+経済的利益の10%

終活をしっかりしておかないと、後から、理不尽な遺言書や、準備のなさを理由に、争いが起こってしまうことがあります。「終活の費用」という点からは少し離れますが、自分の終活からは少し離れますが、自身が亡くなった後のトラブルを解決するにも、費用が必要となります。到底納得できない不公平な分割については、遺留分侵害額請求をすることができます。遺留分とは、法律上認められた遺産の最低限の取り分のことで、故人から見て配偶者、親、子にあたる人であれば認められます(兄弟姉妹には遺留分がないので注意してください)。

遺留分侵害額請求について弁護士がサポートする場合の費用の一例も紹介します。

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経済的利益の額  着手金  報酬金
300万円以下      8%        16%
300万円を超え、3000万円以下      5%+9万円          10%+18万円  
3000万円を超え、3億円以下         3%+69万円        6%+128万円  
3億円を超える場合          2%+369万円      4%+738万円

相続に強い弁護士の選び方について

終活にかかる費用を抑えるためのポイント

終活にかかる費用は工夫次第で抑えることもできます。そのために意識して欲しいポイントを解説します。早い段階で終活に着手することは、ゆっくりと時間をかけることができ、その結果、費用も安く抑えられるメリットがあります。

事前の情報収集を行う

事前に情報収集を行うことで、終活を無駄なく、費用少なく勧められます。例えば、遺品整理ひとつとっても、生前から少しずつ不要な持ち物を捨てる、誰かにあげるなどの形で処分していけば、最終的には専門業者に頼むとしても費用を減らすことができます。また、自分が講じられる相続税対策を知り、税理士と連携して活用しておけば、もしものことが起きても遺族が支払うべき相続税を減らせるかもしれません。

情報収集は自分で本や雑誌、Web記事を読んでも構いませんが、無料相談や終活セミナー、ワークショップも活用しましょう。知識や経験が豊富な専門家が必要な知識をわかりやすく伝えてくれるので、効率よく情報収集ができます。

終活に着手する必要性について、早期に気づくのが重要なポイントです。

相続の解説について

家族に気持ちを伝える

家族や信頼できる人に気持ちを伝えるのも重要です。

「自分はこうしたい」と相談し、終活計画を共有するのが、終活にかかる費用を安く抑えるコツです。その時に重要なのは、相手の気持ちも尊重することです。例えば、誰も住まない空き家があったとして、自分は処分しようと思っていても、他の家族が実はリフォームして住みたいと考えているかもしれません。このようなことは話し合いをしないとわからないので、定期的に話し合う機会を設けるのがお勧めです。

また、エンディングノートを用いて意思を伝え、死後の無駄な出費を抑えるのも重要です。例えば、自分は家族とごく親しい人だけに参列してもらう小規模な葬儀を望んでいたとしても、家族にその意図が伝わらなければ、大規模な葬儀を執り行うかもしれません。家族に「お葬式のことはエンディングノートに書いてあるから」と生前に伝えておけば、このような事態はある程度防げるはずです。

はっきりと遺志を伝えられるようにすることで、「わからないことがあればエンディングノートを見れば大丈夫」と心理的な安心感をお互いに持つことができ、無駄な出費の抑制につながります。

親の終活で子供がすべきことについて

早めに事前相談して相見積もりをとる

葬儀社、お墓、介護サービス、遺品整理業者を使う場合は、早めに事前相談して相見積もりを取りましょう。実際に必要になる直前に焦って決めると、相場より高いところに頼んでしまうこともあり得るため好ましくありません。すぐには必要にならない段階で相見積もりを取って比較検討することで、最適なコストを見極められます。

必要な費用がわかれば、必要な費用を貯金や資産形成によって少しずつ貯めることができます。

生活レベルに見合ったサービスを選ぶ

生活レベルに見合ったサービスを選ぶのも重要です。自分にとって不要なサービスにお金を払うことほど無意味なことはありません。何が必要で、何が不要かを見極めたうえで、どのようなサービスを使うかを厳選しましょう。特に、福祉サービスに関しては民間サービスのみならず、公的支援や地域の福祉サービスも充実しているので、使えそうなものがあれば十分に活用したいところです。

また、老後は収入が現役時代に比べ大幅に減少するので、生活レベルや収支が変わることも考えられます。一度使うサービスを決めたとしても、定期的に費用を見直し、不要だと思ったら切り替えを検討しましょう。

老後資金の必要額について

終活にかかる費用を準備する方法

本格的に終活を進めようとすると相応の費用はかかります。ここでは、終活にかかる費用を準備する方法について、詳しく解説します。

資産を売却してお金に換える

終活をすることで、将来使う予定のない資産を見極めることができます。

今後利用することのない資産があれば、売却してお金に換えることで、終活にかかる費用を捻出できます。例えば、都心かつ最寄り駅から近いところに住んでいるなら、思い切って車を手放すことも考えましょう。車が必要な場合は適宜レンタカーやカーシェアを使えば、維持費も含めて大幅な節約が見込め、その分を終活の費用に回せます。

また、最も効果が大きいのは、不要な不動産を売却することです。将来の相続のことを考えると、不要になった土地や建物は、早めに検討し、時間をかけて、高値で売却するのがお勧めです。

土地売却にかかる費用について

お金を貯蓄する

お金を貯蓄するのも、終活の費用を確保するうえでは重要です。

ただし、普通預金で貯めていくとほとんど利息がつかないので効率的に増やせません。当座の費用としてすぐに引き出せる額を貯蓄として確保できたら、残りの費用は後述する資産形成で賄う前提で準備を始めましょう。この点でも、早く終活に着手すれば、それだけ資産形成を行う期間を確保でき、終活にかかる費用を確保しやすくなります。

生命保険の見直しをする

生命保険の見直しも重要です。特に、死亡保険金の額を見直すことで、保険料は大幅に節約できるでしょう。子供が小さいうちと、大学生・社会人など大きくなって独立も視野に入ってきてからは、必要な保障額はまったく異なります。葬儀費用など相続に伴って生じる必要経費が賄える額にまで保障額を下げ、浮いたお金を終活費用として貯蓄したり、資産形成に回したりすることもできます。

また、葬儀費用を確保したいなら、葬儀保険を利用しても構いません。自分や配偶者、親が亡くなった際に支払われる保険金を葬儀費用に充当できます。

資産形成を始める

資産形成を始めることも、終活の費用を確保するうえで非常に有意義です。長期積立運用を心がけた資産形成を早くから始めることで、時間をかけて終活にかかる費用を確保できます。具体的な資産形成方法としては、代表的なものにNISAとiDeCoがあります。

  • NISA
    少額投資非課税制度のことで、専用口座を通じて投資信託や株式などの金融商品を購入すると、一定の条件下で配当・売却益に税金がかからなくなる。  
  • iDeCo
    個人型確定拠出年金のことで、毎月一定の掛金を拠出し、自分で運用することで60歳以降になれば一時金もしくは年金、もしくはこれらを併用して掛金の合計額および運用益を受け取れる。  

毎月数千円程度から始められるので、負担をかけずに少しずつ準備を始めたい場合にもおすすめします。

終活で考えるべきお金について

終活にかかる費用の注意点

終活にかかる費用を厳密に見積もるのは非常に難しいのも事実です。個々の状況に応じ、余裕を持った金額を準備してほしいところですが、特におひとりさまの終活の場合はそのあたりを強く意識しましょう。

おひとりさまの終活は費用も全て自分で準備する必要がある

おひとりさまであっても、もしものことがあったときに周囲を混乱させないためには終活が必要です。自分一人が前提なので、夫婦の場合に比べ、終活にかかる費用は抑えられます。

しかし、おひとりさまの場合、金銭面で家族・親族に頼れず、費用を準備するのが難しい面もあるのが実情です。いざというときにできるだけ自分の希望に沿った形で進められるよう、早い段階から資金の準備を始めましょう。また、病気や勤務先の都合で仕事ができなくなることも考えられる以上、生活防衛資金として生活費の半年分程度は常にストックしておくのが適切です。親や兄弟がすでに他界しているなどの理由で相続人がいない場合、誰に財産を渡すか決め、遺言書を作るのも重要です。

法定相続人がいない場合の手続きについて

悪徳業者にだまされないようにする

葬儀会社、遺品整理業者など終活に関連する専門業者の中には、残念ながら悪徳業者もいるのが実情です。専門業者を選ぶ際は、消費者センターなどで注意喚起されていないかを確認しましょう。友人・知人に自分や家族の終活を進めたことがある人がいるなら、利用した専門業者の感想を聞いてみることをおすすめします。

割高なサービスを選んでしまうと、終活にかかる費用の相場以上に多額の費用がかかってしまいます。また、契約時には必ず費用と業務範囲をしっかり説明してもらい、納得してから契約を結びましょう。

必要なものと不要なものを見極める

終活に限らず、不要なことにお金を払うのはあまり好ましくありません。終活においても、必要なものと不要なものを見極めるのが非常に重要になので、無駄を省くためにリスト化し、優先順位をつけて対応しましょう。

また、遺品整理などを業者に依頼するときは費用対効果を考えてみるのをおすすめします。簡単な片付けなど難易度が高くない作業は自分でできないかを考えてみましょう。

一方で、難しい知識や経験を要するものまで自分でやろうとする必要はありません。思ったような成果が得られなかったり、間違った対応をしていたためにトラブルになったりします。専門家に頼むほうが結果的に節約できそうなら、必要経費として出費は惜しまないようにしましょう。

まとめ

今回は、終活にかかる費用の面を中心に解説しました。

終活にかかる費用に、葬儀、遺品整理、遺言書作成、相続など様々な要素に分かれ、その総額は個々の生活レベルやニーズ、希望によって大きく異なります。とはいえ、終活にかかる費用にはある程度の相場があるので、全体の費用感を知り、計画的に賢く進めるようにしてください。

終活を計画的に行い、合理的な費用で収めることにより、経済的な不安なく老後を迎えることができ、大切な家族にも一定の遺産を残すことができます。本解説が、皆様の終活計画において有益なものとなり、安心して人生の最終章を迎える一助となれば幸いです。

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