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遺産分割

遺留分減殺請求を弁護士に相談するメリット8つと、弁護士費用

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遺留分減殺請求は、多くの相続手続きの中でも、難しい法律問題を含んでおり、「争続」にもなりやすいため、弁護士に相談・依頼したほうがよい手続であるといえます。

遺留分減殺請求権を行使すると、権利行使をされた相手方は、もらえる財産が少なくなることを意味します。このように限られた相続財産(遺産)の取り合いを意味する遺留分減殺請求は、相続手続きの中でも、特に揉め事が起こりやすいです。

そこで今回は、1人で簡単には解決できない場合に、遺留分減殺請求を弁護士に相談・依頼するメリットと、その際にかかる弁護士費用について、解説します。

遺留分、遺留分減殺請求権についての基本的な知識は、こちらの解説も参考にしてください。

参 考
遺留分の認められる割合と、計算方法は、こちらをご覧ください。

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参 考
遺留分減殺請求権の行使方法は、こちらをご覧ください。

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【メリット①】法的に正当な権利を擁護する

法的に有効な遺言書が作成されていたときには、遺言書に指定された相続分(指定相続分)が、民法で定められた相続分(法定相続分)に優先します。その結果、遺言によって、法定相続分より少ない財産しか相続できない相続人は損をすることになります。

しかし、遺言によって、相続する財産をどれだけでも減らせるわけではなく、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子、直系尊属)には、最低限相続できる財産(遺留分)が認められています。

遺留分を守るための「遺留分減殺請求」を弁護士に相談、依頼することにより、法的に正当な相続人の権利を擁護することができます。

弁護士は、依頼を受けた人の味方であり、依頼者の最大限の利益が守られるように、遺留分減殺請求や相続に関する法的知識、経験やノウハウを武器に弁護活動を行います。

参 考
法定相続人の範囲・順位と割合は、こちらをご覧ください。

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【メリット②】遺留分の計算が容易

遺留分の計算には、相続に関する法律、判例、裁判例についての詳しい知識が必要となります。遺留分は、次の計算式によって算出されます。

遺留分の金額=相続財産(+特別受益の金額)×遺留分割合

そのため、遺留分の金額を正確に計算するためには、次の法律知識が必要となるため、これらを知る弁護士に簡単に計算してもらうことで、遺留分減殺請求を多く取り扱う弁護士に相談、依頼するメリットがあります。

ポイント

  • 相続財産に含まれる財産と、その評価額の調査など
  • 民法に定められた遺留分割合と計算のしかた
  • 生前贈与、遺贈(遺言による贈与)などが特別受益にあたるかどうか

弁護士に相談、依頼することで、相談者の状況に応じた、最善かつ最速の解決策を提案してもらうことができます。インターネット上の情報などは一般論であり、「どのように遺留分減殺請求を進めたら有利か」は、ケースバイケースで個別事情に合わせた戦略が必要です。

参 考
遺留分をできるだけ増やす方法は、こちらをご覧ください。

遺留分減殺請求を行うとき、現在の制度では、遺留分減殺請求を受けた人の選択で、現物で返還をするか、金銭で返還をするか(価額弁償)を選べることとなっていますが、2018年民法改正が施行されると、金銭の返還 ...

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【メリット③】面倒な書類作成・手続が不要

遺留分減殺請求をはじめ、相続手続きを進めるにあたっては、面倒な書類作成、資料収集、手続などが多くあります。弁護士に相談、依頼すれば、これらの面倒な作業は、すべて法律事務所が一括して行ってくれます。

弁護士に依頼する際の弁護士費用が高額となることが心配な場合には、資料収集を相続人自身で行ったり、司法書士など弁護士以外の専門家に任せたりすることによって、弁護士費用を安くおさえることもできます。

特に、お亡くなりになった方(被相続人)の法定相続人が誰かを調べるためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除斥謄本、改製原戸籍謄本をすべて集めなければなりません。

参 考
相続手続きに必要な戸籍の収集方法は、こちらをご覧ください。

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【メリット④】遺留分減殺請求の時効に間に合う

遺留分減殺請求権の行使には、時効があります。「相続開始を知ってから1年以内」かつ「相続開始から10年以内」という期限内に権利行使をしなければ、遺留分減殺請求権は時効により消滅します。

時効が完成してしまう前に、権利行使を証拠に残る形で行わなければならず、この際には、次の2点がポイントとなります。

ポイント

  • 遺留分の調査(相続人調査、相続財産調査)を速やかに行うこと
  • 遺留分の権利行使を内容証明郵便で行うこと

いずれも、遺留分減殺請求を多く解決した実績ある弁護士に相談、依頼すれば、スピーディに進めることができます。

参 考
遺留分減殺請求の内容証明の書き方・書式は、こちらをご覧ください。

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【メリット⑤】調停・訴訟を有利に進められる

遺留分減殺請求は、相続人間の話し合いによって権利を守ることができる場合も多いですが、相続人間の対立が非常に激しい「争続」問題では、裁判所における手続が必要なケースも少なくありません。

この場合には、遺留分減殺請求調停、遺留分減殺請求訴訟などの裁判所の手続によって解決するわけですが、弁護士は、裁判所を利用した手続きの専門家であり、豊富な経験を有しています。

調停では、調停委員が話を聞いてくれるため、素人でもできるかのように思えますが、調停になれた弁護士が円滑に話をまとめ、調停委員にはたらきかけることで、より有利な解決への筋道が立てられます。

調停、訴訟などを利用した遺留分減殺請求を弁護士に相談、依頼することで、裁判所の手続に関する専門的な知識を利用して、より有利に進めることができます。

【メリット⑥】「争続」の相手方と対面しない

弁護士は、法律のトラブルになっている問題について、本人に代わって「代理人」として手続を行う職務があります。法律のトラブルについて、本人の代理人となることができるのは、弁護士だけで、司法書士、行政書士、税理士などは代理人となることができません。

本人に代わって、代理人として弁護士が行った行為は、本人が行った行為と同様の効果を持ち、その結果は本人に帰属します。この場合、相手からの連絡の窓口は、すべて弁護士です。

そのため、相続問題がトラブルとなり「争続」となったとき、相手方と対面することに心理的抵抗が大きい場合には、弁護士に相談、依頼すれば、変わりに遺留分減殺請求に関する交渉・調停・訴訟をすべて行ってもらうことができます。

冷静になれない、顔を見たくない、直接会うと正直な主張をぶつけられないなど、遺留分減殺の相手方となる相続人と会いたくない事情があるとき、弁護士に相談、依頼するメリットが大きいです。

【メリット⑦】感情的な争いに巻き込まれない

「ご家族の問題だから、家族間で話し合いをすれば大丈夫」というのは甘い考えである場合もあります。特に、遺留分減殺請求のように「お金の問題」が絡むと、仲の良かった家族が豹変し、感情的な争いが勃発することもしばしばです。

法的な考えにしたがって解決すれば、容易に解決できそうにみえる問題でも、金額でもめて感情的な対立が加速すると、簡単には解決できず裁判が必要となるケースも少なくありません。一旦もらえたと思った相続財産(遺産)を取り合うわけですから当然です。

参 考
遺産分割協議が揉める理由と解決法は、こちらをご覧ください。

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【メリット⑧】精神的な支えになる

兄弟姉妹以外の法定相続人に認められている遺留分には、残された遺族の生活保障という意味もあります。遺留分が侵害されると、これまでお亡くなりになった方(被相続人)の扶養を受けていた家族は、生活が立ち行かなくなってしまう危険もあります。

そのため、最低限保障されている財産である遺留分を請求する際には、遺留分減殺請求に詳しい弁護士に相談、依頼することで、精神的な支えになってもらえることも、メリットの1つです。相続人だけの孤独な戦いから解放されるのです。

弁護士は、法律問題を解決する専門家(プロ)です。弁護士に相談、依頼することで、不安な思い、疑問を、即座に弁護士に聞いて解消することができます。遺留分減殺請求の争いで、不安な心理を相手に利用されたり、足元を見られたりすることもありません。

遺留分減殺請求を弁護士に相談・依頼するときかかる弁護士費用は?

遺留分減殺請求を弁護士に相談、依頼することを検討し、「もっと相続財産を多くもらえるのではないか?」、「相続する権利を侵害されているのではないか?」とお悩みの方は、まずは、相続に強い弁護士による初回相談をご利用ください。

お悩みの遺留分減殺請求トラブルについて、実際に交渉・調停・訴訟の代理を弁護士に依頼しなくても、初回相談だけで解決できる場合もあります。法律相談料は、「30分5000円」、「1時間1万円」程度が目安となります。

参 考
遺産相続に強い弁護士の選び方は、こちらをご覧ください。

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遺留分減殺請求の初回相談時には、法律相談をよりスムーズに進めるため、事前に次の準備を進めるようにしてください。

遺留分を侵害された生前贈与の内容、金額を明らかにする。
遺留分を侵害された遺言書を持参する。
法定相続人をできる限り書き出しておく。
相続財産(遺産)の内容、金額をできる限り書き出しておく。

遺留分減殺請求の交渉・調停・訴訟の代理を弁護士に依頼するときには、日弁連の旧報酬基準が参考になります。日弁連の旧報酬基準では、遺留分減殺請求のように、請求する金額が明らかな事件について、着手金、報酬金を次のとおり定めています。

請求する遺留分の金額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 遺留分請求額の8% 取得した遺留分額の16%
300万円を超え
3000万円以下の場合
遺留分請求額の5%+9万円 取得した遺留分額の10%+18万円
3000万円を超え
3億円以下の場合
遺留分請求額の3%+69万円 取得した遺留分額の6%+138万円
3億円を超える場合 遺留分請求額の2%+369万円 取得した遺留分額の4%+738万円

その他、実費や日当がかかる場合があります。特に、遺留分減殺請求を行使するとき、いくらの請求をすべきか知るためには、相続人調査、財産調査が必要となるため、戸籍、登記簿など必要書類を集めるための費用がかかります。

参 考
相続手続きに必要な戸籍の収集方法は、こちらをご覧ください。

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なお、弁護士費用は自由化されているため、相続に強い弁護士の中には、日弁連の旧報酬基準によらず、定額制に近い料金体系や、「相談料無料」、「着手金無料」などの法律事務所もあります。

ただし、「無料」だけに惹かれることなく、遺留分減殺請求でいくらとれそうかの弁護方針をしっかり聞くとともに、どのような手続きになった場合に追加費用が発生するかを正確に説明してもらい、理解しておいてください。

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、相続手続きの中でも、特に争いの火種となりやすい「遺留分減殺請求権」の問題について、弁護士に相談、依頼するメリットと、かかる弁護士費用を解説しました。

高額となる遺留分減殺請求など、どうしても失敗できない重要な相続問題を任せる弁護士を選ぶときは、実際に会って話を聞いて決めた方がよいでしょう。費用だけで選んで損することのないよう、相性なども含め、初回法律相談で確認してください。

「相続財産を守る会」では、遺留分減殺請求を得意とする弁護士が複数在籍しており、ご家族の状況や財産の状況に応じて、より有利な事件解決のポイントを、丁寧にわかりやすくアドバイスします。

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