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遺産分割

遺留分・遺留分減殺請求権は譲渡・贈与できる?【弁護士解説】

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遺留分は、法定相続人に与えられた権利ですが、権利というものは、法律上、譲渡・贈与の対象とすることができます。そこで、遺留分や遺留分減殺請求権は、譲渡・贈与することができるのか、という疑問が生まれます。

遺留分や遺留分減殺請求権が譲渡・贈与することができるかどうかは、相続が開始しているかどうか、遺留分に関する権利が具体的な権利として発生しているかどうかなどによって異なるため、そのタイミングによって場合分けして、弁護士が解説します。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(つまり、配偶者、子・孫、両親・祖父母など)が持つ、最低限相続できる割合のことをいい、生前贈与や遺贈により遺留分が侵害されるときは、遺留分減殺請求権を行使することで、その救済を図ることができます。

参 考
遺留分が認められる割合と計算方法は、こちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

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2018/12/22

【書式付】遺留分減殺請求の内容証明の書き方・作成方法・注意点

遺留分減殺請求権とは、民法で認められた法定相続人のうち、兄弟姉妹以外(配偶者、子、孫、直系尊属)がもつ、遺言などによっても侵害されずに相続できる相続分のことをいいます。 生前贈与や遺言による贈与(遺贈)などによって遺留分が侵害されてしまったとき、遺留分減殺請求をするわけですが、この権利行使の意思表示を確実に相手方に伝えるために、「配達証明付き内容証明郵便」が利用されます。 内容証明郵便は、郵便局が取り扱う送付方法の中でも特殊なものです。そこで今回は、遺留分減殺請求権の行使を確実に行えるように、遺留分減殺請 ...

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2019/4/18

子どものいない夫婦の相続対策のポイントは?何からはじめたらよい?

家族のあり方が多様化し、結婚をしても、お子さんをつくらないというご夫婦も増えてきました。 お子さんがいないご夫婦の場合、「夫婦2人が生活できるだけの財産があればよい」、「死んだ後のことなど心配しても仕方ない」とおっしゃる方もいます。しかし、子どものいない夫婦であっても、相続対策のときに気を付けておいていただきたいポイントがあります。 お子さんがいないご夫婦の場合、「全財産を配偶者にあげたい」と考えることが多いでしょうが、対策なくしては実現できないケースもあります。 そこで今回は、子どものいない夫婦が行うべ ...

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2019/2/4

遺留分減殺請求訴訟とは?訴訟提起から判決までの流れ【弁護士解説】

相続人の最低限の相続分を確保するための「遺留分減殺請求」にまつわる争いごとを行うとき、話し合い(交渉・協議)や調停によっても解決できないときに利用されるのが「遺留分減殺請求訴訟(いりゅうぶんげんさいせいきゅうそしょう)」です。 遺留分減殺請求訴訟は、裁判所で行う訴訟手続きですので、訴状作成、証拠収集などの複雑な手続きは、弁護士にご依頼頂くメリットが大きいです。ただ、基本的な訴訟提起から判決までの流れや、依頼者に行って頂く準備などを理解しておいたほうがよいです。 遺留分の争いには、「取得した相続財産の評価」 ...

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2019/1/28

代襲相続人には遺留分減殺請求権がある?認められる遺留分の割合は?

少子高齢化が進み、お子さんが生きているうちに、親のほうが先に亡くなってしまうというケースも稀ではなくなってきました。被相続人の死亡よりも前に、既に相続人がお亡くなりになっていると、その子が代わりに相続をする「代襲相続」が発生します。 代襲相続は、子が死亡しているときは孫、孫が死亡しているときは曾孫(ひまご)へと延々続いていきますが、代襲相続人の相続に関する権利は、代襲される人(お亡くなりになった相続人)と同内容の権利を持つことになります。 そこで、生前贈与や遺贈などによって最低限相続できる遺留分を侵害され ...

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2019/1/24

配偶者居住権とは?自宅に住み続けるための活用方法│2018年改正

今回は、持ち家の相続に関するお話です。不動産を所有する方の相続では、私たち相続財産を守る会の専門家にも、多くのお悩みが寄せられます。 高齢社会の進展にともなって、夫婦の一方が亡くなったときの、のこされた配偶者の年齢もまた、これまでより高齢化しています。高齢であればあるほど、「自宅に住み続けることができるか」は、死活問題です。 よくある相続相談 夫に遺言を残してもらい、一緒に住んでいた家を相続したが、預金を相続できなかったため生活費に苦しんでいる。 相続分どおりに分割協議をして、家を相続したが、その他の現預 ...

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相続開始前に、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与できる?

遺留分は、潜在的には、相続人の続柄や人数によって計算することができますが、遺留分減殺請求権が実際に生じるのは、被相続人がお亡くなりになり、相続が開始する時点になってはじめて生じます。

そのため、相続開始前の段階(被相続人の生前)では、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与することはできません。

そもそも、相続が開始する前は、相続人としての地位は未確定であり、不安定なものです。死亡する順序やタイミングなどによっては、法定相続人が変わることもあります。また、相続財産(遺産)の範囲についても、相続開始直前まで変動し得るものです。

相続開始後に、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与できる?

被相続人がお亡くなりになり、相続が開始すると、その後は、遺留分減殺請求権が具体的な権利として発生します。すると、その後は遺留分減殺請求権を譲渡・贈与の対象とすることができるわけですが、もう1つの場合分けが必要となります。

それは、既に発生した遺留分減殺請求権を、「行使する意思表示」を行った前なのか、後なのか、という点です。

というのも、遺留分減殺請求権は、「形成権」といって、権利を行使した時点でその権利の効果が実現するため、遺留分減殺請求権を行使する意思表示を行うとすぐに、その権利は、相続財産に対する遺留分相当分の共有持分となるためです。

参 考
相続・生前贈与の「贈与契約書」の作成方法は、こちらをご覧ください。

相続対策をするとき、検討しなければならないのが「生前贈与」です。つまり、お亡くなりになる前に、生きているうちに、財産の一部を他人に贈与するという相続対策です。 財産を贈与する契約のことを贈与契約といい ...

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権利行使の意思表示前の、遺留分・遺留分減殺請求権の譲渡・贈与

相続が開始されると、遺留分減殺請求権は具体的な権利として発生しますので、その権利を譲渡・贈与の対象とすることができます。

ただし、遺留分減殺請求権が、どれほどの価値のある権利かは、相続財産の調査や、相続財産の評価などを行わなければ明らかとならないため、実際には、高額の価値ある権利として取り扱うことは困難であり、譲渡・贈与されることは多くありません。

もっとくわしく!

より難しい話をすると、ある人にしか帰属せず他の人には譲渡できない権利のことを「(帰属上の)一身専属権」といいますが、遺留分減殺請求権は、これには当たらず、譲渡・贈与することが可能です。

権利行使の意思表示後の、共有持分の譲渡・贈与

相続が開始された後、権利行使の意思表示をすると、遺留分減殺請求権は、「権利行使によって発生した相続財産(遺産)に対する共有持分権に形を変えます。つまり、不動産や株式、債権、動産など、相続財産(遺産)の持分になるわけです。

権利行使の意思表示は、後に争いとならないよう、配達証明付き内容証明郵便など証拠に残る形で行います。遺留分減殺請求権には、「相続開始もしくは減殺請求の対象となる贈与などを知ってから1年」かつ「相続開始から10年」という期限があるからです。

しかし、権利行使の意思表示前の譲渡・贈与と同様に、相続財産(遺産)に対する共有持分権についても、その価値を評価することが難しく、また、他の共同相続人との共有になってしまうため、実際には譲渡・贈与を希望する人は少ないです。

参 考
遺留分減殺請求権の行使方法は、こちらをご覧ください。

相続が開始されたときに、相続財産をどのように引き継ぐ権利があるかは、民法に定められた法定相続人・法定相続分が目安となります。 しかし、お亡くなりになった方(被相続人)が、これと異なる分割割合を、遺言に ...

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もっとくわしく!

権利の行使を他人が行うことのできない権利のことを「(行使上の)一身専属権」といい、このような権利は債権者代位権の対象にはならないとされています。

遺留分減殺請求権は「(行使上の)一身専属権」であることが最高裁判例(最高裁平成13年11月22日判決)で認められていますが、このことと、権利行使前に譲渡・贈与できることや、権利行使後の共有持分を譲渡・贈与できることとは矛盾しません。

他の共同相続人への遺留分減殺請求権の譲渡・贈与

遺留分遺留分減殺請求権は、価値の評価が困難であり、相続人間の「争続」に巻き込まれる可能性も高いため、赤の他人が譲渡、贈与を希望することは少ないです。しかし、他の共同相続人であれば、このことはあてはまりません。

つまり、相続人のうちのある人が、不公平なほどの多くの財産を相続したとき、遺留分を侵害された他の相続人のうち1人は、「もう争いには巻き込まれたくない」といって、他の相続人に対して遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡する、という事があり得ます。

遺留分・遺留分減殺請求権の譲渡を受けた他の相続人は、その分だけ、遺留分減殺請求調停・訴訟などの戦いに勝利したときには、得られる相続財産(遺産)が増えることとなります。

参 考
遺産分割協議がもめる理由と、対処法は、こちらをご覧ください。

「遺産分割協議」とは、法定相続人や、遺言によって相続人に指定された人が、相続財産(遺産)をどのように分けるかについて話し合いをする協議のことです。 遺産分割協議は、あくまで話し合いですから、円満に解決 ...

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いかがでしたでしょうか?

今回は、遺留分や遺留分減殺請求権を、他人に譲渡・贈与することができるかについて、タイミングごとに場合分けして、弁護士が解説しました。特に、相続人となって争いに巻き込まれたくないという方は、相続分の譲渡はもちろんのこと、遺留分の譲渡をあわせてご検討ください。

ただし、遺留分減殺請求権の譲渡、贈与はとても難しい問題であり、かつ、その範囲や評価を確定されることがとても困難です。最終的には、話し合いで決まらない場合には、調停・訴訟を起こして争わなければなりません。

「相続財産を守る会」では、遺留分減殺請求権の譲渡・贈与を含む、対立の激しい困難な相続トラブルにも、弁護士が複数名で積極的に対応しております。お悩みの方はぜひ一度法律相談ください。

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