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遺産分割

遺留分・遺留分減殺請求権は譲渡・贈与できる?【弁護士解説】

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遺留分は、法定相続人に与えられた権利ですが、権利というものは、法律上、譲渡・贈与の対象とすることができます。そこで、遺留分や遺留分減殺請求権は、譲渡・贈与することができるのか、という疑問が生まれます。

遺留分や遺留分減殺請求権が譲渡・贈与することができるかどうかは、相続が開始しているかどうか、遺留分に関する権利が具体的な権利として発生しているかどうかなどによって異なるため、そのタイミングによって場合分けして、弁護士が解説します。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(つまり、配偶者、子・孫、両親・祖父母など)が持つ、最低限相続できる割合のことをいい、生前贈与や遺贈により遺留分が侵害されるときは、遺留分減殺請求権を行使することで、その救済を図ることができます。

参 考
遺留分が認められる割合と計算方法は、こちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

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遺産分割

2019/1/24

法定相続分を超える「超過特別受益」は、返還する義務がある?

お亡くなりになった方(被相続人)から、生前贈与などによって特別な利益を得た人は、その分を遺産分割のときに調整することとなります。これを「特別受益」といいます。 特別受益の考え方は、共同相続人間の不公平を正すために、相続財産(遺産)となるはずの財産をより多く得ていた方が、その財産を相続財産(遺産)に加算して清算するためのものです。しかし一方で、法定相続分を超える財産を生前に得ていたとき、特別受益の考え方では調整ができない場合があります。 そこで今回は、法定相続分を超える財産を、被相続人の生前に得ていた「超過 ...

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遺産分割

2019/2/9

相続分の譲渡は特別受益?遺留分侵害になる?【最高裁平成30年10月19日】

平成30年10月19日の最高裁判所判決で、遺留分の侵害が争われた事件において、「相続分の譲渡が『遺留分侵害』にあたるかどうか」という点について新しいルールが示されました。 この最高裁判決によれば、相続分の譲渡をした場合に、それが「贈与」にあたり、遺留分を侵害する可能性があるという判断が下されました。この判決の内容は、相続の生前対策や、遺留分をめぐる争いに大きな影響を与えます。 そこで、今回の解説では、最高裁平成30年10月19日判決で示された新しいルールと、最高裁の示した新しいルールと相続法改正を踏まえて ...

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遺産分割

2018/11/10

もめる遺産分割協議8パターン、揉める理由と対処法を弁護士が解説

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遺産分割

2019/1/15

遺言書があるか不明でも遺留分を請求できた事例【相続の解決事例】

今回は、相続相談に対して、実際に遺産相続に強い弁護士が受任し、解決に導いた事例を、「解決事例」の形式でご紹介します。 遺言書があり、民法で最低限相続できることが保障された「遺留分」を侵害されている場合には、遺留分を侵害している相続人に対して、その返還を求めることができます。 しかし、実際には、遺言書があると遺言によって相続財産(遺産)を得た相続人が単独で相続登記などを行うことができるため、「遺言書があるのかどうか」がそもそも知らされず、どうしてよいのかわからず、対応にお迷いになる相談ケースも少なくありませ ...

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2019/1/30

相続における「養子」の全ポイントを弁護士がわかりやすく解説!

相続のとき養子がいることがありますが、養子がいるのといないのとで、相続手続きがどの程度変わるか、ご存じでしょうか。 養子は、「養子縁組」をすることで発生する身分関係ですが、相続と養子の関係について、「養子であっても、実子と同様に取り扱うもの」、「養子であることで特別扱いとなるもの」などがあり、相続の場面に応じて養子の取扱いを変えなければならないことがあります。 今回は、相続と養子の関係する問題点をすべて、相続に強い弁護士が解説します。 「遺産分割」の人気解説はこちら! 目次1 養子縁組をする場合としない場 ...

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相続開始前に、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与できる?

遺留分は、潜在的には、相続人の続柄や人数によって計算することができますが、遺留分減殺請求権が実際に生じるのは、被相続人がお亡くなりになり、相続が開始する時点になってはじめて生じます。

そのため、相続開始前の段階(被相続人の生前)では、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与することはできません。

そもそも、相続が開始する前は、相続人としての地位は未確定であり、不安定なものです。死亡する順序やタイミングなどによっては、法定相続人が変わることもあります。また、相続財産(遺産)の範囲についても、相続開始直前まで変動し得るものです。

相続開始後に、遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡・贈与できる?

被相続人がお亡くなりになり、相続が開始すると、その後は、遺留分減殺請求権が具体的な権利として発生します。すると、その後は遺留分減殺請求権を譲渡・贈与の対象とすることができるわけですが、もう1つの場合分けが必要となります。

それは、既に発生した遺留分減殺請求権を、「行使する意思表示」を行った前なのか、後なのか、という点です。

というのも、遺留分減殺請求権は、「形成権」といって、権利を行使した時点でその権利の効果が実現するため、遺留分減殺請求権を行使する意思表示を行うとすぐに、その権利は、相続財産に対する遺留分相当分の共有持分となるためです。

参 考
相続・生前贈与の「贈与契約書」の作成方法は、こちらをご覧ください。

相続対策をするとき、検討しなければならないのが「生前贈与」です。つまり、お亡くなりになる前に、生きているうちに、財産の一部を他人に贈与するという相続対策です。 財産を贈与する契約のことを贈与契約といい ...

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権利行使の意思表示前の、遺留分・遺留分減殺請求権の譲渡・贈与

相続が開始されると、遺留分減殺請求権は具体的な権利として発生しますので、その権利を譲渡・贈与の対象とすることができます。

ただし、遺留分減殺請求権が、どれほどの価値のある権利かは、相続財産の調査や、相続財産の評価などを行わなければ明らかとならないため、実際には、高額の価値ある権利として取り扱うことは困難であり、譲渡・贈与されることは多くありません。

もっとくわしく!

より難しい話をすると、ある人にしか帰属せず他の人には譲渡できない権利のことを「(帰属上の)一身専属権」といいますが、遺留分減殺請求権は、これには当たらず、譲渡・贈与することが可能です。

権利行使の意思表示後の、共有持分の譲渡・贈与

相続が開始された後、権利行使の意思表示をすると、遺留分減殺請求権は、「権利行使によって発生した相続財産(遺産)に対する共有持分権に形を変えます。つまり、不動産や株式、債権、動産など、相続財産(遺産)の持分になるわけです。

権利行使の意思表示は、後に争いとならないよう、配達証明付き内容証明郵便など証拠に残る形で行います。遺留分減殺請求権には、「相続開始もしくは減殺請求の対象となる贈与などを知ってから1年」かつ「相続開始から10年」という期限があるからです。

しかし、権利行使の意思表示前の譲渡・贈与と同様に、相続財産(遺産)に対する共有持分権についても、その価値を評価することが難しく、また、他の共同相続人との共有になってしまうため、実際には譲渡・贈与を希望する人は少ないです。

参 考
遺留分減殺請求権の行使方法は、こちらをご覧ください。

相続が開始されたときに、相続財産をどのように引き継ぐ権利があるかは、民法に定められた法定相続人・法定相続分が目安となります。 しかし、お亡くなりになった方(被相続人)が、これと異なる分割割合を、遺言に ...

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もっとくわしく!

権利の行使を他人が行うことのできない権利のことを「(行使上の)一身専属権」といい、このような権利は債権者代位権の対象にはならないとされています。

遺留分減殺請求権は「(行使上の)一身専属権」であることが最高裁判例(最高裁平成13年11月22日判決)で認められていますが、このことと、権利行使前に譲渡・贈与できることや、権利行使後の共有持分を譲渡・贈与できることとは矛盾しません。

他の共同相続人への遺留分減殺請求権の譲渡・贈与

遺留分遺留分減殺請求権は、価値の評価が困難であり、相続人間の「争続」に巻き込まれる可能性も高いため、赤の他人が譲渡、贈与を希望することは少ないです。しかし、他の共同相続人であれば、このことはあてはまりません。

つまり、相続人のうちのある人が、不公平なほどの多くの財産を相続したとき、遺留分を侵害された他の相続人のうち1人は、「もう争いには巻き込まれたくない」といって、他の相続人に対して遺留分・遺留分減殺請求権を譲渡する、という事があり得ます。

遺留分・遺留分減殺請求権の譲渡を受けた他の相続人は、その分だけ、遺留分減殺請求調停・訴訟などの戦いに勝利したときには、得られる相続財産(遺産)が増えることとなります。

参 考
遺産分割協議がもめる理由と、対処法は、こちらをご覧ください。

「遺産分割協議」とは、法定相続人や、遺言によって相続人に指定された人が、相続財産(遺産)をどのように分けるかについて話し合いをする協議のことです。 遺産分割協議は、あくまで話し合いですから、円満に解決 ...

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いかがでしたでしょうか?

今回は、遺留分や遺留分減殺請求権を、他人に譲渡・贈与することができるかについて、タイミングごとに場合分けして、弁護士が解説しました。特に、相続人となって争いに巻き込まれたくないという方は、相続分の譲渡はもちろんのこと、遺留分の譲渡をあわせてご検討ください。

ただし、遺留分減殺請求権の譲渡、贈与はとても難しい問題であり、かつ、その範囲や評価を確定されることがとても困難です。最終的には、話し合いで決まらない場合には、調停・訴訟を起こして争わなければなりません。

「相続財産を守る会」では、遺留分減殺請求権の譲渡・贈与を含む、対立の激しい困難な相続トラブルにも、弁護士が複数名で積極的に対応しております。お悩みの方はぜひ一度法律相談ください。

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