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遺言

不公平な遺言書は有効?無効?公平に相続財産をもらう方法は?

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あなたにとってあまりにも不公平な内容の遺言書が残っていたとき、「この遺言書は無効なのではないか。」と納得がいかない相続人の方から、ご相談を受けることがあります。

結論から申しますと、遺言書は、「不公平である。」という理由だけで無効になることはありません。すなわち、不公平な遺言書もまた、「遺言は有効である。」ということです。

一方で、不公平な遺言書によって権利を侵害された相続人が、少しでも公平に相続財産(遺産)をもらう方法として、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」があります。

しかし「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」という権利も、遺言書無効にするわけではありません。

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2018年相続法の改正で変わる、遺言制度の見直し【弁護士解説】

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2018/12/6

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2018/10/23

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2019/1/5

親に遺言書を書いてもらう方法・テクニック7つ【弁護士解説】

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不公平な遺言書は有効?無効?

父が亡くなり、遺産分割協議のときに、兄が「遺言がある。」といって遺言書を見せてきました。相続人は、母と、私と兄の3人です。

その内容によると、「相続財産の全てを兄に与える。」と書いてあり、私は遺産を1円ももらえない内容となっていました。あまりに不公平であり、兄が父をそそのかして無理やり書かせたのではないかとも思いました。

確かに、私は結婚をして家庭を持っていましたので、独身の兄よりも両親と接する機会は少なかったかもしれませんが、限られた時間を大切にして、親孝行をしてきたつもりでいたので、納得がいきません。

「遺留分」という言葉を聞いたことがあり、不公平な遺言に従って遺産分割協議を進めてよいものなのか、不公平な遺言は無効ではないのか、と疑問に思ったので、弁護士に相談しました。

ご家族がお亡くなりになったとき、遺言が存在している場合には、遺言に指定された相続分(指定相続分にしたがって遺産分割を行うのが原則です。

遺産分割協議で、遺言に従わないことについて相続人の全員が合意をすれば、遺言と異なる相続割合とすることもできますが、遺言に従った方が有利な相続人がいる場合には、この合意を得ることは困難です。

明らかに不公平な遺言が残っていた場合に、その遺言を無効とすることができるのでしょうか。そして、不公平な遺言による損害の回復をどのように請求したらよいのでしょうか。

そもそも遺留分とは?

不公平な遺言から、相続人を救済するための方法として、「遺留分」という言葉が有名です。

遺留分とは、お亡くなりになったご家族の相続財産のうち、民法に「法定相続人」と定められた人が、遺言などによっても侵害されずに必ず相続できる財産の割合のことをいいます。遺留分の割合は、民法に次の通り定められています。

ポイント

  • 直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1
  • それ以外の場合は、被相続人の財産の2分の1

本解説の冒頭の例ですと、法定相続人は母と子2名ですので、「直系尊属のみが相続人であるとき」以外の場合にあたり、遺留分の割合は「2分の1」です。

したがって、相談者の具体的な遺留分は、次のように計算し、相続財産の「4分の1」となります。

遺留分の割合=相続財産×2分の1(子の法定相続分)×2分の1(遺留分割合)

参 考
遺留分の割合と計算方法について、詳しくはこちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

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注意ポイント

兄弟姉妹には、そもそも遺留分がありません。お亡くなりになった方に、直系尊属(両親、祖父母)も子もいずれもいない場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。

兄弟姉妹は、どれほど不公平な遺言が残っており、その遺言によって全く相続財産が得られなかったとしても、その不公平な遺言が有効となることはもちろんのこと、遺留分を主張して争うことすらできないのです。

したがって、兄弟姉妹が法定相続人となりそうな場合(両親、祖父母、子がいない方がお亡くなりになる場合)には、相続財産を全く与えないという内容の不公平な遺言を書かれないよう、生前に遺産の話し合いを行いましょう。

遺留分を侵害する遺言も、無効ではない

遺留分を侵害された場合には、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」を行使することで、法定相続人であれば最低限の相続分(遺留分)を確保することができます。冒頭の相談例で解説すると、次の通りです。

たとえば・・・

冒頭の相談例では、相続人は配偶者(妻)と子2名ですので、それぞれの遺留分は、次の通りとなります。

  • 妻の遺留分=相続財産×1/2×1/2
  • 子の遺留分=相続財産×1/2×1/2×1/2

妻の遺留分は相続財産の1/4、子の遺留分は1人あたり1/8ですが、今回「すべての遺産を長男に与える」という遺言がありますので、妻、次男の遺留分が侵害されていることは明らかです。

したがって、妻は相続財産の1/4、次男は相続財産の1/8を返還するよう、すべての相続財産を相続することとなった長男に請求することができます。

「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」は、民法に次の通り定められているように、あくまでも、遺留分を侵害した生前贈与、遺贈の効果を一部なくす(減殺する)ことができるだけで、遺言自体を無効とするわけではありません。

つまり、遺留分を侵害する遺言もまた、遺言自体は有効です。

民法1031条

遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

遺留分を侵害する遺言も、遺言自体は有効であることから、遺留分を侵害された相続人が「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」を行使しない限り、不公平な遺言書に記載された不公平な相続分割のとおりに進むこととなります。

決して、不公平な遺言が無効となり、裁判所などが勝手に遺留分の権利を保護してくれるわけではありません。不公平な遺言に異議を唱えるかどうかは、相続人当人次第なのです。

もっとくわしく!

実際、遺言者から弁護士への相続に関する相談の中には、遺留分を侵害する可能性のある、不公平な遺言を残しておきたい。」というケースも少なくありません。

そして、遺留分を侵害する遺言であっても、不当に不公平な遺言であっても、それだけで遺言自体が無効となるわけではないことから、遺言者が望むのであれば、その内容で遺言書を作成することがあります。

この場合、次の点に配慮して遺言書を作成すると、不公平な遺言による相続トラブルを少しでも未然に抑制することができます。

  • 「付言事項」として、不公平な遺言となった理由、動機、心境を記載しておく。
  • 不公平な遺言によって相続分が少なくなる相続人に、相続する財産の種類などの点で有利な内容とする。
  • 不公平な遺言の内容となることを、生前に相続人に説明し、理解を得ておく。

不公平な遺言が無効となる場合とは?

不公平な遺言が、「不公平である(遺留分を侵害している)」という理由だけで無効と判断されるわけではないことを解説しました。

一方で、「不公平である(遺留分を侵害している)」という理由だけでは無効にならないものの、結果として、不公平な遺言が無効となる場合があります。遺言書の偽造、強要など、不当な働きかけがあったケースです。

たとえば・・・

例えば、ある相続人にとって不公平な遺言を残すことは、他の相続人にとって有利で、得な遺言となっていることが多いでしょう。

有利で得な遺言を残してもらうために、遺言書を偽造したり、遺言を強要したりすれば、その遺言無効になる可能性があります。

痴呆症、アルツハイマー、認知症などによって相続財産の処分について判断能力がなくなっているご家族に、自分にとって有利な遺言を作成させたケースも、遺言書が無効となる可能性が高い例といえます。

不公平な遺言が残っているとき、「不公平だから無効だ。」という主張をするのでなく、理不尽に不公平な内容である場合、そのような遺言書が作成されてしまった理由に不適切な問題点がないかを検討してください。

逆に、被相続人(遺言者)と同居しているなど近しい立場にあり、自分にとって有利で得な遺言を残してもらえるときは、後々無効とならないよう、弁護士などの専門家に依頼し、公正証書遺言を作成してもらうことがお勧めです。

公正証書遺言を、相続に関する法律に詳しい弁護士に依頼することで、次のメリットが期待できます。

ポイント

  • 不公平な遺言が、遺留分を侵害しないよう相続分を計算して遺言を作成してもらえる。
  • 不公平な遺言が遺留分を侵害する場合であっても、その対応方法を遺言に記載してもらえる。
  • 「遺言を残す能力がなかった」という理由で遺言が無効になることを避けられる。
参 考
「公正証書遺言」の作成方法と注意点は、こちらをご覧ください。

公正証書遺言は、自筆証書遺言、秘密証書遺言といった、その他の遺言の形式に比べて、確実性が高く、偽造、改ざんをされにくい点で、最もお勧めの遺言方法です。 遺言書を作成して遺言を残そうと、弁護士、税理士、 ...

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いかがでしたでしょうか。

今回は、「不公平な遺言を残されてしまい、相続財産を得られないので納得がいかない。」という相続相談について、「遺留分」の基礎知識を踏まえて相続に強い弁護士が解説しました。

法定相続分は、一般的に公平と考えられる相続割合について民法が定めたものですが、法律に定められた相続分すら得られないほど家族の関係が悪化していることは、非常に悲しいことです。

「相続財産を守る会」には、相続に強い弁護士が在籍しており、豊富な遺言作成の実績を踏まえ、争いを防止できる遺言書の作成について、無料相談でお手伝いしています。

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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