相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

遺言

不公平な遺言書は有効?無効?公平に相続財産をもらう方法は?

投稿日:

あなたにとってあまりにも不公平な内容の遺言書が残っていたとき、「この遺言書は無効なのではないか。」と納得がいかない相続人の方から、ご相談を受けることがあります。

結論から申しますと、遺言書は、「不公平である。」という理由だけで無効になることはありません。すなわち、不公平な遺言書もまた、「遺言は有効である。」ということです。

一方で、不公平な遺言書によって権利を侵害された相続人が、少しでも公平に相続財産(遺産)をもらう方法として、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」があります。

しかし「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」という権利も、遺言書無効にするわけではありません。

「遺言」の人気解説はこちら!

遺言

2018/12/7

遺言を残さないと危険?遺言書を絶対に書いておくべき人とは?

「遺言を書いておいたほうがよいのでしょうか?」という相続相談が、弁護士のもとに多く寄せられています。結論からいうと「遺言を書かないほうがよい」という人はいません。 相続人も相続財産も、相続債務も全くない、という人でない限り、「遺言を書いた方がよい。」というアドバイスを差し上げることとなります。むしろ、「遺言書かないと危険だ」というリスクある方もいます。 今回は、その中でも「絶対に遺言書を書いておいた方がよい(むしろ、遺言を書かないと不利益がある、損をする)」と強くお勧めしたい方について、相続に詳しい弁護士 ...

ReadMore

遺言

2018/11/7

自分で遺言書を作成する方法と注意点を、弁護士が解説

遺言書を作成しておくことで、未然に防げる相続トラブルは多くあります。遺言を作成するのに、早すぎるということはありません。 遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種がありますが、今回は、最も簡単に作成でき、自分ひとりで作成できる「自筆証書遺言」を作成する方法と注意点を、相続に強い弁護士が解説します。 よくある相続相談 自分で遺言書を作成する方法を、手順に応じて知りたい。 自分で遺言書を作成しても無効にならないための注意点を知りたい。 遺言がない場合には、相続は法律のルールどおりに行われ、相続 ...

ReadMore

遺言

2018/12/7

遺言書作成にはメリットも、デメリットもある?対策は?

遺言は、いつかやってくるかもしれない万一の自分の死亡のときのために、残されたご家族が困らないように残しておくものです。そのため、適切な遺言には大きなメリットがあり、デメリットはそれほどありません。 しかし、遺言についての知識、経験が乏しく、間違った遺言を残してしまえば、遺言を残すことによるデメリットも当然ながら存在します。 そこで今回は、遺言作成のメリット・デメリットについて、遺言と相続に詳しい弁護士が解説します。解説を参考に、遺言書を書くかどうかをご決断ください。 注意ポイント なお、遺言書を作成する方 ...

ReadMore

遺言

2019/1/14

【2019年1月13日施行!】自筆証書遺言の財産目録の改正ルール【完全版】

2018年7月の相続法の改正で、自筆証書遺言の作成ルールが変わります。 この改正は、2019年(平成31年)1月13日に施行されます。施行日に、この記事は修正しました。 遺言書は、のこされる家族などのために、自分の財産の分け方を決めておくための、大切な文書です。せっかく作った遺言書を後から無効とされてしまわないように、正しい作成方法を知っておくことが重要です。 今回は、この自筆証書遺言の作成ルールの変更について、施行日直前ということで詳しい解説を、相続に強い弁護士が解説します。 目次1 そもそも自筆証書遺 ...

ReadMore

遺言

2019/2/8

「相続させる旨の遺言」とは?遺贈との違いは?弁護士が詳しく解説!

遺言書においてひんぱんに登場するのが、「不動産は妻に相続させる」、「A銀行の預金は長男に相続させる」といった、「~を相続させる」という言葉です。このような内容の遺言は「相続させる旨の遺言」と呼ばれます。 遺言書において特定の財産を特定の方に与える方法には、「遺贈(いぞう)」もあります。正確には、特定の財産を与える遺贈は、「特定遺贈」と呼びます。 では、「相続させる旨の遺言」と「遺贈」は、どのように違うのでしょうか。遺言書において「相続させる」と書いた場合に、どのような意味があるのでしょうか。 遺言をのこさ ...

ReadMore

遺言

2018/11/26

遺言書の調査方法(調べ方)と検認手続のポイントを弁護士が解説!

「遺言書」が、相続において非常に重要であることは、一般の方でもご理解いただけているのではないでしょうか。遺言が存在する場合には、民法の原則にしたがわない遺産分割を行わなければならないことが多いからです。 しかし、遺言書の存在を、全ての相続人が知っている場合は、むしろ稀かもしれません。 よくある相続相談 相続人の一部の人が、自分に有利な公正証書遺言を書くよう強要した。 相続人に知られず作成された自筆証書遺言が仏壇から発見された。 自筆証書遺言で必要となる検認手続について知りたい。 身近な相続人すら知らなかっ ...

ReadMore

遺言

2018/12/6

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較!結局どちらがいい?弁護士が解説

数ある遺言書の種類のうち、特によく利用されているのが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。この2つの遺言については聞いたことがある方が多いでしょう。他方、秘密証書遺言や緊急時の遺言の利用頻度は非常に低いです。 自筆証書遺言にも公正証書遺言にも、いずれもメリット、デメリットがあると解説されています。メリット、デメリットとして非常に多くの項目を比較していくと、結局どちらを利用したらよいかわからなくお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回は、ご状況に合わせて結局自筆証書遺言と公正証書遺 ...

ReadMore

遺言

2018/7/27

遺言は作り直せる?自筆証書遺言の修正・変更の5つのポイント

あなたは、遺言を作っていますか? 「遺言」は、遺言をのこす人が、ご家族や、お世話になった人などのために、遺言をのこす人の「想い」にそって財産をわたすための、大切な手紙のようなものです。 「遺言」を、書面の形で示したのが「遺言書」ですが、「遺言書」は、自分ひとりで書くもの(「自筆証書遺言」といいます。)でものこすことができます。 私達弁護士が相続についての法律相談を受けて、このような話をすると、「実は仏壇の下に・・・」など語りだす方も少なくありません。 しかし、ご自分ひとりで書く「自筆証書遺言」は、専門家が ...

ReadMore

遺言

2018/12/19

遺言能力とは?遺言が有効にある場合、無効になる場合の判断基準

遺言能力とは、遺言を有効に行うことができる能力のことをいいます。相続の生前対策で、「遺言を残しておいた方がよい」というアドバイスをよく受けるかと思います。しかし、遺言能力のない状態で残した遺言書は、無効です。 せっかく相続税対策、揉めない遺産分割対策などの目的で残した遺言が無効となってしまわないためにも、遺言能力があるかどうか、の判断基準をしっかり理解してください。特に、認知症にり患してしまった後の遺言書作成には要注意です。 また、相続人の立場でも、不利な遺言が残っているとき、「遺言能力のない状態で作成さ ...

ReadMore

遺言

2018/12/30

遺言書と異なる内容の遺産分割協議はできる?できない4つのケース

ご家族がお亡くなりになって遺言書が発見されたとき、故人の遺志を尊重してあげたいものの、どうしても納得いかない内容の遺言が残されていたという相続相談があります。 遺産分割協議とは、遺産の分割方法を、相続人全員で話し合い、相続人全員の合意のもとに相続財産(遺産)を分け与える手続きのことをいいます。 他の相続人も、遺言書の内容にどうしても従いたくない場合には、遺言書の内容とは異なる内容の遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成することができるのでしょうか。できるケース、できないケースについて、相続に詳しい弁護士 ...

ReadMore

遺言

2018/11/12

口約束の相続は有効?口約束の遺産をもらう2つの方法【弁護士解説】

亡くなったご家族が、生前に残した口約束が、相続のとき問題となることがあります。「私が死んだら、一緒に住んでいた家は、妻のために残す」と言われていた人は、遺産分割協議のとき強く主張するでしょう。 一方で、共同相続人にとって、「全ての財産をあなたに譲る」と他の相続人が言われていたと主張するとき、相続で取得できる財産の激減を意味しますから、強硬に反対するに違いありません。 よくある相続相談 相続財産をもらう口約束をしてもらった相続人が、財産を確実に取得する方法はありますか? 口頭による相続の約束は、遺言として有 ...

ReadMore

遺言

2018/8/8

自筆証書遺言が作成しやすくなりました!【2018年法改正】

「遺言を作ろう。」と考えている方に朗報です。 2018年7月に、相続分野の法律が改正されました。これによって、2019年からは、遺言が、より簡単に残しやすくなります。 というのも、「遺言」とひとことでいっても、「遺言」にはいろいろな形式があり、それぞれの形式ごとに、満たさなければならない要件があります。 「遺言」の法律上認められる要件を欠いてしまうと、せっかく遺言を作ったのに、お亡くなりになった後に「無効」となってしまい、「遺言」を作成した意思が実現できなくなってしまいます。 今回のテーマである「自筆証書 ...

ReadMore

遺言

2018/12/6

遺言書がトラブルの原因となるケースと解決法を、弁護士が解説!

相続の生前対策として「遺言書を書くこと」がよくあげられます。しかし、お亡くなりになったご家族残していた遺言が、かえってトラブルの原因・発端となることもあります。 「遺言書がなくて遺産分割でもめた」という話はよく聞きますが、逆に「遺言があったことでもめた」という相続相談も、弁護士のもとには多く寄せられています。遺産分割でもめると、相続税申告、相続登記などにも影響します。 そこで今回は、遺言書がかえってトラブルの原因となるケースと解決法を、相続に詳しい弁護士が解説します。遺言書は、争い回避の手段ですが、不適切 ...

ReadMore

遺言

2018/11/7

不公平な遺言書は有効?無効?公平に相続財産をもらう方法は?

あなたにとってあまりにも不公平な内容の遺言書が残っていたとき、「この遺言書は無効なのではないか。」と納得がいかない相続人の方から、ご相談を受けることがあります。 結論から申しますと、遺言書は、「不公平である。」という理由だけで無効になることはありません。すなわち、不公平な遺言書もまた、「遺言は有効である。」ということです。 一方で、不公平な遺言書によって権利を侵害された相続人が、少しでも公平に相続財産(遺産)をもらう方法として、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」があります。 しかし「遺留分減殺請求 ...

ReadMore

遺言

2018/10/18

【弁護士が解説】公正証書遺言の書き方の注意点と4つのメリット

公正証書遺言は、自筆証書遺言、秘密証書遺言といった、その他の遺言の形式に比べて、確実性が高く、偽造、改ざんをされにくい点で、最もお勧めの遺言方法です。 遺言書を作成して遺言を残そうと、弁護士、税理士、司法書士などの相続の専門家に相談にいくと、真っ先に勧められるのが、公正証書遺言の作成であることが多いのではないでしょうか。 公正証書遺言を作成するときには、弁護士などの専門家に依頼する方が多いですが、公正証書遺言についてのポイントを、最低限理解してご依頼いただくのがよいでしょう。 よくある相続相談 公正証書遺 ...

ReadMore

遺言

2018/12/22

遺言書を失くしたら?紛失したら?再度作成し直す方法・注意点は?

せっかく作成した遺言書を失くしてしまったら、どうしたらよいのでしょうか。遺言書は重要な書類であり、自分が死んだ後の相続財産の分け方について、自分の意向を反映させるものですから、保管、管理は万全にしなければなりません。 しかし、火災や地震、引っ越しなどの際に遺言書の紛失はどうしても起こってしまう可能性があります。遺言書を失くしてしまったとき、紛失したときの対応は、自筆証書遺言か、公正証書遺言かによっても異なります。 そこで今回は、遺言書を失くしたとき、紛失したときの対応と、再度作成しなおす方法・注意点を、相 ...

ReadMore

遺言

2019/2/11

遺言者より先に相続人が死亡した場合の対応は?代襲相続できる?

遺言をのこしてくれたご家族(遺言者)が、「全ての財産を相続させる」と遺言に書いてくれたのに、その遺言者よりも先に、財産をのこされる側の相続人(受遺者)がお亡くなりになってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。 受遺者はもはやこの世にいないわけですから、遺言書の通りに相続させることはできません。相続問題において、相続人が先に死んでしまったときにその子が代わりに相続する「代襲相続」がありますが、遺言の際には同様の状況でも「代襲相続」とはなりません。 そこで今回は、例えば祖父が、「長男にすべての財 ...

ReadMore

遺言

2018/10/17

【弁護士が解説する】自筆証書遺言の要件と、書き方の注意点!

お亡くなりになったご家族の方の意思を、死亡後も、相続に反映する方法が、「遺言」(いごん・ゆいごん)です。 「遺言」は、お亡くなりになったご家族(被相続人)の一方的な意思によって、相続人の合意なく、その意思のとおりの効果を発揮するもので、法律の専門用語では「単独行為」といいます。 よくある相続相談 家族のために貢献してくれた相続人に、多くの財産を残してあげたい。 家業を継ぐ長男のために、事業継続のために必要となる財産を引き継がせたい。 「二次相続」トラブルの防止のため、子に全ての財産を引き継がせたい。 遺言 ...

ReadMore

遺言

2019/1/5

親に遺言書を書いてもらう方法・テクニック7つ【弁護士解説】

15歳以上の人は、遺言を残す能力(遺言能力)がありますが、遺言を書くも書かないも遺言者の自由であって、実際には、遺言書を書かずにお亡くなりになる方も大勢います。「遺言自由の原則」があるからです。 しかし、お亡くなりになる方(被相続人)にとっては、「自分の死亡した後のことは、子に任せる」という方もいますが、実際に家族が亡くなったとき残された者の立場では、遺言書がないととても手間がかかったり、「争続」となって丸く収まらないことも少なくありません。 「遺言書の話は気が重い」、「死後の相続のことを生きているうちに ...

ReadMore

遺言

2019/1/6

複数の遺言書が発見!対応は?どれが優先?【弁護士が解説!】

遺言書とは、お亡くなりになったご家族の、相続財産の分け方についての意向を示す、とても重要な書類です。その効果は絶大で、民法に定められた法定相続分よりも、遺言書に書かれた指定相続分が原則として優先します。 しかし、尊重されるべき重要な書類である遺言書が、複数発見されたとき、どのように対応したらよいでしょうか。どの遺言書にしたがえばよいのでしょうか。優先順位などはあるのでしょうか。特に、全ての遺言書の内容が全く違い、相反するとき混乱することでしょう。 遺言書は、お亡くなりになった方(被相続人)が熟考に熟考を重 ...

ReadMore

不公平な遺言書は有効?無効?

父が亡くなり、遺産分割協議のときに、兄が「遺言がある。」といって遺言書を見せてきました。相続人は、母と、私と兄の3人です。

その内容によると、「相続財産の全てを兄に与える。」と書いてあり、私は遺産を1円ももらえない内容となっていました。あまりに不公平であり、兄が父をそそのかして無理やり書かせたのではないかとも思いました。

確かに、私は結婚をして家庭を持っていましたので、独身の兄よりも両親と接する機会は少なかったかもしれませんが、限られた時間を大切にして、親孝行をしてきたつもりでいたので、納得がいきません。

「遺留分」という言葉を聞いたことがあり、不公平な遺言に従って遺産分割協議を進めてよいものなのか、不公平な遺言は無効ではないのか、と疑問に思ったので、弁護士に相談しました。

ご家族がお亡くなりになったとき、遺言が存在している場合には、遺言に指定された相続分(指定相続分にしたがって遺産分割を行うのが原則です。

遺産分割協議で、遺言に従わないことについて相続人の全員が合意をすれば、遺言と異なる相続割合とすることもできますが、遺言に従った方が有利な相続人がいる場合には、この合意を得ることは困難です。

明らかに不公平な遺言が残っていた場合に、その遺言を無効とすることができるのでしょうか。そして、不公平な遺言による損害の回復をどのように請求したらよいのでしょうか。

そもそも遺留分とは?

不公平な遺言から、相続人を救済するための方法として、「遺留分」という言葉が有名です。

遺留分とは、お亡くなりになったご家族の相続財産のうち、民法に「法定相続人」と定められた人が、遺言などによっても侵害されずに必ず相続できる財産の割合のことをいいます。遺留分の割合は、民法に次の通り定められています。

ポイント

  • 直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1
  • それ以外の場合は、被相続人の財産の2分の1

本解説の冒頭の例ですと、法定相続人は母と子2名ですので、「直系尊属のみが相続人であるとき」以外の場合にあたり、遺留分の割合は「2分の1」です。

したがって、相談者の具体的な遺留分は、次のように計算し、相続財産の「4分の1」となります。

遺留分の割合=相続財産×2分の1(子の法定相続分)×2分の1(遺留分割合)

参 考
遺留分の割合と計算方法について、詳しくはこちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

続きを見る

注意ポイント

兄弟姉妹には、そもそも遺留分がありません。お亡くなりになった方に、直系尊属(両親、祖父母)も子もいずれもいない場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。

兄弟姉妹は、どれほど不公平な遺言が残っており、その遺言によって全く相続財産が得られなかったとしても、その不公平な遺言が有効となることはもちろんのこと、遺留分を主張して争うことすらできないのです。

したがって、兄弟姉妹が法定相続人となりそうな場合(両親、祖父母、子がいない方がお亡くなりになる場合)には、相続財産を全く与えないという内容の不公平な遺言を書かれないよう、生前に遺産の話し合いを行いましょう。

遺留分を侵害する遺言も、無効ではない

遺留分を侵害された場合には、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」を行使することで、法定相続人であれば最低限の相続分(遺留分)を確保することができます。冒頭の相談例で解説すると、次の通りです。

たとえば・・・

冒頭の相談例では、相続人は配偶者(妻)と子2名ですので、それぞれの遺留分は、次の通りとなります。

  • 妻の遺留分=相続財産×1/2×1/2
  • 子の遺留分=相続財産×1/2×1/2×1/2

妻の遺留分は相続財産の1/4、子の遺留分は1人あたり1/8ですが、今回「すべての遺産を長男に与える」という遺言がありますので、妻、次男の遺留分が侵害されていることは明らかです。

したがって、妻は相続財産の1/4、次男は相続財産の1/8を返還するよう、すべての相続財産を相続することとなった長男に請求することができます。

「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」は、民法に次の通り定められているように、あくまでも、遺留分を侵害した生前贈与、遺贈の効果を一部なくす(減殺する)ことができるだけで、遺言自体を無効とするわけではありません。

つまり、遺留分を侵害する遺言もまた、遺言自体は有効です。

民法1031条

遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

遺留分を侵害する遺言も、遺言自体は有効であることから、遺留分を侵害された相続人が「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」を行使しない限り、不公平な遺言書に記載された不公平な相続分割のとおりに進むこととなります。

決して、不公平な遺言が無効となり、裁判所などが勝手に遺留分の権利を保護してくれるわけではありません。不公平な遺言に異議を唱えるかどうかは、相続人当人次第なのです。

もっとくわしく!

実際、遺言者から弁護士への相続に関する相談の中には、遺留分を侵害する可能性のある、不公平な遺言を残しておきたい。」というケースも少なくありません。

そして、遺留分を侵害する遺言であっても、不当に不公平な遺言であっても、それだけで遺言自体が無効となるわけではないことから、遺言者が望むのであれば、その内容で遺言書を作成することがあります。

この場合、次の点に配慮して遺言書を作成すると、不公平な遺言による相続トラブルを少しでも未然に抑制することができます。

  • 「付言事項」として、不公平な遺言となった理由、動機、心境を記載しておく。
  • 不公平な遺言によって相続分が少なくなる相続人に、相続する財産の種類などの点で有利な内容とする。
  • 不公平な遺言の内容となることを、生前に相続人に説明し、理解を得ておく。

不公平な遺言が無効となる場合とは?

不公平な遺言が、「不公平である(遺留分を侵害している)」という理由だけで無効と判断されるわけではないことを解説しました。

一方で、「不公平である(遺留分を侵害している)」という理由だけでは無効にならないものの、結果として、不公平な遺言が無効となる場合があります。遺言書の偽造、強要など、不当な働きかけがあったケースです。

たとえば・・・

例えば、ある相続人にとって不公平な遺言を残すことは、他の相続人にとって有利で、得な遺言となっていることが多いでしょう。

有利で得な遺言を残してもらうために、遺言書を偽造したり、遺言を強要したりすれば、その遺言無効になる可能性があります。

痴呆症、アルツハイマー、認知症などによって相続財産の処分について判断能力がなくなっているご家族に、自分にとって有利な遺言を作成させたケースも、遺言書が無効となる可能性が高い例といえます。

不公平な遺言が残っているとき、「不公平だから無効だ。」という主張をするのでなく、理不尽に不公平な内容である場合、そのような遺言書が作成されてしまった理由に不適切な問題点がないかを検討してください。

逆に、被相続人(遺言者)と同居しているなど近しい立場にあり、自分にとって有利で得な遺言を残してもらえるときは、後々無効とならないよう、弁護士などの専門家に依頼し、公正証書遺言を作成してもらうことがお勧めです。

公正証書遺言を、相続に関する法律に詳しい弁護士に依頼することで、次のメリットが期待できます。

ポイント

  • 不公平な遺言が、遺留分を侵害しないよう相続分を計算して遺言を作成してもらえる。
  • 不公平な遺言が遺留分を侵害する場合であっても、その対応方法を遺言に記載してもらえる。
  • 「遺言を残す能力がなかった」という理由で遺言が無効になることを避けられる。
参 考
「公正証書遺言」の作成方法と注意点は、こちらをご覧ください。

公正証書遺言は、自筆証書遺言、秘密証書遺言といった、その他の遺言の形式に比べて、確実性が高く、偽造、改ざんをされにくい点で、最もお勧めの遺言方法です。 遺言書を作成して遺言を残そうと、弁護士、税理士、 ...

続きを見る

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、「不公平な遺言を残されてしまい、相続財産を得られないので納得がいかない。」という相続相談について、「遺留分」の基礎知識を踏まえて相続に強い弁護士が解説しました。

法定相続分は、一般的に公平と考えられる相続割合について民法が定めたものですが、法律に定められた相続分すら得られないほど家族の関係が悪化していることは、非常に悲しいことです。

「相続財産を守る会」には、相続に強い弁護士が在籍しており、豊富な遺言作成の実績を踏まえ、争いを防止できる遺言書の作成について、無料相談でお手伝いしています。

ご相談の予約はこちら

相続のご相談は
「相続財産を守る会」
相続にお悩みの方、相続対策の相談をしたい方、当会の専門家にご相談ください。
お問い合わせはこちら
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

-遺言
-

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2019 All Rights Reserved.