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相続登記

相続登記の費用がいくらかかるか、司法書士が解説!

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相続財産に、不動産が含まれている場合には、遺言、遺産分割協議などによって決まった相続分にしたがって、不動産の登記名義を変更する必要があります。

相続が発生したときに、相続分にしたがって不動産の登記名義を変更することを「相続登記」といます。

相続登記は、相続の登記の専門家である司法書士の専門分野です。手続は司法書士に任せるとしても、大体の費用の相場を知っておくと安心です。

今回は、相続登記の際、どの程度の費用がかかるか、総額と内訳、司法書士費用などについて、相続問題に強い司法書士が解説します。

今回の解説でわかること

  • 相続登記にかかる費用と、その内訳
  • 相続登記にかかる司法書士費用(司法書士報酬)
  • 相続登記にかかる費用を、少しでも安くする方法

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相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺産分割協議のサポートに注力しています。

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吉越清顕"]

弁護士法人浅野総合法律事務所、司法書士の吉越です。

相続登記は、相続人が自分で行って頂くこともできますが、相続登記を多く取り扱っている司法書士にお任せいただくほうが、スピーディに、ミスなく行うことができます。

相続登記にかかる費用は、不動産の価値などによって異なるため一概にはいえませんが、大体の相場を知っていただいたほうが損しなくてよいでしょう。当事務所では、事前にご費用を説明する「明朗会計」を心掛けています。
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相続登記とは?

相続登記とは、相続を原因とする、被相続人からその相続人へ名義を変更する登記手続きのこといいます。一般的には、相続による所有権移転登記のことをさします。

相続登記には期限はありませんが、できるだけ早く進めておいたほうがよいでしょう。

というのも、相続で承継した不動産を、将来売却することをお考えの場合には、相続登記が終わっていなければ売却をすることが事実上できません。

「相続税を支払うために不動産を売りたい」とお考えになってから慌てて相続登記を急ぐようなことがないよう、できるだけ早めに相続登記の準備をしてください。

相続登記をする原因となる、相続による所有権移転において、お亡くなりになったご家族のことを「被相続人」、お亡くなりになった方から相続財産(遺産)を受け継ぐ人のことを「相続人」といいます。

相続登記にかかる3つの費用

相続登記をするときにかかる費用は、大きくわけて次の4つです。

相続不動産の調査にかかる費用
相続登記の必要書類を収集する費用
登録免許税
司法書士費用

相続登記にかかるそれぞれの費用の詳細について、具体的な解説は次項以降で行いますが、ここでは、わかりやすく、一例を示して、「相続登記にどれくらいのお金が必要なのか」をイメージしていただきましょう。

相続登記司法書士にお任せいただく場合と、ご自身で対応していただく場合との2パターンで、どの程度費用がかかるのかを試算してみました。

相続登記にかかる費用の具体例(自分で登記する場合)

例えば、相続不動産の評価額が1億円の不動産(土地・建物)を、公正証書遺言によって取得し、相続登記をするというケースで、相続登記をご自身で行って頂くと、ご費用の概算と内訳は、次のとおりです。

相続登記にかかる費用の計算

費用の概算・・・41万円程度

  • 相続財産の調査にかかる費用
    :2,000円程度
  • 必要書類を収集する費用
    :2,000円程度
  • 登録免許税
    :相続財産となる不動産の評価額の0.4%
    =1億円×0.4%=40万円

相続登記にかかる費用の具体例(司法書士に依頼する場合)

次に、さきほどの例と同様に、相続不動産の評価額が1億円のふどうさん(土地・建物)を相続によって取得し、相続登記司法書士に依頼した場合にかかる費用の概算と内訳をまとめました。

相続登記にかかる費用の計算

費用の概算・・・45万円~50万円程度

  • 相続財産の調査にかかる費用
    :2,000円程度
  • 必要書類を収集する費用
    :2,000円程度
  • 登録免許税
    :相続財産となる不動産の評価額の0.4%
    =1億円×0.4%=40万円
  • 司法書士費用
    :5万円~10万円

相続不動産の調査にかかる費用

相続登記をするのにかかる費用の内訳のうち、1つ目の「相続不動産の調査にかかる費用」がどれくらいなのかについて、相続に強い司法書士が解説します。

相続登記を行う大前提として、相続財産に不動産(土地・建物)が含まれているときは、その不動産がどこにあるどのような不動産なのか、そして、評価額がどの程度なのかを知る必要があります。

相続財産調査、相続不動産の調査を怠ると、新たな相続不動産が発見されて遺産分割協議のやり直しが必要となったり、評価額を誤って不公平な遺産分割となってしまったりするおそれがあります。

相続不動産の調査に必要となる書類として、登記事項証明書、固定資産税評価証明書、名寄帳などがありますが、それぞれ相続不動産の調査にどのような役割を果たすかを説明し、その費用について解説します。

登記事項証明書

登記事項証明書とは、ある不動産について登記された情報についての証明書です。

登記事項証明書を見てわかる不動産の情報とは、例えば、その不動産の所在地、広さ、構造、どのような権利が登記されているのか、権利者はだれか、といった情報です。

相続不動産であれば、お亡くなりになったご家族(被相続人)が、登記名義人として登記事項証明書に記載されています。

登記事項証明書の取得費用は、1つの不動産につき600円です。

固定資産税評価証明書

固定資産税評価証明書とは、固定資産課税台帳に記載された不動産の評価額の証明書です。

相続登記を行うときには、登録免許税を必ず法務局に納める必要がありますが、この登録免許税を計算する基準になる金額が、固定資産課税台帳に記載された評価額になります。

固定資産税評価証明書を取得するためにかかる費用は、1つの不動産につき300円前後ですが、各市町村に応じて大きくことなりますので、不動産の属する市町村役場に確認する必要があります。

なぜ固定資産税評価証明書が必要?

相続不動産の評価額は、市町村の発行する固定資産税の納税通知書にも記載されていますので、この納税通知書によっても、相続不動産の価値を知ることができます。

しかし、相続登記を法務局に申請する際には、固定資産税評価証明書を添付する必要があり、結局、相続登記のとき、固定資産税評価証明書の取得費用がかかります。

相続財産の中にある不動産が、「登記されていない不動産」である場合でも、固定資産税の課税の対象にはなっているようであれば、やはり固定資産税評価証明書を取得する必要があります。

名寄帳

名寄帳とは、不動産ごとに記録されている課税台帳を、所有者ごとにまとめた一覧図です。

しかし、課税台帳は市町村ごと(東京23区では都税事務所ごと)に発行されるので、相続不動産が複数の市町村に存在する可能性がある場合は、各市町村に請求しなければなりません。

名寄帳は、証明書1枚につき300円~400円程度の費用がかかります。

なぜ名寄帳が必要?

相続人が、被相続人の所有していた相続不動産をすべて知っているわけではありません。

自宅の土地・建物が相続不動産となることは当然ですが、その隣の私道や、公道だと思っていた周りの道などが、お亡くなりになったご家族(被相続人)の名義になっていることもよくあり、注意深い調査が必要です。

自宅の土地建物だけ、相続登記を済ませた後に、道路も相続不動産であることが判明した場合は、その道路について再度相続登記を申請することになってしまいます。

相続不動産のすべてを把握するためには、固定資産税の納税通知書とあわせて、名寄帳を重要なヒントにして調査をしなければなりません。

相続登記の必要書類を収集する費用

相続財産を調査し、相続不動産が存在することと、その価値についての資料を収集し、遺産分割の方法と割合が決まったら、いよいよ相続登記を行います。

相続登記には多くの必要書類を添付しなければなりませんので、相続登記の必要書類を収集するための費用を知っておかなければなりません。

相続登記の添付資料を収集するための費用を、次の通りの計算方法で概算すると、例えば、相続人が配偶者と子の2名の場合、全体で5000円~1万円程度の費用がかかることが一般的です。

被相続人の相続人を証明するための戸籍等

被相続人の相続関係を証明するために、被相続人の生まれた時から亡くなった時までの戸籍、除籍、改製原戸籍の謄本(全部事項証明書)が必要になります。

相続人になるべき人が被相続人よりも先になくなっているときは、その人の生まれた時から亡くなった時までの戸籍等も必要になります。また、相続人の現在の戸籍も被相続の相続関係を証明するために必要です。

  • 相続人が子供と配偶者の場合の費用
    戸籍の発行費用・・・数千円
    戸籍を郵送で取得する場合の費用・・・500円~
  • 相続人が父母(祖父母)と配偶者の場合の費用
    戸籍の発行費用・・・1万円弱
    戸籍を郵送で取得する場合の費用・・・1,000円程度
  • 相続人が兄弟姉妹と配偶者の場合
    戸籍の発行費用・・・1万円~3万円程度
    戸籍を郵送で取得する場合の費用・・・数千円
参 考
法定相続人の範囲・順位と割合は、こちらをご覧ください。

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遺産分割協議書・相続分譲渡証明書

相続人の相続分を証明するため、遺産分割協議書相続分の譲渡証明書を作成します。

遺産分割証明書相続分の譲渡証明書によって、遺産分割協議の結果どのように相続財産を分配することとなったかを示すことが必要だからです。

これらの書面は、自分で作成する場合は、特別な費用はかかりませんが、弁護士に依頼する場合、遺産分割協議のサポートから依頼していただくことができます。

参 考
遺産分割協議の流れと円滑な進め方は、こちらをご覧ください。

遺産分割協議とは、ご家族がお亡くなりになってしまったときに、相続人が、遺産の分割方法について話し合いを行うことをいいます。 遺産分割協議が行われるのは、相続財産(遺産)の分け方に争いがあるケースです。 ...

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不動産を取得する相続人の住民票の写し

不動産の所有権を取得する人は、住民票の写しを相続登記の申請書に添付しなければなりません。

  • 住民票の写しの取得の費用は、市町村によりますが、200円~400円程度です。

相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書を作成した場合は、遺産分割協議書に相続人全員が実印を押印して、あわせて印鑑証明書を添付しなければなりません。

  • 印鑑証明書の取得の費用は、1通300円程度です。
参 考
遺産分割協議書の書式・ひな形と、作成方法は、こちらをご覧ください。

ご家族がお亡くなりになると、相続財産(遺産)を得るためには、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成しなければならない場合があります。 遺言がない場合や、遺言があるけれども、相続財産(遺産)の全てにつ ...

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相続登記にかかる登録免許税の計算方法

相続登記をするときにかかる費用のうち、最も高額となるのが、登録免許税です。登録免許税は、相続税の申告・納付とは異なります。

相続登記をするときにかかる登録免許税の計算方法は、いたってシンプルで、相続不動産の評価額×0.4%です。

「評価額」とは、一つの申請書で行う相続登記において、対象となる相続不動産の固定資産税評価額の合計額(1,000円未満は切り捨て)のことをいいます。

この合計額に0.4%をかけた金額(100円未満は切り捨て)が相続登記の登録免許税額になります。

具体例1

自宅の建物(評価額8,305,600円)とその敷地の土地(評価額25,000,000円)の場合

  1. 評価額:8,305,600円+25,000,000円=33,305,600円
  2. 1,000円未満を切り捨てるので、評価額は33,305,000円
  3. 登録免許税額:33,305,000円×0.4%=133,220円
  4. 100円未満を切り捨てるので、登録免許税額は133,200円

具体例2

マンション(評価額8,677,800円)と土地(評価額120,000,000円)の敷地権(割合10,000分の85)

  1. 評価額:土地の敷地権の価格=120,000,000円×0.0085=1,020,000円
  2. 建物と敷地の評価額8,677,800円+1,020,000円=9,697,800円
  3. 1,000円未満を切り捨てるので、評価額は9,697,000円
  4. 登録免許税額:9,697,000円×0.4%=38,788円
  5. 100円未満を切り捨てるので、登録免許税額は38,700円

相続登記にかかる司法書士費用

相続登記の申請のみを司法書士に依頼した場合の相場は、40,000円程度~60,000円程度です。

戸籍の収集を依頼する場合は、戸籍1通につき1,000円から1,500円程度又はまとめて15,000円程度とすることが多いです。その他に、遺産分割協議書の作成の費用もかかる場合があります。

相続登記の申請と必要書類の収集をまとめて依頼した場合は、80,000円から120,000円程度が多いです。

司法書士相続登記を依頼した場合には、単に登記をしてもらえるだけでなく、次のようなことをお支払い頂いた司法書士費用の範囲内で、代行して行ってもらうことができます。

司法書士にやってもらえること

  • 相続登記の申請
  • 相続登記の申請に必要な戸籍、除籍、改製原戸籍の取得
  • その他、住民票の写し、評価証明書等の相続登記に必要な証明書の取得
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続登記が完了した後の登記事項証明書の取得

書類の収集を自分で行ったり、遺産分割協議書の作成を相続人自身で行ったりすることで、司法書士費用を安く済ませることもできます。

解説した司法書士費用は、あくまでも参考であり、具体的にどれくらいかかるかは、不動産の数、価値によっても異なります。

司法書士を選ぶときは、明朗会計で事前に報酬をわかりやすく説明してくれて、それ以上の費用のかからない司法書士を選ぶとよいでしょう。

相続登記を司法書士に依頼する4つのメリット

相続登記の際にかかる費用と内訳について説明してきたとおり、相続登記の際には、司法書士費用が一定程度かかります。

しかし、相続登記にかかる司法書士費用を支払うには、それだけのメリットがあります。相続登記を司法書士に依頼するメリットについて解説します。

相続登記の手続きは複雑

相続登記は、簡単、単純な手続きではありません。登記・戸籍などに馴染みのない一般の方にとって、相続登記の専門用語を覚えるだけでも大変です。

相続不動産も、法務局のルールにしたがった方法で記載することを要求されます。

相続登記のためには、相続人全員の協力が不可欠で、「誰が相続人となるか」の判断を間違ってしまった場合などには、遺産分割協議自体が最初からやり直しになってしまいます。

司法書士は、登記の専門家であり、相続登記の経験が豊富が豊富です。

もっとくわしく!

相続登記を行うときは、添付書類が多く、収集しなければならない書類も多くあり、収集が大変です。

特に昭和40年頃よりも前に生まれた方が亡くなった場合には、古い戸籍を取得する必要があり、専門的な知識が必要になる場合があります。

また、相続登記に関する証明書は厳格に運用されていて、たとえば銀行では十分だと判断されるような証明書を収集しても、相続登記の手続きでは不十分だとされることも良くあります。

法務局の営業は平日昼間のみ

相続登記の申請書の提出は、郵送(書留郵便)ですることも可能です。また、相続人の戸籍や住民票の写し等はコンビニで取得することも可能ですし、被相続人の戸籍等も郵送で取得できます。

しかし、相続登記の申請書や被相続人の戸籍の請求書に不備があった場合、法務局や市町村役場の営業時間中(平日昼間)に電話で対応をしなければなりませんし、最悪やり直しをすることになってしまいます。

相続登記を仕事にしている司法書士であれば、平日昼間の役所対応も問題ありませんし、なによりも経験にもとづいた最適な請求・対応をすることが可能で、より迅速に手続きを進めることが可能です。

相続不動産が遠方でも大丈夫

相続登記の申請書の提出は、郵送ですることも可能ですが、申請書の作成の相談は、相続不動産を管轄する法務局でしか受けられません。

司法書士であれば、相続登記の申請書について法務局に相談する必要もありませんし、相続登記の申請書はインターネット経由で提出することができます。

遺産分割・相続税の専門家のサポートが受けられる

相続登記を行った経験の豊富な司法書士であれば、相続の法律の専門家である弁護士、相続の税金の専門家である税理士の人脈も豊富です。

相続登記について司法書士に相談する場合とは、相続財産(遺産)の中に不動産が含まれている場合であることから、相続財産(遺産)は高額なものではないでしょうか。

相続財産(遺産)が高額になればなるほど、遺産分割協議は難航して弁護士のサポートが必要となりますし、相続税の申告・納付が必須となります。

相続登記は「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、相続登記のときにかかる費用について、実費、司法書士費用などの内訳にわけて、その相場を相続登記に強い司法書士が解説しました。

相続登記は、専門的な用語、知識が必要となり、添付書類の収集も煩雑であるため、専門的に取り扱う司法書士に依頼するのが便利です。

相続登記を得意とする司法書士に、相続登記を依頼することによって、相続全体のミスを防ぐことができ、万が一ミスがあった場合であっても、相続に強い弁護士、税理士の助けを受けてトータルサポートをしてもらえます。。

「相続財産を守る会」には、相続登記に強い司法書士が在籍し、揉めて複雑かつ長期化した遺産分割協議を解決した実績を、豊富に蓄積しています。

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司法書士 吉越 清顕

司法書士吉越清顕は、弁護士法人浅野総合法律事務所に所属する司法書士です。東京都中央区、銀座駅から徒歩3分の利便性の高い、相続登記・戸籍に強い司法書士です。 同場所に所在する税理士法人浅野総合会計事務所と連携をとることで、ご相談者にとって最適なトータルサポートによる相続問題の解決を目指します。

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