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遺産分割

疎遠だった元父の子に「相続放棄してほしい」と言われたら【相続Q&A】

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今回の相続相談は、両親の離婚をきっかけとして母方についていき、その後疎遠となっていた実の父親が死亡したときの相続についてのご相談です。相続問題に詳しい弁護士がQ&A形式で回答します。

両親が離婚したとき、別れた実の親とは、もう長年連絡をとっていないという人は多くいます。このような場合でも、母方にも父方にもそれぞれの生活があります。別れた実の父が、新しい妻と家庭を持ち、新たに子をもうけたとき、その子から「相続放棄をしてほしい」という連絡が来ることがあります。

夫婦の離婚率は3割~4割ともいわれており、一度結婚をしたとしても、その後離婚をし、さらに再婚をし、相続についての権利関係が複雑になることは、よく起こることです。

参 考
相続放棄と、単純承認・限定承認との違いは、こちらをご覧ください。

相続のしかたには、単純承認、限定承認、相続放棄の3種類があります。 相続放棄は、ほかの2つの方法(単純承認、限定承認)が、相続財産を引き継ぐことを前提としているのに対して、相続財産を引き継がないための ...

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相続相談の内容

質問

私は現在24歳で、東京の会社ではたらいています。

10年前、私が14歳で中学生だったころ、両親が離婚しました。私は、一人っ子でしたが、母方についていくことになり、父は家を出ていきました。その後、父の顔を見たことはなく、メールや電話で連絡を取り合うこともまったくありませんでした。

しかし、この度、元父の息子を名乗る人から、元父が亡くなったと聞きました。その際に「相続放棄をしてほしい」ともお願いされました。確かに、父もまた、別れた後すぐに再婚して、新しい家庭をもうけたと母に聞いています。

私の母もまた、父と別れた後新しい人と結婚をしました。私もその人の養子となったので、「新しいお父さん」です。もし、昔の父親が亡くなったことで、少しでも財産がもらえるのであれば、母を楽にさせてあげるためにも相続財産(遺産)がほしいと思うのですが、どう考えたらよいでしょうか。

相続専門家(弁護士)の回答

回答

弁護士の浅野です。今回の質問について、私が回答します。

まず、両親が離婚をしたとしても、あなたが、「そのお父さんの子どもであること」に変わりはありません。つまり、両親が離婚したとしても、親子関係は断絶されないのです。その結果、「子」の続柄にある人は、民法に定められた「法定相続人」として、相続する資格があります。

したがって、両親が離婚をした後であっても、別れて疎遠となった父が死亡したときには、相談者様は相続人となります。新しいお父さんと普通養子縁組をしたとしても、前の親子関係がなくなることはありません。

注意していただきたいのは、別れた母親には、相続権がないということです。配偶者は、離婚によって配偶者ではなくなり赤の他人となります。そのため相続権はなくなります。

――両親が離婚した後であっても、生き別れになって疎遠になった父親からの相続財産(遺産)を得ることができることはわかりました。実際には、どれほどの相続財産(遺産)を私は得ることができるのでしょうか?

浅野:実際にどの程度の財産を相続できるかは、疎遠になっていた前のお父様が、遺言書を残しているかどうかによって変わります。遺言書を残していない場合には、民法に定められた法定相続分によって決まることになり、その場合に、得られる相続割合は次のとおりです。

再婚後の新しい妻 相続財産の2分の1
再婚後に生まれた息子 相続財産の4分の1
ご相談者様 相続財産の4分の1
離婚した元妻(ご相談者様の母) 相続財産を得られない

 

しかし、離婚した後、実の子と疎遠になって、更に新しい家庭を築いたという方の中には、遺言書を作成している方もいます。遺言書で相続割合を指定している場合には、ご相談者様が得られるのは、「遺留分」だけです。

例えば、「全ての財産を、再婚後に生まれた息子に相続させる」という遺言を、疎遠になっていた前のお父様が残していた場合、ご相談者様の遺留分割合は、次のように計算します。

  • 遺留分割合=相続財産の1/4(法定相続割合)×1/2(遺留分割合)=1/8

したがって、ご相談内容のような状況で、いくらの相続財産が得られるかを知りたいときは、まずは「相続放棄をしてほしい」といってきた息子に対して、「遺言書があるかどうか知りたい」と伝え、遺言があるときはその内容も確認すべきです。

参 考
遺留分の認められる割合と計算方法は、こちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

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――得られる可能性のある相続財産(遺産)の額・割合についてもよくわかりました。すると、結局、相続放棄をしないほうがよい、という結論でよいのでしょうか。少しでも多くの財産を得るためのアドバイスをください。

浅野:そうとは限りません。まず、「相続放棄をすべきかどうか」という判断をするためには、相続財産がいくらあるか、相続債務(被相続人の借金など)がいくらあるか、を知る必要があります。

また、遺言によってさきほど解説した「遺留分」が侵害されているかどうかも知る必要があります。「相続放棄したほうが得かどうか」は、こちらの解説も参考にしてください。

参 考
相続放棄したほうが得かどうかの判断基準は、こちらをご覧ください。

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ご相談内容のように、ご両親の離婚から長らく疎遠になっていた実の親の死亡というケースでは、離れて生活していた期間が長ければ長いほど、どのような財産を持っているか、どのような借金をしているかなど、全く知らない場合も少なくありません。

「相続放棄をしてほしい」と強く求めてきた、新しい家庭の子のいうことを、鵜呑みに信じることもできないことでしょう。したがって、このような場合に相続放棄をすべきかどうかを判断するためには、自分で財産調査を進めなければならず、その手続きはかなり大変なものとなることが予想されます。

参 考
遺産相続に強い弁護士の選び方は、こちらをご覧ください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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