相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

相続手続

生命保険金があるとき、遺留分はどのように計算したらよいですか?

投稿日:

お亡くなりになったご家族(被相続人)が、生命保険をかけていることはよくあります。そして、生命保険が相続問題のときどのように取り扱われるかは、とても難しい問題です。

誰が契約者か、誰が被保険者か、誰が受取人かによって、生命保険金の相続における取扱いは異なるからです。

民法で相続人と認められている人(法定相続人)には、最低限相続することができる割合(遺留分)が保障されていますが、この遺留分割合を計算する際にも、生命保険金をどのように取り扱ったらよいかが関係してきます。

そこで今回は、お亡くなりになった方(被相続人)が生命保険に加入していたときの、遺留分割合の計算方法について、相続問題に強い弁護士が解説します。

「相続手続」の人気解説はこちら!

相続手続

2018/12/5

相続する借金があるか調査する方法は?信用情報調査の具体的方法

相続財産(遺産)の調査で忘れてはならないのが「借金の調査」です。プラスの財産もマイナスの財産もいずれも相続するため、借金調査の結果、借金の方が多い可能性がある場合、相続放棄・限定承認を選択する必要があります。 相続放棄・限定承認の期限は、相続開始を知ったときから3か月のため、借金の調査に時間がかかりすぎたり、借金を調べず放置したりしておくと、相続放棄できず借金を返済する負担を相続によって負うおそれがあります。 借金を相続して支払う場合にも、借金の金額を事前に調査しておくことで、相続税の計算の際、借金額を控 ...

ReadMore

相続手続

2019/3/8

死後離婚する?しない?メリット・デメリットは?【司法書士解説】

「死後離婚」という言葉をテレビで耳にすることが多いのではないでしょうか。「死後離婚」とは、配偶者(夫や妻)の死亡後に、姻族(配偶者の親族)との関係を絶つことをいいます。 配偶者(夫や妻)が死んだ後(死後)に離婚することはそもそもできず、死亡によって夫婦関係(婚姻関係)は途絶えますので、「死後離婚」というのは、配偶者の死亡後に配偶者の両親などの家族との縁を切ることを「離婚」にたとえたマスコミの造語です。 法務省統計によれば、死後離婚は近年増加しています。配偶者(夫や妻)に対する愛情があったとしても、その家族 ...

ReadMore

相続手続

2019/4/6

相続手続に必要な「改製原戸籍」とは?入手方法は?

相続が開始したとき、相続人の調査、相続人の確定のために必要となるのが、お亡くなりになった方(被相続人)や相続人の戸籍謄本です。 戸籍にはさまざまな種類があり、その時代によって戸籍が紙であったりデータ化されていたりして、集める戸籍が多くなるほど、古い戸籍が必要となるほど、戸籍の収集手続は困難な場合があります。 戸籍は、市区町村役場で取得できるものの、戸籍の取得に不慣れな一般の方にとって、必要な書類を適切に、かつ、スピーディに収集することは大きな負担となります。 その中でも特に、その名称からは内容を理解しづら ...

ReadMore

相続手続

2019/2/14

相続した連帯保証人の保証債務に、消滅時効はある?【弁護士解説】

借金をするとき「連帯保証人」をつけることがあります。連帯保証人は、借金をした本人(主債務者)が借りたお金を返せなかったときの「借金の肩代わり」をする人のことです。 親が連帯保証人のとき、その子もまた、相続によって連帯保証人の責任を相続しなければなりません。このように連帯保証人としての保証債務が相続されるとき、借金の時効・保証債務の時効は、どのように取り扱われるのでしょうか。 また、連帯保証人、主債務者のいずれかに対して行われた時効中断の効力は、他方に影響を及ぼすのでしょうか。今回は、親の連帯保証人としての ...

ReadMore

相続手続

2019/2/12

親が連帯保証人のとき、相続する?相続放棄する?対応と注意点4つ

お亡くなりになったご家族(被相続人)が、借金の連帯保証人となっていたとき、相続人の立場として連帯保証人としての重い責任を負ってしまうのではないかと不安な方も多いのではないでしょうか。 連帯保証人の責任とは、借金をしている本人と同等の重い責任です。借金をした本人(債務者)が返済をできない場合はもちろん、そうでなくても、本人と同様に返済を行わなければならない義務を、連帯保証人は負うからです。 そもそも、親がお亡くなりになって初めて、連帯保証が存在することを知った、という事態とならないよう、生前対策が重要となり ...

ReadMore

[toc]

そもそも、「生命保険と遺留分」の問題とは?

遺留分とは、民法が、法定相続人のうち兄弟姉妹以外に認めた、最低限相続することが認められている財産割合のことをいいます。遺留分の権利があるのは、配偶者(夫・妻)、子・孫、両親・祖父母などが相続人となる場合です。

遺留分の範囲や割合の計算方法については、次の解説もご覧ください。

参 考
遺留分が認められる割合と、計算方法・請求方法は、こちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

続きを見る

生命保険をかけている方は多くいますが、その金額がかなり高額となる場合には、相続人間で、生命保険金を誰がもらうことができるのかが、相続人間の争いの元となることがよくあります。これが「生命保険と遺留分」の問題です。

遺留分の権利を実現するために、遺留分より少ない財産しか得られなかった人が、多くの財産を得た人に対して行う権利行使を「遺留分減殺請求権」といいます。

保険金受取人が相続人だったとき、保険金は相続財産にはならない

まず、お亡くなりになった方(被相続人)が生命保険に加入していたとしても、その生命保険の保険金受取人が相続人になっていたときには、保険金は、相続財産(遺産)には含まれず、受取人固有の財産となります。

つまり、相続人の誰かがもらった生命保険金は、他の相続人間で分割して分ける性質のものではなく、受取人となった相続人だけがもらってよいということです。

今回解説する遺留分は、相続財産(遺産)に、法定相続割合を乗じて、これに遺留分割合を乗じて、次の計算式にしたがって算出します。

具体的遺留分 = 相続財産(遺産)×法定相続割合×遺留分割合

そのため、「生命保険金が相続財産(遺産)に含まれない」ということは、つまり、遺留分の基礎となる財産にも含まれないということです。

したがって、以上のことから、被相続人の生命保険の保険金受取人が、相続人となっていた場合には、その保険金は受取人固有の財産となり、相続財産(遺産)には含まれず、遺留分算定のときにも考慮する必要はない、ということになります。

参 考
生命保険金が相続財産に含まれるかどうかは、こちらをご覧ください。

ご家族がお亡くなりになったとき、遺族に対して生命保険(死亡保険金)が支払われるか確認してください。。生命保険の死亡保険金は、遺産分割協議を丸く収める目的や、相続税の納税資金の目的で、お亡くなりになる方 ...

続きを見る

このことは、最高裁判例で、次の通り、判示されています。

最高裁平成16年10月29日決定

被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益に準じて持戻しの対象となる。

注意ポイント

ただし、この裁判例にもあるとおり、著しく不公平な生命保険契約の場合には、「特別受益」として考慮され、相続財産(遺産)に含まれることがあります。不公平かどうかは、次の事情も考慮して、最終的には総合判断となります。

相続財産(遺産)に占める生命保険金の割合
生命保険受取人と被相続人の生前の関係、貢献の程度、生活状況、同居の有無など

例えば、残された相続財産(遺産)よりも生命保険のほうがずっと多いというとき、不公平という判断が下りやすいです。ただ、その受取人が、生前に被相続人の介護などに助力したという場合、不公平であるかどうかは総合判断で決めることになります。

保険金受取人がお亡くなりになった方(被相続人)自身だった場合は?

お亡くなりになったご家族(被相続人)の加入している保険契約の内容が、保険金受取人が被相続人自身であった場合には、「既にお亡くなりになった人は生命保険を受け取ることはできない」ですから、どのように取り扱ったらよいかが問題となります。

この場合には、「生命保険金を受け取る権利」は、相続人に相続されることになります。その評価額によっては、遺留分を侵害されることがあります。

参 考
生命保険の受取人が、既に死亡していた場合の対応は、こちらをご覧ください。

生命保険の死亡保険金が、相当額に及ぶことは、相続問題でもよくあることです。生命保険の保険金をもらえるのは、あらかじめ、保険契約のときに決められた「受取人」です。 しかし、生命保険の対象となっている人( ...

続きを見る

お亡くなりになった方(被相続人)が既に受取済の保険金は?

お亡くなりになった方(被相続人)が、生前に、契約している生命保険から既に受け取っていたお金(給付金など)の取扱いはどうでしょうか。

お亡くなりになった方(被相続人)が、生前に既に受け取ったお金は、被相続人の相続財産(遺産)に含まれることとなります。そのため、遺留分の計算においては、他の財産と同様に、遺留分の算定基礎となる財産に含まれることとなります。

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか?

今回は、生命保険金が存在する場合の、遺留分の算定方法について、相続財産に強い弁護士が解説しました。

遺留分を侵害されてしまった人にとって、ご家族の死亡によって保険金を多く受け取る人がいることはご納得のいかないことでしょう。遺留分の権利を行使し、生命保険金をとりかえすためにも、今回の解説をよく理解してください。

「相続財産を守る会」では、侵害された相続財産を、遺留分の権利によって取り戻すためのサポートをしています。生命保険と遺留分のご関係にお悩みの方も、ぜひ一度法律相談ください。

ご相談の予約はこちら

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

-相続手続
-, ,

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2022 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.