相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

遺産分割

いとこが亡くなったら遺産を相続できる?いとこが相続する方法は?

投稿日:

一般的に、「相続」というと、親子関係で起こる相続をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、相続の中には、親子だけでなく、祖父母、孫、兄弟姉妹などが相続人となる場合があります。

「いとこ(従兄弟、従姉妹)」は、両親の兄弟の子のことをいい、4親等離れています。直接の親子関係にある「直系血族」に対して、「傍系血族」といいます。

いとこは、相続人となることができるのでしょうか。いとこが死亡したとき、相続財産を得られるのでしょうか。いとことの関係が仲良しの方も仲が悪い方もいるでしょうが、いとこが相続する方法について、相続に強い弁護士が解説します。

「遺産分割」の人気解説はこちら!

遺産分割

2018/11/4

相続人になれない?「相続欠格」・「相続廃除」とは?違いは?

民法に、相続人になることができると定められている人のことを「法定相続人」といいます。法定相続人は、本来、必ず相続人になることができますし、相続権を侵害されても「遺留分」という考え方で守られています。 しかし、法定相続人であっても、相続人になることができない場合があります。被相続人側からしても、法定相続人であっても、どうしても相続人にしたくない、というケースがあるのではないでしょうか。 よくある相続相談 「相続欠格」と「相続廃除」の違いを知りたい。 被相続人の立場で、法定相続人から虐待を受けているため、相続 ...

ReadMore

遺産分割

2019/1/21

遺留分減殺請求の期限はいつまで?時効・除斥期間は?

相続開始からある程度たった後ではじめて、「自分の相続した財産が少ないのではないか」、「不公平な相続で権利を侵害されたのではないか」と気づいたとき、どのように対応したらよいでしょうか。 民法で最低限相続できることが保障されている「遺留分減殺請求権」の行使には、「時効」、「除斥期間」という2つの期限があり、いつまででも権利行使できるわけではありません。一方で、「時効」については中断する方法があり、きちんと対応しておけば、期間が経過した後でも遺留分を取り戻せます。 そこで今回は、遺留分減殺請求権の「時効」、「除 ...

ReadMore

遺産分割

2019/1/18

「相続放棄」と「代襲相続」の関係を弁護士が解説!【全まとめ】

「相続放棄」と「代襲相続」はいずれも、相続問題を考える際にとても重要なキーワードです。そして、「相続放棄」をすると、相続人ではなくなるため、そのときに、どういうケースで「代襲相続」を考えなければならないのか、が問題となります。 特に、祖父母から両親、そして子への、三代にわたっての相続問題を考える際には、相続放棄と代襲相続との関係は、場面によっては複雑な考慮が必要となる場合もあります。 そこで今回は、相続放棄と代襲相続の関係について、考えられるすべてのケースでどのように処理したらよいかを、相続問題に詳しい弁 ...

ReadMore

遺産分割

2019/2/4

相続財産に債務(借金・ローン)がある場合の遺留分の計算方法は?

相続によって取得する財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。 マイナスの財産には、お亡くなりになった方(被相続人)が生前にした借金や住宅ローン、自動車ローンや教育ローンなど、支払わなければならないあらゆる金銭が含まれます。これをまとめて「相続債務」と呼ぶことがあります。 民法に定められた、相続人が最低限相続できる財産である「遺留分」を計算するにあたり、相続債務も考慮に入れる必要があるのでしょうか。遺留分は相続財産をもらう権利ではあるものの、そもそも債務があれば、その分だけ遺留分も少な ...

ReadMore

遺産分割

2018/12/29

子どもの一人にできるだけ相続財産(遺産)を残さない6つの方法

家庭内に問題があり、子供の1人に、相続財産(遺産)を一切残したくない、という相続相談が少なくありません。しかし、さまざまな方法があるものの「100%必ず、子供の1人に相続財産を与えない」方法はありません。 一般的には、「子どもにできるだけたくさんの財産を残してあげたい」というのが親心でしょうが、中には「勘当した」「縁を切った」「子がどこにいるか、生死もわからない」というご家庭もあります。 一方で、「子どもに与えるくらいなら、配偶者(夫や妻)、近しい友人に財産をもらってほしい」という想いを実現する方法もあり ...

ReadMore

[toc]

いとこは相続人ではない

民法では、相続人が誰になるかのルールが定められています。これを「法定相続人」といいます。そして、法定相続人には、次の通り順位があります。

ポイント

  • 最優先:配偶者
  • 第一順位:子
  • 第二順位:直系尊属(父母、祖父母)
  • 第三順位:兄弟姉妹

いとことは、両親(父母)の兄弟姉妹の子のことをいいます。

この相続順位からわかる通り、いとこは、民法では相続人となることができず、相続分を有していません。民法の相続の条文にもいとこ(従兄弟、従姉妹)という文字は出てきません。

参 考
法定相続分と損しない相続の方法は、こちらをご覧ください。

法定相続分とは、その名のとおり、「法律」で定められた「相続分」のことをいいます。民法で、「誰が、どの程度の割合の相続財産を得ることができるか」ということです。 法定相続分は、お亡くなりになったご家族( ...

続きを見る

いとこが亡くなったときの相続人は?

いとこは、民法の相続の条文には登場しませんが、これは単に「いとこは法律に定められた相続人ではない」というに過ぎません。

では、実際にいとこが死亡したときには、誰が相続人になるのでしょうか。つまり、いとこが「被相続人(相続される側の人)」という立場になったとき、相続財産(遺産)を得られる続柄について弁護士が解説します。

参 考
法定相続人の範囲・順位と相続割合は、こちらをご覧ください。

身近なご家族がお亡くなりになってしまったとき、「誰が財産を相続することができるのだろう。」と不安に思うことでしょう。 遺言・遺書などがのこされていたなど、お亡くなりになったご家族の意思が明らかでない場 ...

続きを見る

いとこの配偶者、いとこの子

まず、いとこの配偶者(夫または妻)がいるときは、この人が必ず、いとこの相続人となり、いとこの相続財産を承継します。

いとこに子がいる場合には、第一順位の相続人となります。この「いとこの子」には、実子、養子のいずれも含みます。いとこの子が既に亡くなっている場合、いとこの孫がいるときは、いとこの孫が代わりに相続(代襲相続)します。

相続割合は、いとこの配偶者が2分の1、いとこの子が2分の1(子が複数いるときは人数で割った分)です。

参 考
代襲相続とは?範囲と割合は、こちらをご覧ください。

「代襲相続」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「代襲相続」を知ることによって、いざ相続が発生したとき、誰が、どれだけの遺産(相続財産)を相続できるかがわかります。 通常、相続が発生した ...

続きを見る

いとこの両親(おば、おじ)

いとこに子がいないときは、いとこの両親が第二順位の相続人となります。あなたからすれば、いとこの両親はおば(伯母・叔母)、おじ(伯父・叔父)にあたります。

配偶者とともに相続するとき、その相続割合は、いとこの配偶者が3分の2、いとこの両親(おば、おじ)が3分の1です。いとこの両親がいずれも存命の場合、「3分の1」を更に半分に等分します。

「伯母、伯父」というときは、両親の兄・姉を指し、「叔母・叔父」というときは、両親の弟・妹のことを指します。

いとこの兄弟姉妹

いとこの子、孫、両親、祖父母などがいずれもいないときには、いとこの兄弟姉妹が法定相続人として相続分を持ちます。

その相続割合は、いとこの配偶者とともに相続するとき、いとこの配偶者が4分の3、いとこの兄弟姉妹が4分の1です。

いとこの相続人がいないとき

相続人が存在しないことを「相続人不存在」といいます。いとこが相続人不存在のとき、その相続財産をいとこが相続することはできるのでしょうか。

結論からいうと、遺言などがなく民法の原則的なルールにしたがう限り、いとこには相続権はありません。いとこの相続人がいない(相続人不存在)場合には、いとこの財産は、次の手続にしたがって、国庫に帰属する流れとなります。

  1. 家庭裁判所が相続財産管理人を選任する
  2. 相続財産管理人が相続人、債権者、受遺者を探す
  3. 発見された権利者に対して相続財産から弁済を行う。
  4. 特別縁故者からの申出があった場合には、家庭裁判所の指示にしたがって分与される。
  5. 残った財産が、国庫に帰属する。

したがって、「相続人不存在」の場合であっても、いとこにまで相続財産の承継順位が回ってくることはありません。

参 考
「相続人不存在」のときの財産の扱いは、こちらをご覧ください。

相続が開始されたとき、まずは遺言に指定された相続分(指定相続分)にしたがって分割され、遺言がないときは、民法に定められた相続分(法定相続分)にしたがって分割されます。 しかし、遺言もなく、法定相続人と ...

続きを見る

いとこに相続させるには?

ここまで解説しましたとおり、いとこに相続をさせるには、民法に定められた法定相続分のルールにしたがっては相続させることができません。

そこで、「いとこに財産を残したい」という方に向けて、いとこに遺産を相続させる方法を、弁護士が解説します。

いとこに相続させたいご希望を叶える方法は複数ありますが、複雑な手続きの中から最適なものを選択する必要があります。

いとこに相続させる旨の遺言を残す

「いとこに、財産を相続させる」という内容の遺言を残せば、相続財産の一部をいとこに相続させることができます。

この場合、いとこは、法定相続人ではないため、他に法定相続人のうち配偶者、子、両親、祖父母がいる場合にはその人たちの「遺留分」を侵害すると、遺留分減殺請求権を行使され、思い通りにいとこに財産を相続してもらえないおそれがあります。

いとこに、遺言による贈与(遺贈)で財産を相続させるときは、事前に遺留分をもつ相続人の理解を得るか、遺留分を侵害しない程度の遺贈となるよう配慮が必要です。

参 考
自分で遺言を作成する方法と注意点は、こちらをご覧ください。

遺言書を作成しておくことで、未然に防げる相続トラブルは多くあります。遺言を作成するのに、早すぎるということはありません。 遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種がありますが、今回は、 ...

続きを見る

いとこに贈与する

「死因贈与」とは、死亡したことを原因として贈与することを約束しておくことをいいます。いとこに死因贈与をすることにより、いとこに財産を承継させることができます。

「生前贈与」とは、被相続人が生きている間に財産を贈与することです。生前贈与の方法によっても、いとこに財産を相続させたのと同じことが可能となります。

いずれも遺留分のほか、贈与税・相続税のいずれをも考慮した、税金の面からも有利な相続となるよう、綿密な相続計画が必要です。

特別縁故者の申出をする

最後に、相続人がいない場合であって、いとこに生前大変世話になったという場合で、生前に遺言贈与をしておく対策をとれなかった場合には、いとこに特別縁故者の申出をしてもらう手があります。

さきほど、相続人不存在の場合の手続の流れを説明しましたが、相続人がいない場合でも、相続財産が国庫に帰属する前に、特別縁故者が申し出て、家庭裁判所に認められた場合には、財産を分配してもらうことができるからです。

遺産分割は「相続財産を守る会」にお任せください!

個人の人生が多様化する中、少子高齢化が進み、晩婚化、未婚化が進行しています。いとこに夫、妻がいない、いとこに子がいないという方は、いとこから相続を受けるための相続対策を検討してもよいでしょう。

いとこから相続したいと考える人も、いとこに相続してほしいと考える人も、それが民法に定められた一般的な相続の決まりとは異なる特殊なケースであることを理解し、法律、税務の属面から、万全な相続プランをご熟慮ください。

「相続財産を守る会」では、法定相続人以外の人に財産を渡したいというご相談をはじめ、複雑な相続・遺産分割に関するサポートを積極的にご相談いただいております。

ご相談の予約はこちら

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

-遺産分割

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2023 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.