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不動産相続

相続対策(生前対策)になる土地活用方法の基本を、弁護士が解説!

更新日:

相続財産(遺産)の中に不動産(土地・建物)が含まれる場合、生前からしっかりと相続対策の準備をしておかなければ、その不動産の価値が相続税額を引き上げてしまったり、その不動産の遺産分割が「争続」の引き金となってしまったりする危険があります。

しかし、ただ単に「税金を安くしたい」「お得な相続をしたい」というだけでなく、どうせ対策をするのであれば、「土地の有効活用」もあわせ、不動産による収益をしくみ化したほうが、相続できる財産をより多く増やす助けになることもあります。

特に、「土地を所有しているが、空き地になってしまっている」、「両親の死亡後、実家を空き家のまま放置している」といった方は、少子高齢化にともなって増加している傾向にあります。

今回は、相続にそなえた対策としての目的はもちろん、それだけでなく所有する不動産の節税・収益化のため、土地活用の基本的な方法を、弁護士が解説します。

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2019/3/30

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相続準備(相続対策)のために活用すべき土地とは?

相続準備(相続対策)を考えるときに、活用すべき土地、活用するのが困難な土地があります。「活用すべき土地」とは、たとえば以下のような土地です。

たとえば・・・

  • 「小規模宅地等の特例」を使うことができる(枠があまっている)土地
  • 広い空き地
  • 自宅として使っているが建替えを考えている土地
  • 建物の容積率があまっている土地

なぜ、上記のような土地が、「活用すべき土地」なのでしょうか。それは、ここに挙げたような土地は、まだ土地の収益力を十分に使いこなせておらず、活用の機会が十分に残っているからなのです。

土地活用をすべき理由には、次の点があります。

ポイント

  • 相続税の節税
  • 将来の安定収入の確保/span>
  • 納税資金の準備

特に、冒頭でも解説したとおり、不動産には多くの税金がかかります。所有しているだけで「固定資産税」がかかりますし、売却すれば「登録免許税」、所有したままお亡くなりになれば「相続税」がかかります。

土地活用の基本を押さえることにより、その土地にかかる税金をできる限り少なくすると共に、その土地から得られる収益を多くすることが重要です。土地活用の理由・目的について順に弁護士が解説します。

相続税の節税ができる

たとえば、空き地を、そのまま青空駐車場として使っていると、駐車場としての料金をうけとることはできますが、相続が発生した際、その土地は、単純に路線価で評価されることになります。

路線価は、相続税を計算する場合の、土地の原則的な評価方法です。つまり、土地の評価を下げて節税する効果はありません。

しかし、土地の上に自宅を建てて、配偶者などに相続させれば、その土地には「小規模宅地等の特例」が適用され、土地の評価額を80%減額することができます。

参 考
相続税を安くする節税対策の基本は、こちらをご覧ください。

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安定収入が得られる

信頼のできる事業者に土地を貸し出すことで、長いあいだ、安定的に賃料収入を受け取ることもできます。

賃料を貯金しておけば、相続が発生したときに、相続人が、納税資金を準備するのも楽になります。

土地の状況に応じた活用方法を検討する

ただ一言で「土地の活用」といっても、さまざまな事情を考える必要があります。つまり、活用すべき土地の状況によって、考えるべき活用方法は多種多様です。

土地によって、建てられる建物の種類や大きさが異なります。土地を貸し出すとしても、そこに建てられる建物がどのようなものかによって、借主になってくれる事業者の種類も変わります。

以下では、3つの事例に分けて、よくある基本的な土地活用の方法について、弁護士が順に解説していきます。

たとえば・・・

「土地の上に建物を建てる」という土地活用の方法を思いついたとします。しかし、建物を建てるためには、資金が必要になります。

自己資金ですべてまかなうことができればよいですが、お金を借りる必要がある場合には、返済の計画を立てる必要があります。すると、土地活用をしたい人の資力や信用力、土地の担保価値によっては、この方法が使えない場合があります。

【有効活用①】自宅を二世帯住宅に改築する

有効活用の方法の1つ目は、「節税」のための土地活用です。

具体的には、「小規模宅地等の特例」を活用して、自宅を二世帯住宅に改築する方法です。たとえば以下のような場合に、この方法を検討してください。

  • 父親が自分の土地の上に自宅を建てて夫婦で住んでいるけれども、まだ土地にスペースがあるという場合
  • 自宅を建てて住んでいるが、建物が古くなって建替えを考えている場合

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは、お亡くなりになった方(被相続人)の宅地を、配偶者や同居の親族などが相続したときに、相続税の計算上、その評価額を80%減額して計算できるという制度です。

小規模宅地等の特例による節税の効果を、簡単な例あげて説明します。

たとえば・・・

1億円の宅地を子供が1人で相続した場合、小規模宅地等の特例がなければ、1億円から基礎控除として3600万円を控除した、残りの6400万円に相続税が課されます。この場合の相続税は、1000万円を超えることになります。

ところが、小規模宅地等の特例が適用できれば、1億円の土地の評価が80%減額されるため、相続税の計算上は、この土地は2000万円として評価します。基礎控除が3600万円あるため、小規模宅地等の特例が適用できれば、相続税はなんとゼロになります。

小規模宅地等の特例の要件

二世帯住宅を建てる場合で、小規模宅地の特例の適用を受けるためには、その適用を受けるための要件をみたさなければなりません。

お亡くなりになった方(被相続人)の配偶者は、配偶者であるというだけで、この特例の適用を受けることができますが、子どもがこの特例の適用を受けるためには、以下のような要件をみたす必要があります。

ポイント

  • お亡くなりになった方(被相続人)と同居する
  • 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、つづけてその建物に住み続ける
  • 自宅が建っている土地を、相続開始の直前から相続税の申告期限までもち続ける
  • 建物が区分所有でない(2つの所有権の建物に分かれていない)

なお、「小規模宅地等の特例」の適用を受けるための要件には、さまざまなパターンがあります。

たとえば、二世帯住宅を建てた方(被相続人)が、生前に老人ホームに入所したため、自宅に住まなくなっていた場合には、特例の適用を受けるためには、別の条件をみたしておく必要があります。

ただし、さまざなパターンごとに、条件がこまかく決められているため、どの条件を満たせばよいかを判断するのも難しいです。二世帯住宅を利用して節税をしたいとお考えになる場合は、相続に強い税理士にご相談ください。

「争続」を避けるための注意点

二世帯住宅を建てる場合で、新しい家に住む子供のほかにも子供がいる場合には、「争続」をさけるため、新しい家に住まない子どもにわたす相続財産(遺産)についても、かならず考えておいてください。

長男と次男がいて、長男だけが新しい二世帯住宅に住むという場合、長男は、その自宅を相続することになりますが、次男は、自分だけ何ももらえないのでは、不満に思ってしまいます。

したがって、次男にも納得してもらえるように、以下のような方法を考えてください。

たとえば・・・

  • 次男に自宅の代わりの資産を与えられるよう準備しておく
  • 老後の世話は長男がみることを約束する
  • 相続の内容について家族で十分に話し合う

【有効活用②】自宅をマンションに建て替える

有効活用の方法の2つ目は、「将来の収入をふやす」ための土地活用です。

土地の上に自宅を建てて住んでいるが、建物が古くなって建替えを検討している場合に、現在の自宅を取り壊してマンションを建てるという方法です。

土地の容積率が高い場合には、二世帯住宅だけでなく、5階建て、6階建てといったマンションを建てることが可能となり、このほうが賃料収入が得られて得な場合があります。

容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。要は、土地の広さに対して、どれくらいの広さ(部屋の広さの合計)の建物が立っているか、という割合で、法律による規制があります。

マンションに建て替えるメリット

マンションに建て替える方法による土地活用のメリットは、自分はマンションの1室に住みつづけながら、ほかの部屋は他人に貸すことによって、賃料収入(家賃収入)を得ることができる点です。

マンションを部屋ごとに区分登記しておけば、将来、一部の部屋を売却して、まとまったお金を得ることもできます。

マンションを建てる資金が必要となりますが、その資金を借りるとしても、通常は、返済額よりも毎月の賃料が多くなるはずです。これによって、相続が発生した場合の納税資金を確保できます。

「争続」を避けるための注意点

マンションへの建替えを検討するときは、のちに遺産分割協議でもめ、「争続」の原因とならないよう、マンションを区分登記して、相続の際に財産を分けやすくするべきです。

マンションを区分登記しておけば、相続人がそれぞれの部屋を相続することも可能です。また、一部の部屋を売却して、納税資金を用意できます。

マンションを建てるときに建替えの資金を借りる必要がある場合があります。そのため、建替えの際には、本当に収益化できるのか、赤字経営にならないか、よく検討しなければなりません。

借りる人がいないマンションを建てても、収入は得られません。また、マンションの価値を維持するためには、修繕費も必要ですので、修繕費のことも考える必要があります。

【有効活用③】空き地を第三者に賃貸する

自分が使っていない空き地を活用する方法もあります。

空き地は、ただ持っているだけでは、固定資産税や、相続のときの相続税がかかるだけで、何の利益も生みません。

もちろん、地価の上昇が見こめるのであれば、将来売却するという方法も考えられます。しかし、駅から遠く離れた郊外の土地では、地価が上がることも見込めないという場合も多いでしょう。

定期借地で賃貸する

郊外に、広い土地を持っている場合には、その土地を貸し出す方法があります。土地の位置や広さによって、コンビニとしての利用や、高齢者向け施設としてのニーズが考えられます。

自分で建物を建てるわけではないので、資金を借り入れる必要がありません。事業が失敗するリスクも考える必要がありません。

万が一、土地の借主が倒産すると、残った建物を取り壊すための費用をどうするかという問題は生じますが、貸出すとき、十分な保証金を受け取っておけば、保証金から捻出することができます。

借地契約を更新する権利のない「定期借地契約」を使えば、契約で定めた期間が終了した後は、土地を返してもらうことができます。

借主の選定は慎重に

「空き地を第三者に貸す」という土地活用の方法を使うときは、土地を借りてくれる事業者をさがすことが重要になります。

土地を貸す側にとっては、リスクは大きくない土地の活用方法ですが、借主とは、10年、20年といった長い契約期間のあいだ、付き合っていく必要があります。

そこで、できるだけトラブルが発生しないように、信用できる事業者(借り主)を見つけることが大切でしょう。

普通は、土地を所有しているだけでは、さまざまな事業者と接点をもつ機会は少ないでしょう。そこで、この方法を検討する場合も、信頼のできる不動産会社に相談すべきです。

参 考
信頼できる不動産会社の選び方は、こちらをご覧ください。

不動産を売却するとき、通常は不動産会社に「仲介業者」としてサポートを依頼しますが、このとき、「どのような不動産会社に仲介を依頼するか」が、相続不動産を有利に、かつ、高額で売却できるかどうかに大きく影響 ...

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長期的な視点で、土地活用を考える

少子高齢化、健康寿命の長期化などによって、お亡くなりになる方(被相続人)の高齢化はもちろんのこと、相続人となる「子(息子または娘)」もまた、相続した時点で既に高齢であるというケースも少なくありません。

相続したときには既に自分も近い将来に亡くなる可能性があり、すぐに孫世代に相続しなければならない、ということもあります。日本では相続税があることから、不動産を何度も相続すると、税金が余計にかかり、節税対策は欠かせません。

将来の相続対策、相続税の生前対策や、土地の有効活用方法を考えるときにも、最も注意しなければならないのは、「目先の利益ではなく、長期的な視点で考える」ということです。

自分たちの手数料だけを考える不動産会社の提案にしたがって建築したマンションが、空室率が高くて収益化ができず、むしろ赤字になってしまった、という法律相談もあるからです。

相続になった場合の、不動産(遺産)の分け方についても考えておくべきです。

大きな建物を建てて、それを一人の相続人に相続させてしまうと、他の相続人が不満をもって、「争続」となってしまうおそれがあります。争いにならないように、誰にどのような財産を相続させるかを、よく考える必要があります。

参 考
相続財産のうち土地の割合が大きいときの「争続」は、こちらをご覧ください

相続財産の中で、最も大きな割合を占めるのが、不動産の評価額、特に、土地の評価額である場合が多いです。 不動産(土地・建物)を所有している方がお亡くなりになって、その土地の評価額よりも多額の現金・預貯金 ...

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いかがでしたでしょうか?

今回は、相続対策(生前対策)のための、土地活用の基本的な方法について、相続に強い弁護士がご説明しました。

「相続財産を守る会」では、相続に強い弁護士や税理士などの専門家が、お互いに協力しながら、あなたの土地を有効活用した相続対策をご提案します。

空き地をおもちの方、古い建物の建替えをご検討の方など、土地や建物の有効活用をご検討のみなさまは、ぜひ一度、「相続財産を守る会」の専門家にご相談ください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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