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相続開始後に養子縁組を解消する「死後離縁」の方法とポイント5つ

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死後離縁とは、養子縁組をしていた親子が、親の死亡による相続開始後に、養子縁組の解消を行うことをいいます。養子縁組の方法には、「協議離縁」など、親子の生前に行える方法もありますが、死亡後に養子・養親の関係をなくしたい方が行うのが「死後離縁」です。

死後離縁をした場合には、親子関係は亡くなるわけですが、養親または養子の死亡によって発生した相続関係には影響がなく、問題なく相続財産(遺産)を取得することができます。

そこで今回は、死後離縁の基礎知識と、実際に死後離縁を行ったときどのような効果があるのかや、注意点などについて、相続に強い弁護士が解説します。

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相続手続

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養子縁組を解消する5つの方法

いったんは養子縁組をしても、何かしらの理由があって将来に解消することは、養子・養親の双方の合意があれば自由に行うことができます。養子縁組の解消のことを「離縁」といいます。

養子・養親関係をなくす「離縁」には、生前に行えるものには次の4つがあります。

ポイント

協議離縁:養子・養親の話し合いで、養子縁組を解消する方法
調停離縁:調停により養子縁組を解消する方法
裁判離縁:裁判(訴訟)の判断で強制的に養子縁組を解消する方法
審判離縁:審判により養子縁組を解消する方法

しかしこれらはいずれも、生前に、養子・養親がいずれも生きていれば行うことができる方法です。そもそも養親が死亡してしまえば、協議によって養親の合意を得て離縁する「協議離縁」はできないことは明らかです。

養親が死亡したとしても、片方が死亡したことによって、それだけで養子縁組関係が解消するわけではありません。

このとき、養親がお亡くなりになり、残された養子が、他の親族との親戚関係を絶ちたいために行うのが、「死後離縁」です。具体的には、養親または養子が死亡後に、家庭裁判所に申請し、許可を得ることで離縁することができます。

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死後離縁しても相続関係はなくならない

養子・養親の一方がなくなった後、家庭裁判所の許可を得て死後離縁をしたとしても、養親または養子の死亡によって起こった相続には影響ありません。つまり、法律上の親子関係がなくなったとしても、相続権は発生したままなくならず、相続人の資格も失いません。

被相続人がお亡くなりになった時点(死亡時点)で、法定相続人であったかどうかが問題になるのであり、その後の親子関係の消滅は、相続には影響を与えないからです。

ただし、養親・養子同士の相続は起こるものの、親族との親戚関係は切れてしまいますので、例えば、養親の親など、養親の家族の死亡による相続を受けることはできなくなります。

たとえば・・・

養親がお亡くなりになった後、養親の父(養子から見た「祖父」)が死亡した場合には、養子は、養親に代わって相続権を得ることができます(代襲相続)。

しかし、養親と養子の間の関係が、養親の死亡後の「死後離縁」によって断絶されていた場合には、養子は、養親の親の死亡によって、養親を代襲して相続財産(遺産)を得ることはできません。

参 考
法定相続人の順位・範囲と割合は、こちらをご覧ください。

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死後離縁の許可を得る具体的な方法は?

養子・養親のいずれかの死亡後に、死後離縁をするときには、家庭裁判所の許可が必要であると解説しました。死後離縁についてのルールを定める民法の条文にも、次の通りの規定があります。

民法第811条第6項

縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。

死後離縁の許可申立ては、申立人の本籍地または住所地を管轄する裁判所に対して行うこととなります。審判申立書を作成、提出し、許可の審判を受けることができれば、死後離縁をすることができます。

許可審判が確定した後で、市区町村役場に対して、離縁届、審判所謄本、確定証明書を提出します。死後離縁は、離縁届を提出し、受理がなされた時点で効果を生じます。したがって、この受理の時点までは、養親の血族との親族関係は続き、離縁届によって終了します。

家庭裁判所における死後離縁を許可するかどうかの判断は、恣意的、濫用的なものでない限り、基本的には許可されるものという運用です。

民法第729条(離縁による親族関係の終了)

養子及びその配偶者並びに養子の直系卑属及びその配偶者と養親及びその血族との親族関係は、離縁によって終了する。

配偶者の死亡後に、配偶者の親族との、「姻族関係」を終了するために行う「死後離婚」の手続の場合では、家庭裁判所の許可を得る必要のない点が異なります。

参 考
死後離婚の基本と、メリット・デメリットは、こちらをご覧ください。

「死後離婚」という言葉をテレビで耳にすることが多いのではないでしょうか。「死後離婚」とは、配偶者(夫や妻)の死亡後に、姻族(配偶者の親族)との関係を絶つことをいいます。 配偶者(夫や妻)が死んだ後(死 ...

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死後離縁により扶養義務がなくなる

死後離縁をすると、養親の血族と、養子との間で、親族関係が終了します。そのため、親族であれば民法上負わなければならない扶養義務がなくなります。つまり、親族に対して行うべき介護や看病、金銭的援助などを、法的に行わなくてもよくなるということです。

この死後離縁の効果は、配偶者の親族との姻族関係を終了する、死後離婚と同様のものです。

死後離縁後の子の氏(名字)は?

養子は、養子縁組をすると、養親の氏(名字)を名乗ることができます。この場合に、死後離縁したときは、養子の氏(名字)は、元に戻るのでしょうか、それとも、養親の氏(名字)のままなのでしょうか。

死後離縁後の子の氏(名字)についても、民法に定めがあります。

民法第816条(離縁による復氏等)

1.養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。
2.縁組の日から七年を経過した後に前項の規定により縁組前の氏に復した者は、離縁の日から三箇月以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる。

つまり、原則としては、死後離縁をした場合には、子の氏(名字)は、養子縁組前に名乗っていた元の氏(名字)に戻ります(復氏)。

例外的に、①配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁したときと、②7年を経過し、届出をしたとき、には、養子縁組後の氏(名字)を使い続けられます(氏の続用)。

相続手続は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか?

今回は、養親もしくは養子の死亡によって相続が開始した後で、養子縁組を解消する手段である「死後離縁」について、方法、手続、注意点などを解説しました。

死後離縁は、家庭裁判所の許可が必要となりますが、原則として許可が得られることとされており、残された養子が自分自身でも行うことができます。しかし、相続手続きについて1人で進めることが難しい場合や、死後離縁の認められる判断基準がわからない場合には、相続の専門家である弁護士にご相談ください。

「相続財産を守る会」の弁護士が、ご家庭の状況をじっくり伺い、確実な死後離縁を徹底サポートいたします。

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