相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

相続手続

外国人が亡くなった時(被相続人が外国籍)の相続手続を弁護士が解説

投稿日:

日本にも国際化の波が押し寄せ、日本に暮らしている外国人が多く存在します。日本在住の外国籍の人がお亡くなりになったとき、その相続をどのように進めたらよいでしょうか。

日本以外の国籍の人がお亡くなりになるとき、相続人にもまた、日本人、外国人のいずれもがいる可能性が高いです。

そこで今回は、外国人が亡くなったとき、すなわち、被相続人が外国籍のときの相続手続きとその注意点を、相続に強い弁護士が解説します。

参 考
相続人に外国人がいるケースは、こちらをご覧ください。

国際化が進むにつれて、国際結婚なども当たり前に行われるようになりました。すると、お亡くなりになった方のご家族の中に、外国籍の方(外国人)がいることも少なくありません。 外国人が相続人となるとき、当然に ...

続きを見る

「遺産分割」の人気解説はこちら!

遺産分割

2018/11/6

寄与分とは?認められる場合と計算方法を、弁護士が解説!

民法に定められた法定相続人・法定相続分の考え方は、一般的に公平な遺産分割の割合であるとされていますが、実際には、法定相続分以上の貢献を主張したい相続人がいることがあります。 法定相続分を越えて、相続財産の維持、増加に貢献したことを主張する相続人の相続分を増やし、公平な相続を実現する考え方が、寄与分の考え方です。 よくある相続相談 長男は家業を手伝ったが、次男は生活費を入れなかったので、長男に多く相続してほしい。 長女が特に、被相続人の老後の看護を行ったので、長女に多く相続してほしい。 相続財産の大部分は、 ...

ReadMore

遺産分割

2018/12/29

子どもの一人にできるだけ相続財産(遺産)を残さない6つの方法

家庭内に問題があり、子供の1人に、相続財産(遺産)を一切残したくない、という相続相談が少なくありません。しかし、さまざまな方法があるものの「100%必ず、子供の1人に相続財産を与えない」方法はありません。 一般的には、「子どもにできるだけたくさんの財産を残してあげたい」というのが親心でしょうが、中には「勘当した」「縁を切った」「子がどこにいるか、生死もわからない」というご家庭もあります。 一方で、「子どもに与えるくらいなら、配偶者(夫や妻)、近しい友人に財産をもらってほしい」という想いを実現する方法もあり ...

ReadMore

遺産分割

2018/12/17

遺産相続を弁護士に依頼するとかかる弁護士費用は?相場の目安は?

遺産相続問題を抱えている方にとって、弁護士に依頼するかどうかを迷う最大の理由が、「弁護士費用がとても高いのではないか。」という不安ではないでしょうか。実際、遺産相続問題の中でも、高額の不動産を奪い合うようなケースでは、弁護士費用が高額となることがあります。 一方で「まずは法律相談を」という姿勢で弁護士にアドバイスを求め、最適な弁護士費用で弁護士に依頼をすることができれば、遺産相続問題を弁護士に依頼することで、より有利な解決を目指すことが出来ます。 そこで今回は、遺産相続問題を弁護士に依頼するときにかかる弁 ...

ReadMore

遺産分割

2019/2/26

前妻の子・前夫の子も相続権ある?財産をできるだけ与えない方法は?

結婚、離婚、再婚を繰り返した人がお亡くなりになったときに、相続問題でよく揉め事となるのが、「前妻の子(前夫の子)の相続権」です。 前妻は、離婚後は、相続をする権利はありませんが、前妻の子は、離婚、再婚を繰り返したとしても子の地位のままで居続けるため、相続をする権利をもっています。この場合、前妻の子の相続分、遺留分の割合を理解しておかなければ、「争続」の火種となります。 今回は、前妻(前夫)との間の子がいたときの遺産相続、遺産分割の注意点と、前妻(前夫)の子にできるだけ相続財産(遺産)を渡さない方法について ...

ReadMore

遺産分割

2018/11/13

遺産分割とは?どのような遺産分割方法・遺産分割手続がある?

親などの家族がお亡くなりになり、相続人が複数いるとき、他の相続人との間で相続財産を分けるためには、遺産分割をしなければなりません。 遺産分割の流れは、遺言書の有無の確認、相続人の確定、遺産分割協議、遺産分割調停・審判と進みます。遺産分割のとき、自分の分け前がどの程度なのか、気になる相続人の方が多いのではないでしょうか。 遺産分割についての基礎知識を理解しておくことで、相続人同士、兄弟間などで大揉めになることなく、相続についての話し合いを有利に進めていくことができます。 「遺産分割」の人気解説はこちら! 目 ...

ReadMore

亡くなった人の国の法律が優先される

お亡くなりになった方が外国人の場合、その国籍のある国の相続についての法律を検討する必要があります。相続が発生するとき、「どこの国の法律が適用されるか。」を「準拠法」といいます。

日本では、お亡くなりになった方(被相続人)の国籍が日本ではない場合、被相続人の本国の法律が、相続に適用されることとなっているからです。長年日本在住であっても同様です。

相続人の範囲、法定相続分などのルールが、国によって異なるため、準拠法を正しく判断することが重要です。どの国の法律で相続するかで、相続人になれる人、なれない人が出てきます。

注意ポイント

ただし、被相続人の国籍の本国法が、「被相続人のお亡くなりになった地の法律にしたがって相続する」という定めをしていたときは、お亡くなりになった日本の法律が適用されることもあります。

本国法にしたがった結果として準拠法が日本法となることを法律の専門用語で「反致」といいます。

以上のことは、日本で相続の準拠法を定める「法の適用に関する通則法」という国際私法にあたる法律で、次のように定められています。

法の適用に関する通則法36条(相続)

相続は、被相続人の本国法による。

法の適用に関する通則法37条(遺言)

1 遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。
2 遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。

法の適用に関する通則法41条(反致)

当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。(以下略)

したがって、日本に在住する外国籍の人(外国人)がお亡くなりになり、相続が発生するときに、どの国の相続のルール(法定相続分、遺留分、遺言など)に基づき遺産分割をしたらよいかを判断するためには、日本法だけでなく外国法に関する理解も必要不可欠です。

中国、韓国、台湾など、日本にも多くの人が来ている外国であれば、前例や文献などから相続のルールを調査し、遺産分割を進めることが可能ですが、マイナーな国の場合、外国法の専門家の協力を得なければ遺産分割が困難な場合もあります。

参 考
相続人に外国人がいるケースは、こちらをご覧ください。

国際化が進むにつれて、国際結婚なども当たり前に行われるようになりました。すると、お亡くなりになった方のご家族の中に、外国籍の方(外国人)がいることも少なくありません。 外国人が相続人となるとき、当然に ...

続きを見る

被相続人がアメリカ国籍の場合は?

お亡くなりになった方(被相続人)がアメリカ国籍の場合には、被相続人の本国法としてアメリカ法における相続のルールが、その相続・遺産分割・遺言について適用されます。

しかし、アメリカの場合、州によって法律(州法)が異なるため、どの州の法律が適用されるか判断する必要があります。先ほど紹介した法の適用に関する通則法は、アメリカ州法のように国内に複数の法律があるとき、相続に適用される「本国法」を次の通り定めています。

法の適用に関する通則法38条3項

当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする。

つまり、被相続人の国籍がアメリカのときの相続の準拠法の判断では、「国の規則」がなく、「最も密接な関係がある地域」を判断する必要があります。これは、住所地、出生地などから総合的に判断しなければなりません。

被相続人が多重国籍の場合は?

日本では、多重国籍、二重国籍は認められていませんが、海外では多重国籍が容認されている国もあるため、日本でお亡くなりになる外国人の中にも、二重国籍の方もいます。

日本でお亡くなりになった外国人が二重国籍のとき、その二重国籍のうちの1つが日本国籍であるかどうかによって、相続法に適用される「本国法」の判断が変わります。

まず二重国籍のうちの1つが日本国籍である外国人がお亡くなりになったときの相続・遺産分割・遺言のルールは日本法によることとなります。

法の適用に関する通則法38条1項

当事者が二以上の国籍を有する場合には、(・・・中略・・・)ただし、その国籍のうちのいずれかが日本の国籍であるときは、日本法を当事者の本国法とする。

二重国籍に日本国籍が含まれない場合には、常居所、もしくは、密接関係地が、その相続に適用される「本国法」となります。そのため、二重国籍が例えばイギリスとフランスなどであったとしても、長年日本に居住した外国人の相続に日本法が適用されることがあります。

法の適用に関する通則法38条1項

当事者が二以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする。(以下略)

被相続人が外国籍(外国人)のときの相続税は?

お亡くなりになった方が外国籍(外国人)であったとしても、相続税の課税は、その住所地によって決まることとなっています。

そのため、日本に居住する外国人がお亡くなりになった場合、一定の例外を除き、日本にある不動産、預貯金などの相続財産(遺産)だけでなく、海外に所有していた財産もまた、日本の相続税の対象となります。

相続税は、相続によって財産を取得する人(相続人)が支払う必要があるため、相続人が日本に住んでいるかどうかで、相続税がかかるかが決まります。相続税の計算のルール、その際の法定相続分など、相続税の申告期限も、日本の法律(民法、相続税法)に従います。

二重課税が生じてしまう不公平がある場合、例えば、日本法でも海外法でも相続税の対象となってしまう相続財産(遺産)があったときは、「外国税額控除」の制度により、日本で申告・納付する相続税から控除することができます。

被相続人が外国籍(外国人)のときの相続登記は?

お亡くなりになった方が外国籍(外国人)であったとしても、相続財産(遺産)の中に日本の不動産(土地・建物)が含まれる場合、その不動産登記は、日本法にしたがって行われます。日本法で登記のルールを定めるのは「不動産登記法」です。

相続登記を行うとき、お亡くなりになった方(被相続人)の戸籍などが必要となりますが、日本のような戸籍が存在しない国も多くあります。戸籍制度のない国でも、出生、死亡、婚姻を管理し、証明書を発行してくれる国の場合、その証明書で代用することができます。

また、在日領事館や公証人の認証を受けた宣誓供述書により、相続人を確定する作業が必要となります。宣誓供述書「私達だけが相続人であることを宣誓します。」という内容であり、日本語の訳文をつけることで相続登記のときの戸籍の代用となります。

参 考
相続登記にかかる費用と司法書士報酬は、こちらをご覧ください。

相続財産に、不動産が含まれている場合には、遺言、遺産分割協議などによって決まった相続分にしたがって、不動産の登記名義を変更する必要があります。 相続が発生したときに、相続分にしたがって不動産の登記名義 ...

続きを見る

国際相続は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか。

お亡くなりになった方(被相続人)が外国人(外国籍)であり、日本で亡くなった場合には、原則として、亡くなった方の本国法で相続がされるため、日本法のルール(相続分、相続人の範囲、相続順位、相続放棄など)とは異なります。

どの国の法律が適用されるかは、相続に関する法律だけでなく、国際私法についての高度な知識が必要な判断です。また、日本法が適用される場合でも、相続登記、相続税について注意すべきポイントが多くあります。

日本人の国内相続とは異なる外国人の国際相続に関する問題は、法律と税金、日本法と外国法の絡みあう、複雑で難しい問題ですので、相続に強い専門家(弁護士、税理士など)にお任せください。

ご相談の予約はこちら

相続のご相談は
「相続財産を守る会」
相続にお悩みの方、相続対策の相談をしたい方、当会の専門家にご相談ください。
お問い合わせはこちら
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

-相続手続
-

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2019 All Rights Reserved.