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事業承継

【オーナー経営者向け】事業承継時の株式譲渡契約書のポイント5つ!

更新日:

相続・事業承継を考えるとき、オーナー経営者(経営株主)から後継者への株式の移転(譲渡)が、重要なポイントの1つとなります。

「ハッピーリタイアのための資金が必要である」など、引退する経営者がお金を得たい場合には、株式を後継者に「譲渡(売却)」の方法で渡すのが一般的です。

ところが、オーナー経営者の中には、これまで一度も株式を譲渡(売却)した経験がない方も多くいます。「株式譲渡契約」の契約書を十分に検討せずに締結して、後からトラブルになるケースも少なくありません。

そこで今回は、オーナー経営者向けに、自社株を売却する際の、株式譲渡契約のポイントや注意点を、相続・事業承継に強い弁護士が解説します。

「事業承継」の人気解説はこちら!

事業承継

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特別清算の手続き・流れ・注意点を、弁護士が解説!

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事業承継

2019/4/16

後継者への自社株式の引継ぎで考えるべきこと【弁護士解説】

事業承継における重要なポイントの一つが、経営者が保有する自社株式を、後継者にスムーズに移せるかどうか、という点です。 会社の重要な方向性をきめるのは株主であるため、本当の意味で会社を後継者にゆだねるためには、後継者が株式をもっている必要があるからです。 今回は、経営者が後継者に自社株式を引き継がせるとき、「どの程度の自社株式を後継者にわたすか」、「どのような方法で自社株式をわたすか」、「いつ自社株式をわたすか」という点について、相続と事業承継に強い弁護士が解説します。 「事業承継」の人気解説はこちら! 目 ...

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事業承継で、株式譲渡が必要な理由は?

会社の日常業務を判断し、会社の経営に責任を持っているのは「取締役」です。しかし、取締役を選任したり、配当や合併、解散などの、会社としての重要事項を決めるのは「株主」です。

つまり、「株主」こそが会社を所有しているということです。

相続・事業承継において、後継者が安定して会社を経営していくためには、後継者に株式を譲渡することが必要になります。そのため、事業承継では「株式譲渡」が非常に重要となるのです。

「株式譲渡契約書」が重要な理由

事業承継に必須となる株式を移転する方法には、株式の譲渡(売却)、贈与、相続など、多くの方法があります。

その中でも、事業承継によって引退するオーナー経営者(経営株主)がお金を受け取りたいときは、株式譲渡によって、株式の対価として代金をもらうことになります。株式を譲渡するときは、株式譲渡契約書を締結します。

相続財産(遺産)に含まれる「自社株」は、オーナー経営者の資産の中でも、占める割合が高いのが一般的であり、譲渡代金も高額になるのが通常です。

株式譲渡契約書は、株式を売却する際の代金だけでなく、株式を売却した後の売主の責任にも関係するものであるため、重要です。

誰に株式を譲渡するの?

相続・事業承継のとき、自社の株式を譲り渡す後継者(株式の譲渡先)は、大きく以下の3つのパターンに分かれます。

ポイント

親族(相続人)
:親族内承継
会社の役員や従業員
:社内承継
その他外部の第三者
:M&A・事業譲渡など

親族に承継させる場合を「親族内承継」、会社の役員や従業員に承継させる場合を「親族外承継」ということがあります。

それ以外の第三者に株式を売却する場合は、事業承継におけるM&Aといわれることがあります。

参 考
3つの事業承継(親族内承継・社内承継・M&A)の違いは、こちらをご覧ください。

事業承継を行うとき、その方法には3つの選択肢があります。それが、親族承継、社内承継、そして、M&Aです。 この3つの事業承継の選択肢は、「どれが正しい」というものではなく、会社の状況、経営者や後継者の ...

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いつ株式を譲渡するの?

相続によって事業承継をおこなう場合には、被相続人である経営者がお亡くなりになったタイミングで、事業承継が同時に起こります。これに対し、株式を売却する場合は、経営者が株式を譲渡するタイミングは、基本的に自由です。

実際には、「後継者に経営を任せられるか」、「売却する時点の会社の株価がいくらか」、「後継者が譲渡代金を準備できるか」、などについて考えながら、譲渡のタイミングを決めることになります。

株式を譲渡する場合には、税金との関係で、株価対策を検討すべき場合もあるので、時間に余裕をもって、計画的に進めるべきです。

参 考
事業承継で、経営者を交代する適切なタイミングは、こちらをご覧ください。

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事業承継で、株式譲渡する手続の流れ

「契約」は、契約書がなくても口頭で行うことができ、このことは、「株式譲渡契約」でも同様です。しかし、相続財産(遺産)のうち多くの割合を占める重要な財産である「株式」の譲渡の手続は、慎重に進めなければなりません。

そこで、実際に株式を譲渡(売却)するときの適切な流れについて、弁護士が解説します。

デューディリジェンス(調査)を行う

株式を譲渡するとき、相続人となる親族など、身内に譲渡することが決まっている場合には、「どのような会社か」、「会社の業務はどのようなものか」など、会社の実態をよく知っているケースも多いものです。

しかし、仲介会社の紹介で、外部の会社に株式を買い取ってもらうM&A、事業譲渡などのケースでは、会社の実態について、「デューディリジェンス」と呼ばれる調査を行った上で、契約条件の交渉を行うことが一般的です。

もっとくわしく!

「デューディリジェンス」とは、会社を購入しようとする買主が、株式譲渡契約を締結する前に、対象となる会社について行う調査のことです。

英語で「Due Diligence」といい、「DD(ディー・ディー)」と略されます。デューディリジェンス(DD)の主な目的は、以下の点の調査です。

  • 会社の購入を止めるべき事情がないか
  • 株式の譲渡代金を減額すべき事情がないか
  • 株式譲渡契約の条件に入れておくべき事項がないか

たとえば、会社の工場で重大な土壌汚染があると、そもそも会社を買ってよいのかの検討が必要になります。また、会社が作った財務書類が正確でなければ、株式の代金の減額交渉が必要となることもあります。

デューディリジェンス(DD)は、書類の調査と、メールでの質問のやり取り、対象会社の役職員に対するインタビューによって進めるのが一般的です。

書類の調査では、帳簿書類、会社の登記・定款、社内規程、契約書などの重要書類を中心にチェックします。その上で、メールや直接の面談(インタビュー)を通じて、不明な点を解消したり、会社の全体像を理解していきます。

株式譲渡契約書を締結する

デューディリジェンスや、親族間の協議などの結果、株式譲渡の条件が決まったら、売主となる現経営者と、買主となる後継者との間で、株式譲渡契約書を締結します。

株式譲渡契約書には、譲渡代金以外にも、譲渡にあたっての様々な条件をつけることがあります。

たとえ親族内承継の場合であっても、自分に不利な契約条件となっていないかどうか、契約書のチェックが重要となります。

株式譲渡に必要な社内手続を行う

上場企業でない限り、会社の株式には、「譲渡制限」がついています。つまり、「会社の承認を受けない限り、株式を第三者に譲渡することができない」という制限があるということです。

したがって、株式譲渡契約を締結したら、代金を受け取って株式をわたす前に、会社の取締役会や株主総会で、株式譲渡を承認するための手続きを行う必要があります。

また、株券を発行することとされている会社で、株券が実際に発行されていないときは、買主にわたすための株券を発行します。

事業承継時の株式譲渡契約書のチェックポイント

事業承継において株式譲渡を行うときには、必ず株式譲渡契約書を作成し、締結することをお勧めします。

たとえ、現在は仲良く過ごしている親族や親子間であったとしても、会社経営や株式を巡って、将来争いとなることは否定できませんから、簡単な内容でも結構ですので契約書を作成しておきましょう。

以下では、株式譲渡契約書の内容についてのポイントを、弁護士が解説します。

【ポイント1】株式譲渡契約書に書く内容

事業承継時に結んでおく株式譲渡契約書には、まず、「誰に」、「何株を」、「いくらで」売るのかを記載します。

加えて、特に親族内や社内ではない、外部の第三者に株式を譲渡するM&A、事業譲渡などのときには、それだけでなく、お互いのリスクを調整するための条項を記載しておかなければなりません。

譲渡する株式の数や、譲渡代金以外で、事業承継時の株式譲渡契約書に書くべきであることが多い項目には、以下のようなものがあります。

ポイント

  • 株式譲渡実行の前提条件
  • 表明保証
  • 補償・賠償
  • 売主の遵守義務

【ポイント2】株式譲渡実行の前提条件

外部の第三者への株式譲渡のとき、契約書を締結した日から、実際に譲渡代金を払って株式をわたす日(=株式譲渡の実行日)までに、期間があくことがよくあります。

その期間に、株式譲渡に必要な手続きや、買主が売主(現経営者)に「事前にこれをやってほしい」と頼んだことを、売主がすませます。

そこで、それらの手続きがすべて完了したことや、必要書類がすべてそろったことを、株式譲渡の実行の「前提条件」として書いておきます。

株式譲渡契約書に記載される、「条件を満たさないと、株式の代金は支払わないよ」、という約束が、「株式譲渡実行の前提条件」と呼ばれるものです。

【ポイント3】表明保証

事業承継時の株式譲渡において、譲渡条件の交渉のときに重要なポイントとなるのが、「表明保証」です。

「表明保証」とは、主に株式の売主が、買主に対して、会社に関する一定の事実の「保証」をするものです。例えば、以下の項目について売主が保証する例があります。

  • 財務書類が正確に作られていること
  • 未払い残業代などの簿外債務がないこと
  • 裁判などの紛争をかかえていないこと
  • 反社会的勢力に該当しないこと

表明保証の内容は、先ほど解説しましたた「デューディリジェンス」(DD)の調査結果もふまえて、案件ごとに、当事者の交渉によって決められます。

たとえば・・・

「デューディリジェンス」(DD)の結果、未払い残業代が存在していることが判明していた場合には、その未払金を譲渡代金に反映し、株式譲渡代金を安くすることができます。

そこで、表明保証として、それ以上のリスクがないことを保証するために、「未払い残業代以外に、簿外債務がないこと」といった内容が、契約書に記載されます。

株式譲渡契約書に書かれた表明保証条項に、売主が違反した場合には、買主は、株式の譲渡代金を減額したり、契約を解除したりします。

表明保証に違反した場合の効果もまた、株式譲渡契約書に記載されることが一般的です。

【ポイント4】補償・賠償

「表明保証」の違反があったり、その他の契約違反があったときに、どのような責任を求めることができるかを決めるのが、「補償・賠償」条項です。

「補償・賠償」条項の内容によっては、会社の売主(=オーナー経営者)が、株式譲渡代金を一度支払ってもらったのに、後から返却しなければならなくなる可能性があります。

「補償・賠償」条項をチェックするときのポイントの1つ目が、「補償・賠償」の「期間」です。

たとえば・・・

「株式譲渡の実行の日から1年以内に限り請求できる」となっていれば、1年間は、受け取った代金を返さなければならない可能性があります。

しかし、1年が経過した後は、基本的には、代金を返す必要はありません。

「補償・賠償」条項をチェックするときのポイントの2つ目が、「補償・賠償」の金額の上限です。

たとえば・・・

株式の代金が5000万円であれば、同じ「5000万円」を「補償・賠償」で請求できる上限金額とすることが多いですが、買主との交渉次第で、上限金額を下げることも可能です。

また、細かい請求が来ると手間だというときは、たとえば「金額が100万円以上のときだけ請求できる」という下限の金額を定めることもあります。

【ポイント5】売主の遵守義務

事業承継のときの株式譲渡契約書には、株式を譲渡するときに守るべき売主のさまざまな義務も記載しておきます。

よく書かれるのが「競業避止義務」です。たとえば、「株式を売却した後5年間は、売却した会社の事業と競合する事業をしてはならない」といった義務です。

株主が交代して会社の環境が激変するのを避けるために、「会社を売却した後も数年間は、会社の顧問として働く義務」(いわゆる「キーマン条項」、「ロックアップ条項」)などを定めることもあります。

事業承継は、「相続財産を守る会」にお任せください!

会社を引退して、後継者に株式を売却して安心して引退できると思ったら、株式譲渡契約の内容が原因で、後からトラブルに巻き込まれる、という法律相談も、弁護士のもとに多く寄せられています。

今回の解説を参考にして、損のない、適切な内容の「株式譲渡契約書」を作成、締結してください。

「相続財産を守る会」では、事業承継や相続に強い弁護士・税理士などの専門家が協力して、経営者様のお悩みの解決を支援します。

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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