相続財産(遺産)を守る専門家(弁護士・税理士)が解説!

相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会

相続手続

「名字が途絶えてしまう」という理由で氏を変更できる?【相続Q&A】

更新日:

今回の相続相談は、「名字が途絶えてしまう」という理由で、氏の変更をすることができるのか、という問題について、戸籍に詳しい司法書士がQ&A形式で回答します。

日本は「家社会」であり、家を守ることが重要とされ、長男が代々、その家を守り、その家の名字(氏)を継ぐものとされていました。現代では「家社会」の文化はなくなっていますが、「名字が途絶えてしまう」ことを危惧するご家庭は、まだまだ多いです。

「相続手続」の人気解説はこちら!

相続手続

2018/11/24

相続財産となる預貯金は、どのように調査すればよいですか?

ご家族がお亡くなりになったとき、そのご家族が預貯金を全く持っていないというケースはとても少ないです。預貯金が相続財産となることを想定し、どの金融機関(銀行など)にいくらの預貯金があるか、預貯金を調べる必要があります。 相続財産とみなされる預貯金を見逃せば、その預貯金の名義変更、払い戻し、活用をし損ねるだけでなく、相続税の課税漏れとなったり、遺産分割協議のやり直しを求められたりするおそれがあります。 そこで今回は、預貯金の存在する金融機関とその金額を把握する方法を、相続に強い弁護士が解説します。 「相続手続 ...

ReadMore

相続手続

2018/12/1

相続・生前贈与で「贈与契約書」が必要な理由と作成方法【書式付】

相続対策をするとき、検討しなければならないのが「生前贈与」です。つまり、お亡くなりになる前に、生きているうちに、財産の一部を他人に贈与するという相続対策です。 財産を贈与する契約のことを贈与契約といいます。贈与契約は、財産を送る人と、財産を受け取る人の合意によって成立するもので、贈与の合意を証拠化したものが、「贈与契約書」です。 今回は、相続対策をするときに検討すべき生前贈与の際、締結しておくべき贈与契約書の作成方法と注意点について、弁護士が書式・ひな形・文例のサンプルを示しながら解説します。 ポイント ...

ReadMore

相続手続

2018/12/31

年末年始・正月に家族が亡くなったら、葬式はどうする?遺体は?

年末年始や正月休みであっても、ご家族の死は突然おとずれます。容体が不安定なご家族をお持ちの方は、十分に覚悟をし、万が一年末年始・正月休みにご家族の死がおとずれたらどうしたらよいかを理解しておきましょう。 特に、余命宣告されたり、重篤な症状であったりする場合、冬の寒さを乗り切れず、年末年始や正月にお亡くなりになってしまう方は、残念ながら毎年少なくありません。年末年始・正月におとずれた訃報にどう対応したらよいのでしょうか。 そこで今回は、年末年始、正月休みに、ご家族がお亡くなりになった場合の、通夜・葬式の方法 ...

ReadMore

相続手続

2019/2/6

限定承認が利用されない6つの理由と、有効な活用方法【弁護士解説】

「限定承認」という相続手続きをご存知でしょうか。お亡くなりになった方(被相続人)に多くの借金があるが、自宅不動産など必ず相続したい財産がある場合などに利用される、相続手続きの1種です。 「限定承認」を利用すると、相続した財産の範囲内でしか相続債務(借金・ローン等)を支払わなくてもよくなるため、一見すると便利な制度にも見えますが、実際には限定承認による相続はあまり利用されていません。 そこで今回は、「借金を相続してしまうのではないか」「相続放棄したほうがよいのだろうか」とお悩みの方に向けて、限定承認が利用さ ...

ReadMore

相続手続

2019/2/13

亡くなった人の連帯保証人だと、相続放棄できない?4つの対応

「相続」というのは、プラスの財産とともにマイナスの財産(借金・ローンなど)も同時に受け継ぐため、お亡くなりになった方の借金などを相続したくない場合には、「相続放棄」によってはじめから相続しないことを選択します。 しかし、あなたが、亡くなったご家族(被相続人)の借金について、連帯保証をしていた場合、相続放棄できないし、かつ、相続放棄をしても連帯保証人としての責任はなくならず、意味がないという場合があります。 そこで今回は、亡くなった方(被相続人)の債務の連帯保証人となっている方が、遺産相続のときにどのように ...

ReadMore

相続相談の内容

質問

私は現在19歳で、東京で大学生をしています。しかし、実家の両親が離婚の危機で、私の親権をどちらが得るかについて揉めているようです。私は母方についていきたいのですが・・・。

私の父が、私の親権をとりたいのは、私が「長男」だからです。「この家を継ぎ、墓を守っていくのはお前だ」と昔から何度も諭されたこともあります。そして、私の父は、万が一、母が親権を得る場合であっても、「名字が途絶えてしまうから、氏は変更しないように」とのことでした。

私としては、母についていきたいと考えていますが、母は、名字を変え、結婚前の旧氏に戻したいようです。私も、母と一緒に旧姓に戻す予定でいます。

この場合、父親のいうように、「名字が途絶えてしまう」という理由で、一度旧姓に戻した氏を、再度、父親の氏に変更することはできるのでしょうか。

今はいいのですが、父は、自分が死んだときの相続で、自分と同じ氏の人にしか相続財産を与えないといっています。もし母も私も、母の実家の氏に変更してその後は氏を戻さないときには、父は自分の兄弟(私の叔父)に対して全財産を譲るという遺言を書くといっています。

相続専門家(司法書士)の回答

回答

司法書士の吉越です。今回の質問について、私が回答します。

人の氏(名字)は、生涯不変のものではなく、ライフイベントにあわせて変更することができます。結婚、離婚、養子縁組や離縁を理由とする氏(名字)の変更がその例です。そして、そのようなライフイベントのタイミングでなくても、家庭裁判所の許可を得ることで、氏(名字)の変更を行うことができます。

これを「氏の変更許可」といいます。

しかし、家庭裁判所の氏(名字)の変更は、どのような理由でもできるわけではなく、やむを得ない事由(理由)があるの場合(戸籍法107条第1項)にしか認められません。

そして、今回のご相談者のように、「父親の名字が途絶えてしまう」という理由ですと、基本的には変更は認められません。

ただし、お母様の戸籍に入った後、ご本人の21歳の誕生日(2022年4月以降に成人する方は19歳の誕生日)の前日までであれば家庭裁判所の許可を得ずに父親の名字に戻すことが可能です(民法791条第4項)。

――では、離婚によって母親の氏を名乗り、相続財産(遺産)を得るためにその後に父親の氏に変更をした後、さらに母親の氏に戻す、といったことが可能なのでしょうか。家庭裁判所の許可を得られるのでしょうか?

司法書士吉越:家庭裁判所で、氏の変更の許可を得ることは、厳しい判断であるとお考え下さい。何度も氏(名字)の変更を申し立てることはどうしても心証が悪く、繰り返し申し立てをすることが権利の濫用であると判断した裁判例もあります。

その結果、氏(名字)の変更について、仮に「離婚によって母親の氏を名乗った後、相続財産(遺産)を得るために父の氏に変更」することまでができたとしても、その後に「更に母親の氏に戻す」ことが認められず、父親の氏のままとなってしまう危険があります。

特に、その時点で、お母様がお亡くなりになってしまっていた場合、母方の氏(名字)を名乗る理由が少なくなりますので、家庭裁判所の許可を得ることは難しいでしょう。。

もし、ご相談者の希望を叶えるのであれば、父方の親族、たとえば父方の祖父母や叔父等と養子縁組をすることで、父方の氏を名乗ることができます。養子縁組であれば、お父様の死後、家庭裁判所の許可を得ずに離縁をして、母方の氏に戻ることも可能です。



――次に、仮に私が父親の意向にしたがわずに、父親の氏を生涯名乗らないことを決め、宣言したときに、父親が言っているような「全ての相続財産(遺産)を自分と同じ氏の兄弟に与える」という内容の遺言が有効なのでしょうか。私は父の名字を名乗らない限り、相続財産(遺産)をもらえないのでしょうか?

司法書士吉越:確かに、感情的になったお父様が、そのような遺言書を書くことは覚悟しておいてください。しかし、父母が離婚をしたとしても、あなたがお父様の子である事実にかわりはありません。

そのため、「子」の続柄として、第一順位の法定相続人となります。遺言によって指定された「兄弟姉妹に全財産を相続させる」という「指定相続分」のほうが、「法定相続分」に優先するものの、「子」であるあなたには、「法定相続分の2分の1」は、遺留分として保証されています。

したがって、このような遺言書をお父様が書いてしまった場合であっても、全ての相続財産(遺産)を取得した叔父さんに対して遺留分減殺請求権を行使することで、遺留分相当額の財産を取りもどすことができます。

参 考
遺留分減殺請求権の行使方法は、こちらをご覧ください。

相続が開始されたときに、相続財産をどのように引き継ぐ権利があるかは、民法に定められた法定相続人・法定相続分が目安となります。 しかし、お亡くなりになった方(被相続人)が、これと異なる分割割合を、遺言に ...

続きを見る

ご相談の予約はこちら

相続のご相談は
「相続財産を守る会」
相続にお悩みの方、相続対策の相談をしたい方、当会の専門家にご相談ください。
お問い合わせはこちら
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
司法書士 吉越 清顕

司法書士 吉越 清顕

司法書士吉越清顕は、弁護士法人浅野総合法律事務所に所属する司法書士です。東京都中央区、銀座駅から徒歩3分の利便性の高い、相続登記・戸籍に強い司法書士です。 同場所に所在する税理士法人浅野総合会計事務所と連携をとることで、ご相談者にとって最適なトータルサポートによる相続問題の解決を目指します。

-相続手続
-

Copyright© 相続の専門家(弁護士・税理士)が教える相続の相談窓口│相続財産を守る会 , 2019 All Rights Reserved.