★ 相続の専門家の正しい選び方!

「伴走型支援」で描く新地図!事業承継のコンサルサービスの新風

ビジネスの潮流が変われど、不変なのは、その事業はいずれ次世代に軽傷しなければならないということ。その重みは、経営者1人では背負いきれないこともあります。「経営コンサル」と一言でいっても、売上拡大など攻めのコンサルティングだけではありません。

伝統を継承しつつも、革新的な一歩を踏み出すため、事業承継を支えるコンサルティングサービスを紹介します。コンサルティングはしばしば固定化された枠組みで進められがちですが、事業承継は、型にはまらないことが多いもの。アドバイスするには承継者と肩を並べ、「伴走型支援」である必要があります。会社の内情を知り、状況に応じた打ち手を提案することが求められます。

このアプローチは、事業承継に悩む経営者にとって、心強いサポートとなり、事業の新たな可能性を開く鍵となります。今回は、伴走型の経営支援サービスを提供する、株式会社Pro-D-useの小笠原亮太様にお話を伺いました。

ゲスト

株式会社Pro-D-use 代表取締役

小笠原亮太

中小企業の新規事業開発、次世代経営者開発を得意とするコンサルティング会社。事業承継段階にある会社の後継者支援を得意とし、オーダーメイドの伴走型サービスを提供する。

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パートナーシップで描く未来と、伴走型戦略

――はじめに、株式会社Pro-D-useの事業内容について、教えてください。

小笠原:当社が現在注力している事業は、事業プロデュース、事業マッチング、自己分析マイニングの3つです。

自己分析マイニングは、SNS情報を飲食店のマーケティングに活用するなどマス分析に利用されていたツールを、面談やヒアリング結果の録音の分析に利用し、自己分析を深掘りするサービスです。自己分析の可視化が主目的で、就職支援や人材紹介などの面談での利用を想定しています。

――相続の領域において、御社が活躍しているのはどのような点でしょうか。

小笠原:当社は、事業プロデュースが得意であり、中小企業の経営者に対し、ハンズオン型で、商品開発から人材育成、マーケティングまであらゆる段階のサポートを提供できます。また、顧客から生まれたニーズのなかで、地方で自信のある商材を持ちながら販路のない会社と、都心部でこだわりをもって仕事をする店舗をマッチングするなど、協業のお手伝いをしています。

自社のサービスを「事業プロデュース」と名乗り、「コンサルタント」ではなく「プロデューサ」を自称しているのは、儲け重視のイメージを消し、顧客ごとの需要にあわせた事業をプロデュースしたいという思いからです。

――事業プロデュースにあたって気をつけている貴社の理念はありますか?

小笠原:当社の名刺には「Your Industry Maker」という理念を記載しています。「その人らしい事業を作る」という意味です。顧客となる経営者の個性を生かす仕事を作る、という点を重視しています。売れるモデルを追及するコンサルティングは、型にはめた画一的なサービスしかしない人もいますが、当社はそうではありません。

短期的な売上よりも、経営者の癖や個性の出る、楽しい事業作りのお手伝いをしています。

顧客とともに築くサービス、共創の道

――事業プロデュースをするなかで、事業マッチングに発展していく過程を教えてください。

小笠原:当社の事業マッチングは、食品の卸売り業を小規模に行っている、とイメージするのがわかりやすいです。地方には、伝統とこだわりのある、名のある商材を持ちながら、販売が苦手な会社があります。東京でも同様じく、こだわりがあり、小規模に営業をしている店舗が力をつけています。

これらをマッチングすることが、販路拡大に繋がります。

――それぞれ、お繋ぎする顧客の規模感はどのようなものですか?

小笠原:当社の例でいうと、鹿児島の火山灰を使って熟成させた魚の燻製、日本古来の在来種の蕎麦粉などを紹介しています。都心部の卸先は、3店舗以下で、経営者の目の届く範囲で運営している飲食店、小売店に限定しています。ニッチな需要こそ、当社の事業マッチングの強みです。

――地方の会社こそ、事業承継の課題が大きいのではないでしょうか。

小笠原:先祖代々の会社だったり、社長が高齢でだったりといった企業は多くあります。そして、事業マッチングを希望してくれるのは、古い会社だったとしても気持ちは新しい、社内で新しいいことをしたいという声の上がる会社です。

新しい声をあげるのが、後継者である息子であって、社長である親や、その側近である親世代の幹部との対立を解きほぐす必要のあるケースもあります。このようなとき、私達の伴走型支援が役立ちます。

伴走、一緒に歩む、多大なメリット

――事業プロデュース、事業マッチングのサービスから、後継者支援を求める声が多くなっていったプロセスについて教えてください。

小笠原:後継者への伴走サービスは、口コミと照会によって広がっています。「Your Industry Maker」を理念とする当社では、小規模な会社にも1つ1つ丁寧にアドバイスできますので、その点が中小企業の事業承継と需要があっていて、選ばれています。

――後継者層から寄せられる、特有の悩みがあれば教えてください。

小笠原:会社の伝統や、親世代の社長や幹部社員とのしがらみに関する悩みが、特に多く寄せられます。例えば、ベンチャー企業だとロジカルな戦略があればすぐに動き出せるとしても、後継者の立場の場合には、自分の採りたい戦略が、社長をはじめとした親世代とぶつからないよう根回しが必要となってきます。

当社は、「新しいことをお手伝いしたい」という思いが常にあり、新しい風を起こす「理」と「情」を重視しています。古い世代に対しては感情面を理解し、それでもなお理を通すのが役割です。「息子だからこそ、他の社員より2倍腹立たしい」という意見を聞くこともあり、このような感情的な対立が、事業承継の障壁でしょう。

――小笠原様は後継者の世代に近いでしょうが、苦労することはありますか?

小笠原:当社のサービスも当然ながら、会社経営は「顧客目線」が重要だと考えます。典型的な頑固社長に意見するにしても、自分の意見として言うのではなく、分析の結果として伝え、相手の意見も反映することで、受け入れてもらいやすくなります。

時代の影響でしょうが、社長がトップダウンで儲けてきた会社の場合、社長の推進力がなくなると途端に衰退します。社長が外に出すエネルギーを、内側にも向け、組織として勝っていく発想を、むしろ子世代と一緒に作ることが大切です。

微妙なバランスが生む大きな価値がある

――小笠原様が起業したきっかけを教えてください。

小笠原:新卒の頃から、中小企業を支援したい気持ちがあり、大手コンサルティング会社ではなく現場と近い立場で、と考えていました。リクルートに入社し、求人広告の営業として大小さまざまな企業の経営者と話すなかで、型にはめらない後継者支援の重要性を感じ、起業しました。

残すべき会社の伝統はどの部分か、後継者の出したい個性はなにか、その需要のフュージョンするポイとを見つけ出すことに面白みを感じます。

――最後に、事業承継について伴走していくにあたり、注意していることを教えてください。

小笠原:当社の依頼者は、正解を求めているわけではありません。決まった正解ではなく、「うちの会社ではどうしたらよいのか」という個別の方法論がほしいのです。特に、後継者の場合は、単なる一社員とは立場が違い、同僚とも相談できません。一方で、経営者ではないので、外部とも相談しづらい状況で、相談役を求めている方は多くいます。

後継者の方々からの紹介が続き、多くの相談に答えるうちに、悩みの共通点をイメージすることができたので、今後はセミナーや勉強会などで積極的にフィードバックしていく予定です。

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