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【株式会社FP-MYS】相続・贈与プラットフォーム「レタプラ」で円満相続へ

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相続の生前対策というと「遺言書の作成」が真っ先にあがってくるのではないでしょうか。しかし、日本の遺言作成率はまだまだ低く、一般の方にとって、「遺言を作成しよう」と思い立つことすらなかなかないかもしれません。

本当なら「将来の相続」の話題は、家族の日常的に出てもおかしくない話題ですが、相続によって財産を残される側にとっても「親に遺言を書いてもらうために話を切り出す」ことはとても大きなハードルです。

相続対策を、親も子も、真剣に考えるようになるために、相続関連サービス、アプリやツールなどを1つのきっかけに話し合いを進めるのも有効な方法となりつつあります。

今回は、「LettePla(レタプラ)」という、相続・贈与のプラットフォームサービスを提供することで、相続の生前対策にご家庭一丸となって取り組みやすくすることを目指す、株式会社FP-MYS、代表の工藤崇氏にお話を伺いました。

 お話を伺った方


株式会社FP-MYS
代表取締役社長 工藤 崇
FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、intech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてプレシリーズAラウンドまでの資金調達完了済み。本社は東京都港区虎ノ門。

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相続問題を取り扱うこととなった理由は?

セミナーで「LettePla(レタプラ)」について話す工藤社長

――まず、株式会社FP-MYSが手掛けている事業について、簡単に教えて頂けますでしょうか?特に、相続問題についての悩みを解決するために、どのようなサービスを提供しているのかについて教えてください。

工藤(以下、敬称略):

「専門家」が相続のことを考え始める方に対して利用できる「相続対策の入口」サービスを開発・提供しています。現状の状況を確認すると、日本人の平均寿命が90歳前後として、亡くなる直前にならないと、なかなか相続のことを考える習慣はありません。

ただ、相続対策は「税金をいくら納めるか」だけではありません。

  • 所有している不動産をどうするのか
  • 生命保険をどうするのか
  • 現役世代に投資をした財産はどうなるのか

仮に認知症になると、このあたりの見直し、いわゆる財産行為が出来なくなり、相続対策が出来なくなるという状況が生じます。

――経験上、相続対策をしっかりと進めておかなければ、お亡くなりになったときに、とても大変な事態となりますね。

工藤:そうですね。亡くなった段階で相続の準備が出来る、結果財産を引き継いだ相続人のあいだで争いごとが発生する。「争族(あらそうぞく)」の危険性が生じます。

つまり、相続は社会の大きな課題である認知症や、不動産の管理が出来ないことで発生する空き家問題、事業承継など、様々なテーマと深く関わっていることが分かります。

ーーではどうすればいいのでしょうか。

工藤:

争族を回避するために有効なのは、認知症の可能性が低い50歳や60歳という現役世代のうちに、「その時点で出来る相続対策」を始めておくこと。100%完了する必要はありません。最初の公的遺言を書いておく。現在の財産を把握しておく。

そして何よりも、「家族」で相続のことを考えておくということが大切です。その部分を総合的に考えるのが「FP」です。

――工藤社長は、FPでもあるのですね。FPというと、生命保険の有効活用というイメージが強いですが、工藤社長がFPになった理由や、FPとしてどのような仕事をしていたかについて教えて頂けますでしょうか?

工藤:2009年に消化器系の大きな病気をして、救急搬送のうえ約10日間入院しました。そのときに病院から「高額療養費と医療費控除」について手続きの依頼を受けましたが、知識がなく、なんだそれ?の状況でした。一方で結婚を控えていたこともあり、世の中の資格についてもっと知らなければ、という思いもありました。

このときに資格試験を取得する資格予備校に勤めていたこともあり、手にした資格がFPでした。取得後、FPの人脈が拡大していくにつれ、この世界が面白くなり、不動産・建設会社を経て2015年、個人事業主として独立します。

FPとしてはWEBコラムなどの「執筆」が多く、ピーク時には月60本近くを書いていたと思います。2017年1月にFPとしてFintechのハッカソン(エンジニアと起案者で新しいサービスを考えるイベント)に参加し、相続をテーマとしてサービスを作ることを決意します。2017年9月に最初の資金調達をして、サービスを提供開始し、現在にいたります。

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相続・贈与プラットフォーム「LettePla(レタプラ)」

「LettePla(レタプラ)」の実際の画面

――では早速、株式会社FP-MYSが今注力している「LettePla(レタプラ)」がどのようなサービスか教えてください。

工藤:レタプラでは、次の4つの機能を提供しています。

  • 「現在の相続資産をスマートフォンを使って概算を計算する」
  • 「それをもとに専門家とのあいだでChat機能を使用して相談する」
  • 「遺言作成が面倒な方のために、1分間の音声データで『明日自分が亡くなったらどうしたいか』を録音する」
  • 「財産目録のPCデータを作成する」

――なるほどですね。いずれの機能も、現代の相続ならではの、とても便利そうな機能ですね。どのように使いこなしていけばよいのでしょうか。

工藤:

これらの機能を専門家が相続当事者に案内し、50歳での相続対策を開始することが、当社サービスの提供価値です。

もちろん「50歳」というのは一つの目安でしかありません。人によっては40歳で相続のことを考え始める方も、60歳の定年を契機にされる方もいると思います。いずれにしろ、相続のことを考えるきっかけとして貰えたらと考えています。

現在は「被相続人になる方」が対象ですが、今後は配偶者や一世代下の「相続人になる方」に向けてサービスを拡大していこうと思っています。また、専門家を介したBtoBtoCモデルのほかに、相続の当事者から専門家を紹介するサービスを次段階として考えています。

――なるほどですね。家族で相続のことを考えることが主軸テーマということですね。「LettePla(レタプラ)」を、実際に活用してほしいターゲット層は、どのような人達ですか?

工藤:現時点ではレタプラの相続試算機能をオープンにはしておらず、税理士や弁護士といった士業、金融機関や証券会社といった会社に対し当社がレタプラのアカウントを販売し、再提供して頂いているモデルです。

たとえばこれらの士業や会社のセミナーに赴き、話を聞いたけれど「今とりあえず何をやったらいいかわからない」という方が専門家に相談する第一歩にして欲しいと考えています。相談した専門家の事務所から離れて住んでいる場合や、当事者である親と離れて暮らしている場合、レタプラを活用することでリアルタイムな相続対策が可能になります。

「LettePla(レタプラ)」の実際の画面


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――「LettePla(レタプラ)」は「Fintech(フィンテック)」に分類されるとのことですが、工藤社長がFPとして相続問題を取り扱ってきたご経験が、どのように生かされているのでしょうか?

工藤:相続のサービスなので、人工知能やAPI(データの共有)というよりも、まずは紙主体の相続対策がインターネットで出来るようになること、ここに価値を見出しています。

離れて生活する家族がインターネットを通し、財産共有や相続の意志を共有するサービスを意識しています。技術が高度化するFintechの文脈のなかで、相続・贈与の領域に相応しいものを取捨して導入していきたいですね。

――「LettePla(レタプラ)」を有効活用した相続の生前対策では、御社のアプリと、弁護士、税理士、司法書士などの士業との連携をどのようにお考えですか?

工藤:よく「相続のサービスを作っています」というと「士業の仕事を無くすつもりですか」と質問されますが、私の本心から離れていますし、そもそもユーザービリティを考えたときにベストではないと思います。

士業が受ける相続の相談はとてもセンシティブです。漠然とした一般論の相談から、個別具体的な相談になるときの付加的なサポートを提供できるサービスでありたいと思っています。その結果家族が離れながらにして相続対策をリアルタイムで実現して、専門家が随時確認したうえでそれを担保する、そのようなサービスの将来像を描いています。

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「LettePla(レタプラ)」が提唱するあるべき相続対策とは?

――株式会社FP-MYSは、支店展開を積極的に進めていますね。現在は、東京、北海道、京都に支店がおありと聞きましたが、今後も支店を展開していく予定がありますでしょうか?

工藤:北海道の起業家数人から2018年末に出資を頂いているため、当面は北海道に力点を置いて事業拡大をしていきます。京都も株主がおりますので、畑を耕しているところです。

このあとは名古屋や福岡、仙台などでもご縁があればいいですね。

――支店展開をすることで、「LettePla(レタプラ)」の提唱する相続問題の解決にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

工藤:相続に関わる専門家は日本全国に存在します。東京に力点を置いたビジネスでは、彼等と密接な関係を築くことは難しい。日本全国の専門家と繋がりながら、その先にあるエンドユーザーに価値提供をする。

そのためには日本において人口100万人を超える都市には当社の支店を置いていきたいなとは思っています。

――最後に、株式会社FP-MYSと、「LettePla(レタプラ)」を利用したいという、相続にお悩みの方や、相続を専門的に取り扱う士業の方に向けて、一言メッセージをお願い致します。

工藤:2018年10月にリリース後、税理士や司法書士、不動産鑑定士や資産コンサルタントなどの専門家への導入が進んでいます。これから日本に訪れる超高齢化社会を乗り切るにあたり、生活に不可欠なサービスを引き続き開発して参りますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。今回は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

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