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遺言

2018年相続法の改正で変わる、遺言制度の見直し【弁護士解説】

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2018年(平成30年)に行われた、民法のうち相続法に関する部分の重要な法改正について、今回は「遺言制度の見直し」という側面から解説していきます。

遺言制度に関して、今回の法改正で変更があった点は、次の4つです。

ポイント

自筆証書遺言の方式の緩和
自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の創設
遺贈の担保責任等
遺言執行者の権限の明確化

特に今回の改正では、自筆証書遺言の様式の緩和によって、遺言が作りやすくなり、また、法務局での保管制度が創設されたことにより、検認手続も不要となったことから、自筆証書遺言が増加し、公正証書遺言が減少することが予想されます。

今回の解説をご覧いただき、自筆証書遺言の正しい活用や、遺言による信託の有効活用など、相続の生前対策を適切に進めて頂くため、「相続財産を守る会」の相続専門家の弁護士に、法律相談ください。

参 考
2018年相続法改正の内容まとめは、こちらをご覧ください。

平成30年(2018年)7月6日に、通常国会で、相続に関する法律が改正されました。 正式名称、「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」という法律が成 ...

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自筆証書遺言の方式の緩和

まず、自筆証書遺言の方式の緩和についての2018年法改正部分は、2019年1月に既に施行されました。施行日が既に到来していますので、十分注意して活用してください。

改正民法968条1項には、自筆証書遺言の場合、遺言者が全文、日付、氏名を自署して印鑑を押さなければならないこととされていますが、今回の改正で、「相続財産の全部又は一部の目録」については、自署の必要がなくなりました。

この法改正の結果、相続財産の詳細な情報について、逐一自署する手間から解放されますし、「地番の数字を間違えてしまった」といったミスもなくなります。相続財産目録に、登記事項証明書の写しを利用することもできます。

ただし、自筆ではない相続財産目録を添付する場合には、その目録の全てのページに署名し、印鑑を押す必要があるとされています。

参 考
「自筆証書遺言の方式緩和」について、詳しくはこちらをご覧ください。

2018年7月の相続法の改正で、自筆証書遺言の作成ルールが変わります。 この改正は、2019年(平成31年)1月13日に施行されます。施行日に、この記事は修正しました。 遺言書は、のこされる家族などの ...

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自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の創設

自筆証書遺言の遺言書の保管制度は、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」という法律が新しくつくられて創設されたものです。この法律は、公布日から起算して2年以内に施行されます。

この保管制度の創設によって、自筆証書遺言であっても、保管制度を用いて保管されたものについては、検認手続を行う必要がないこととされたのが重要な点です。

自筆証書遺言の遺言書の保管制度について、どのようなものかを詳しく解説します。

参 考
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較は、こちらをご覧ください。

数ある遺言書の種類のうち、特によく利用されているのが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。この2つの遺言については聞いたことがある方が多いでしょう。他方、秘密証書遺言や緊急時の遺言の利用頻度 ...

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遺言書の保管申請

自筆証書遺言を作成した人(遺言者)が、自分で法務局に出頭して、遺言書の保管を申請することができます。

自筆証書遺言の遺言書の保管申請を管轄する法務局は、遺言者の住所、本籍、または、遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局とされています。

遺言書の保管を、遺言者が申請すると、法務局の事務官が、民法968条に定める有効要件を満たしているかどうか(全文を自署しているか、署名押印があるかどうかなど)を外形的にチェックをして、遺言書を確認します。

画像情報の保存・管理

遺言書保管官(法務局)のチェックを通過したら、次に、遺言書を画像情報化して、保存をします。これにより、全国どこの法務局もが、自筆証書遺言の遺言書の画像情報を共有します。

遺言書保管官(法務局)は、保存した遺言書の画像情報に、遺言者の氏名、生年月日、住所、本籍、遺言書の作成年月日などを付して、「遺言書保管ファイル」という書類に記録して管理します。

交付・閲覧請求

自筆証書遺言が保管されている方がお亡くなりになったときには、関係相続人等は、遺言者の死亡後に、遺言書情報証明書の交付や、遺言書の閲覧をすることができます。生前には見ることができません。

「遺言者情報証明書」とは、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明する書類のことをいいます。

保管されている自筆証書遺言の遺言書を閲覧できる「関係相続人等」には、法定相続人や受遺者(遺言による贈与を受けた人)のほか、次の人たちも含まれます。

ポイント

  • 遺言による信託の受益者や、その代理人
  • 受託者
  • 信託監督人

遺言書保管官は、遺言書情報証明書を交付したり、閲覧させたりしたときは、遺言者のお相続人、受遺者、遺言執行者に対して、そのことをすぐに通知することとされています。これによって、遺産相続についての話し合いなどが進行します。

保管事実の確認

相続人などでなくても、誰でも、「遺言書保管事実証明書」の交付を請求することができ、これによって、自筆証書遺言の遺言書が保管されているかどうかを知ることができます。

「遺言書保管事実証明書」には、遺言書が保管されているかどうか、遺言書の作成年月日、遺言書保管所の名称及び保管番号を証明した書面などの情報が記載されています。

この場合には、関係相続人でない場合には、その遺言書の内容まではわからず、存在していることがわかるだけです。

保管申請の撤回

遺言をのこした人(遺言者)は、一度行った保管申請を撤回することもできます。つまり、自筆証書遺言の遺言書を、法務局で保管しておくことをやめることは、いつでも可能だということです。

保管の申請を、遺言者が撤回すると、遺言者に遺言書が返却され、遺言書について保存されていた情報も削除されます。

遺言者が生きている間は、遺言内容を見たり、調査をしたりすることはできませんので、生前に撤回しておけば、その自筆証書遺言の遺言書が、相続人などの目に触れることはなく秘密は保たれます。

遺言執行者の権限の明確化

「遺言執行者」とは、実際に相続が開始したときに、遺言書の内容を執行する役割の人のことをいいます。これまでは、法律上には特に遺言執行者についての規定はなく、そのことが相続トラブルの原因となる危険がありました。

2018年(平成30年)に改正された民法では、遺言執行者の権限について民法に定めをおいて明確化した上で、「特定財産承継遺言」がされた場合に、対抗要件具備、預貯金の払戻などを行う具体的な権限を、遺言執行者に付与しました。

「特定財産承継遺言」とは、遺産分割方法の指定として、特定の財産の承継をさだめる遺言書のことをいいます。

遺言執行者の権限が明確化されたことにより、遺言執行者を定めておいたほうが相続手続きがスムーズに進み、かつ、相続人間の争いを避けることができます。

参 考
「遺言執行者の権限明確化」について、詳しくはこちらをご覧ください。

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いかがでしたでしょうか?

今回は、2018年(平成30年)に改正され、今後施行される予定の、民法改正法(相続部分)のうち、遺言書作成に関係する部分についてピックアップして解説しました。法改正によって、遺言作成のルールは大きく変わり、使いやすくなります。

遺言書作成のルールは、法改正によって非常に使いやすくなりました。特に、弁護士など法律の専門家の助けを借りなくても、自筆証書遺言の作成ルールが緩和され、保管制度が創設されたことで、自分ひとりでも遺言書を作るリスクが減りました。

とはいえ、遺言書を適切に作成して「争続」を回避するためには、法律の専門家によるアドバイスが有用です。「相続財産を守る会」では、弁護士が、遺言書を多数作成した実績を生かし、ご家庭の状況に合わせてより揉めづらく効果的な遺言書を提案します。

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