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不動産相続

相続した不動産を個人で売却できる?方法、デメリット、注意点など

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相続した不動産を売却するときには、不動産会社に依頼して仲介してもらうことが一般的です。しかし、仲介業者を頼むと、仲介手数料を支払わなければなりません。不動産の売却額が高額となればなるほど、仲介手数料の金額も高くなります。

「仲介手数料がもったいないので、自分で買主を探してきてひとりで売却したい」という方もいます。

しかし、不動産の売却は、所有者が個人で行うこともできますが、仲介業者に依頼すれば回避できたであろうデメリットも多く負うこととなりますので、注意点を理解しておいてください。

そこで今回は、相続した不動産を個人で売却する方法と、メリット、デメリット、注意点などについて、不動産相続を多く取り扱う弁護士の立場から、わかりやすく解説します。

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個人でも不動産を売却できる!

結論からいうと、相続した不動産を個人で売却することは、法律上、全く問題ありません。

例えば、相続税の節税対策・生前対策のために、両親や親族と売買契約をとりかわすとき、仲介業者に買主を見つけてもらう必要はなく、個人間でも問題なく不動産の売買ができます。当然ながら、仲介手数料も不要です。

継続して利益を得るための業務でなく、1回限りの売買であれば、宅地建物取引士(宅建)の免許も不要です。

個人で不動産を売却するメリット

不動産会社に仲介を依頼せずに、個人で相続不動産を売却するメリットは、なんといってもやはり「仲介手数料がかからないこと」です。

仲介業者に依頼した場合には、仲介手数料は、「不動産売却額×3%+6万円」かかるのが一般的です。これは、宅地建物取引業法という法律で定められた仲介手数料の上限ですが、値下げ交渉をしない限り、仲介手数料はこの上限いっぱい請求されることが多いです。

不動産の買主を個人で探し出し、契約手続き、登記手続きなどもすべて自分で行えば、仲介手数料や、その他司法書士費用などの専門家費用も一切かからず、実費のみで不動産(家・土地)を売ることができます。

個人間の売買であれば、消費税も非課税です。不動産の評価額が大きくなると、消費税も馬鹿にできない金額になります。

参 考
仲介手数料をできるだけ安く抑える方法は、こちらをご覧ください。

不動産を売却するとき、不動産会社に仲介手数料を支払うことがよくあります。これは相続した不動産を売却する場合も同様です。 相続した不動産のように、不動産(土地・建物)の価格が高額になればなるほど、不動産 ...

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個人で不動産を売却するデメリット

不動産会社に依頼せずに、個人で相続不動産を売却することには、デメリットもあります。仲介手数料を惜しんで、より大きな責任、負担、損失を負うことのないよう、デメリットを正しく理解してください。

参 考
相続不動産をできるだけ高く売るための「仲介業者の選び方」は、こちらをご覧ください。

不動産を売却するとき、通常は不動産会社に「仲介業者」としてサポートを依頼しますが、このとき、「どのような不動産会社に仲介を依頼するか」が、相続不動産を有利に、かつ、高額で売却できるかどうかに大きく影響 ...

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買主を自分で探さなければならない

相続の生前対策のために不動産を売却するなど、既に親族間や知人間で不動産の買い手が見つかっているような場合でない限り、不動産の買主を自分で探さなければならないことが、不動産を個人で売却するデメリットの1つ目です。

不動産会社に仲介を依頼すると、仲介業者は、REINS(レインズ)という不動産登録サイトや、その他の不動産情報サイト(SUUMO、HOME’Sなど)に登録したり、広告出稿したりポスティングしたりします。この際の登録費用、広告費用は、すべて不動産会社持ちです。

しかし、個人で不動産を売却するとき、買主を探すための広告費用などは全て自分の自腹となるうえに、問い合わせへの対応、内覧の立会いなどもすべて自分で行わなければならず、手間も余計にかかります。なお、REINS(レインズ)には、個人では不動産情報を登録できません。

書類(契約書・重要事項説明書)を自分で作成しなければならない

個人で不動産の売却をするときには、不動産売買のときに必要となる不動産売買契約書、重要事項説明書といった重大な書面を、すべて自分で、不備なくそろえておかなければなりません。これらは法的なトラブル解決策の記載された重大な書面で、個人で不備なくそろえるのはとても大変です。

不動産売買がトラブルとなってしまったとき、契約書に、あなたにとって有利な記載が漏れていれば、契約書にしたがって戦うこともできません。

契約書類などの他、登記簿謄本、印鑑証明書、権利証(登記済証)、固定資産税評価証明書、収入印紙、測量図面などの必要書類も、事案に合わせて自分でもれなくそろえなければなりません。

参 考
不動産売買契約書のポイント・注意点は、こちらをご覧ください。

相続した不動産を、売却しなければならない必要性に迫られることがあります。相続は、突然起こるもので予想ができません。不動産を得られることは嬉しいでしょうが、利用する予定のない遠方の家や別荘などの場合、売 ...

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トラブルに自分で対応しなければならない

不動産売買には、トラブルがつきものです。売買をする対象となる不動産(家、土地)が高額のものであればあるほど、トラブルとなる可能性も高く、また、トラブルとなったときの損失も多額になります。

不動産を個人で売却するときに注意しておいてほしいトラブルには、例えば次のものがあります。

ポイント

  • 不動産(家、土地)に隠れた欠陥(瑕疵)があった
  • 契約書・重要事項説明書の記載に誤りがあった、説明が十分ではなかった
  • 不動産(家、土地)売却後の登記手続きがスムーズに進まなかった

特に、不動産購入後に隠れた欠陥(瑕疵)が発見されたとき、不動産の買主が「瑕疵担保責任」という重大な責任を負わなければならない場合があります。トラブルの元となる不動産の瑕疵は、雨漏りやシロアリ、土台や柱の腐食、地盤沈下、土壌汚染など、一目見ただけでは気づかないものばかりです。

トラブルとなってしまう個人売買の中には、売買契約の時点で、仲介業を得意とする不動産会社や、不動産相続の得意な弁護士などがチェックしておけば、未然に回避できたケースも少なくありません。紛争が裁判に発展してしまえば素人の手にはおえず、弁護士に依頼することとなります。

親戚・知人への不動産売却でも、仲介業者を依頼するケース

相続関連の不動産売却のケースでは、親戚や知人に売買することが既に決まっていることも多くあります。既に買主が決まっているのであれば、探す手間もなくあとは売買するだけですから、仲介業者を依頼する必要はないように思えます。

しかし、親戚や親子、知り合いへの不動産売却でも、仲介業者を依頼するケースがあります。「餅は餅屋」、お悩みのときは、専門家(プロ)に依頼したほうがよい場合もあります。

たとえ仲の良い親戚、知人であっても、「お金の問題」が絡むと、感情的なトラブルが起こる可能性は常にあります。例えば、次の通りです。

よくあるご相談

不動産を個人で親戚に売却したが、「相場より高いのではないか」と言われた
不動産を個人で知人に売却したが、あとから見えない瑕疵(雨漏り・シロアリなど)が発覚した
不動産を個人で知人に売却したが、必要書類が足りず登記(名義変更)できなかった

このような物件の瑕疵、売買金額の決定などで無用な争いを招いたり、相続を「争続」とすることのないよう、既に知人や友人で買主が見つかっている場合でも、仲介手数料を支払って不動産会社に依頼するメリットがあります。

事情によっては、不動産会社の手間が少ない場合には、仲介手数料を割引してくれたり、無料にしてくれたりする業者もあります。

参 考
不動産会社との仲介契約の種類(一般・専任)は、こちらをご覧ください。

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いかがでしたでしょうか。

今回は、不動産を個人で売却する方法と、その際のメリット・デメリット、注意点などを、弁護士が解説しました。個人で売却すれば仲介手数料の負担がかからないものの、デメリットも多く、特に、高額な不動産取引の場合には、専門家(プロ)に依頼することがお勧めです。

仲介手数料を浮かせたつもりが、実際には買主を探すための広告費が多くかかったり、売買後にトラブルとなって損失がかさんだりといったことのないよう、その事案に即した売却方法を選択しなければなりません。

「相続財産を守る会」では、相続の生前対策、相続税の節税対策などによる不動産売却を、弁護士、税理士、不動産会社がパートナーとなって、より有利に、かつ、経済的に得となるような売却プランを、個別のケースに応じてアドバイスできます。

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