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親が連帯保証人のとき、相続する?相続放棄する?対応と注意点4つ

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お亡くなりになったご家族(被相続人)が、借金の連帯保証人となっていたとき、相続人の立場として連帯保証人としての重い責任を負ってしまうのではないかと不安な方も多いのではないでしょうか。

連帯保証人の責任とは、借金をしている本人と同等の重い責任です。借金をした本人(債務者)が返済をできない場合はもちろん、そうでなくても、本人と同様に返済を行わなければならない義務を、連帯保証人は負うからです。

そもそも、親がお亡くなりになって初めて、連帯保証が存在することを知った、という事態とならないよう、生前対策が重要となります。今回は、連帯保証と相続の関係、注意点について、相続に強い弁護士が解説します。

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そもそも連帯保証とは?

「連帯保証」とは、「保証」の一種であり、特に責任の重いものです。お金を借りた本人(主債務者)が借金を返せなくなったときに代わりに返済するのが「保証」ですが、その中でも、「主債務者の代わり」ではなく、「主債務者と同等」の責任を負うのが「連帯保証」です。

連帯保証をする人のことを「連帯保証人」といいます。連帯保証人が、単なる保証人よりも責任が重いのは、連帯保証人には次の3つの「抗弁」が認められていないからです。つまり、単なる保証人よりも、借金を取り立てる債権者に対して行える反論が少ないのです。

結論から申しますと、連帯保証人は、借金の債権者が返済を要求してこれば、これを拒絶するための反論がとても少なく、原則として、いつでも、すぐに、全額返済しなければならないに等しい重い責任だとお考え下さい。

連帯保証人は「催告の抗弁」ができない

「催告の抗弁」とは、借金の債権者が、保証人に対して「お金を返せ」と請求したときに、「まずは主債務者に請求をしてほしい」と反論する権利のことです。

連帯保証人には、「催告の抗弁」を行う権利がないため、借金の債権者が、主債務者(借金をした本人)よりも先に連帯保証人に請求しても、連帯保証人は返済を拒絶することができません。

連帯保証人は「検索の抗弁」ができない

「検索の抗弁」とは、借金の債権者から保証人が、「借金を返せ」と請求されたときに、「主債務者に返済資金があるかどうか調べてほしい」と請求する権利のことをいいます。

連帯保証人には、「検索の抗弁」を行う権利がないため、主債務者(借金をした本人)が借金を返せるだけのお金を持っていようがいまいが、連帯保証人も同様に借金を返済する義務を負います。

連帯保証人には「分別の利益」がない

「分別の利益」とは、保証人が複数いるとき(共同保証)に、保証人の頭数に応じた分の責任しか負わないという利益のことをいいます。つまり、単なる保証人であれば、3人で保証をすれば、1人の保証人の責任は借金の3分の1です。

連帯保証人には「分別の利益」がないため、借金の債権者が、連帯保証人に対して借金の全額を支払うように請求した場合には、他にも保証人がいたとしても、借金の全額の支払を拒否することができません。

連帯保証人の地位は相続される

「相続」は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産もあわせて相続します。法律上の地位も、本人と同様に包括的に相続人に移るものとお考え下さい。

そのため、連帯保証人の地位もまた、相続の対象となります。つまり、親(被相続人)が、ある借金の連帯保証人となっているとき、子(相続人)もまた、連帯保証人の地位を相続により受け継ぎます。

連帯保証人の地位は、相続放棄できる

ここまでお読みいただければ、連帯保証人の責任がどれほど重大なものであって、相続のときに注意しておかなければ思わぬ重い責任を負いかねないことをご理解いただけたのではないでしょうか。

連帯保証人の地位は、相続の際に、プラスの財産に付随して承継されるものですから、「相続放棄」することによって、相続を回避することができます。

相続放棄とは、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることで行う、はじめから相続人ではなかったものと取り扱われて、相続しなくなる手続です。相続人は、「相続開始を知ったときから3か月」以内に、限定承認、単純承認、相続放棄のいずれかを選択する必要があります。

ただし、相続放棄をした場合、連帯保証の責任は回避できるものの、これと共に、相続財産(遺産)を得る権利も失うこととなります。そのため、相続財産(遺産)が多くあり、連帯保証人の責任を追及されたとしても財産から十分支払えるという場合には、相続放棄は得策ではありません。

参 考
相続放棄したほうが得かどうかの判断基準は、こちらをご覧ください。

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連帯保証と相続の4つの注意点

連帯保証が非常に重い責任であって、連帯保証の対象となっている債務の内容、債務額と、相続できるプラスの財産の内容、財産額などを慎重に調査して「連帯保証人の地位を相続放棄すべきかどうか」を検討する必要があることをご理解ください。

その上で、最後に、連帯保証と相続の注意点について、弁護士が解説します。

親の借金を子が連帯保証したら?

相続は、プラスの財産とマイナスの財産を合わせて相続するものであって、マイナスの財産の中には、債務(借金・ローン等)のほか、連帯保証人としての責任も含みます。

これらのマイナスの相続は、相続放棄をすることで、承継しないように対策することができるのですが、親の生前の借金を、子が連帯保証する際には、相続によってはなくすことのできない責任を負う覚悟が必要となります。

つまり、親の生前の借金について、子が連帯保証人となる場合には、親の借金を相続することは「相続放棄」によって回避することができますが、子自身の連帯保証の責任はなくなりません。

連帯保証人の責任は、たとえ借金をした本人(主債務者)が死亡しても消滅することはないため、注意が必要です。

参 考
相続と借金返済の関係について、詳しくはこちらをご覧ください。

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相続放棄の期限経過後に連帯保証に気づいたら?

相続放棄には、「相続開始を知ってから3か月」という期限があります。この3か月の期限を「熟慮期間」と呼び、熟慮期間内に相続放棄もしくは限定承認の申述を家庭裁判所に行わないときは、単純承認したものとみなされます。

しかし、親が子には知らせずに何らかの借金の連帯保証人になっていた、というケースは少なくありません。ご家族がお亡くなりになり、数か月してからはじめて、借金の債権者から連帯保証人宛の請求書が届いた、というケースです。

相続開始を知ってから3か月が経過した後だと、相続放棄はできないのが原則ですが、親が連帯保証人となっており、連帯保証の責任を相続するという事実を知らなかったために相続放棄をしなかった、というケースでは、例外的に相続放棄が可能な場合もあります。

相続開始後3か月経過した後の相続放棄手続は、その理由を裁判所に対して適切に説明する必要があるため、相続を得意とする弁護士など専門家にお任せください。

参 考
相続手続の期限と、過ぎてしまった場合の対応方法は、こちらをご覧ください。

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親子揃って連帯保証人になっていたら?

親子がそろって、連帯保証人となっていたケースはいかがでしょう。例えば、家族経営の事業を行っており、事業上の債務について、社長である父親と、跡継ぎである長男が、共同で連帯保証人となっていたケースを考えてみてください。

この場合、親が亡くなった後、その連帯保証人としての地位を相続人が引き継ぎますが、一緒に連帯保証人となっていた長男は、いずれにしても連帯保証人としての責任を負わなければなりません。

連帯保証人には「分別の利益」がないと先ほど説明した通り、共同の連帯保証人が何人になろうとも、長男は連帯保証人として、請求されれば借金の全額を返済しなければならないからです。

また、さきほどの例では、相続人が複数いる場合には、事業承継も絡んで、非常に複雑な権利関係となる可能性があります。事業承継と、事業上の借金の連帯保証が絡む困難な事案では、相続・事業承継に強い弁護士のサポートが重要です。

他の連帯保証人に請求できる?

あなたが、親の連帯保証人としての責任を相続して、債権者の請求にしたがってその借金を全額支払ったとき、他にも共同で連帯保証人がいる場合には、一部でも負担してほしいと考えるのではないでしょうか。

連帯保証人間で、負担割合に応じて請求する権利のことを「求償権」といいます。さきほど解説したとおり、連帯保証人には「分別の利益」が認められませんが、全額払った場合には、他の連帯保証人に対して「求償権」を行使できます。

ただし、親の連帯保証人としての責任を、相続人複数名で共同して相続した場合に、他の相続人が「相続放棄」してしまうと、求償権の行使はできません。

相続問題は、「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか?

今回は、親が借金の連帯保証人になっていたとき、連帯保証の重い責任を負わないためにも、相続財産調査、相続人調査を素早く行い、相続放棄の3か月の期限を見逃さないようにしなければなりません。

また、相続放棄によって回避できない、自分自身の連帯保証人の責任を負ってしまったり、相続放棄ができない重大な財産がお亡くなりになるご家族(被相続人)の手元に残ってしまわないよう、相続の生前対策が特に重要となります。

「相続財産を守る会」では、弁護士が、相続調査を行い、連帯保証人としての責任の絡む難しい事案についても、思わぬ損失を被ってしまわないようサポートします。

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