年末年始や正月休みであっても、ご家族の死は突然おとずれます。容体が不安定なご家族をお持ちの方は、十分に覚悟をし、万が一年末年始・正月休みにご家族の死がおとずれたらどうしたらよいかを理解しておきましょう。
特に、余命宣告されたり、重篤な症状であったりする場合、冬の寒さを乗り切れず、年末年始や正月にお亡くなりになってしまう方は、残念ながら毎年少なくありません。年末年始・正月におとずれた訃報にどう対応したらよいのでしょうか。
そこで今回は、年末年始、正月休みに、ご家族がお亡くなりになった場合の、通夜・葬式の方法や、遺体安置などについて、相続に詳しい弁護士が解説します。
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年末年始・正月に亡くなったら、葬式はいつ?
年末年始・正月に亡くなったとしても、葬儀社は粘稠無休の会社、年末年始休みではなく通常営業している会社があるため、葬儀(葬式・通夜・告別式など)をとり行うことができます。
ただし、一般的に、世間的にはお祝いムードである三が日(1月1日~1月3日)の葬儀は避ける傾向にあります。いったん、ご家族、身内だけで密葬・家族葬を行い、1月4日以降に葬儀をとり行うこともあります。
また、葬儀を行うことができたとしても、年末年始・正月は、火葬場が休業日であることが多いため、ご遺体を火葬することができません。年が明けても、休業日前後は込み合って火葬の予約がとりにくいこともあります。
この場合、葬儀社、病院などに相談をし、お亡くなりになったご家族の遺体の安置先を確保しなければなりません。
年末年始・正月に行う葬儀の方法は?
年末年始・正月に行う葬儀(通夜・告別式・葬式など)も、葬儀内容自体は、通常と変わりありません。ただし、遺体の安置が必要であったり、繁忙期であったりすることで、通常と比べて高額な追加費用のかかることないよう、葬儀社には見積もりの提示をお願いしましょう。
年末年始・正月に葬儀を行ってはならないというルールはありませんが、近親者、身内のみで密葬・家族葬を行い、年が明けてから本葬を行うケースもあります。世間がお祝いムードのときに訃報の報告をして迷惑をかけたくない、と希望される遺族の方も多いためです。
年明けに行う会は、「お別れ会」、「偲ぶ会」など、葬儀とは別の方法で行うことも考えられます。日程が決まったら、生前にお世話になった友人、知人、職場の方などに連絡をしましょう。
ただし、地域の風習、ご家庭の慣習、宗派のやり方などがある場合には、事前に確認をしておいたほうがよいでしょう。
年末年始・正月に亡くなったときの連絡先は?
「もってあと数日の命です。」と医師から告げられていた場合、年末年始・正月にご家族がお亡くなりになる可能性に備えて、事前に、関係する各所に連絡をとっておくことをお勧めします。
そこで、年末年始・正月にお亡くなりになる可能性のあるご家族を抱える方に向けて、事前に早めに連絡をしておいてほしい連絡先と対応方法を、弁護士がまとめました。
葬儀社への連絡
葬儀社は、24時間年中無休で営業している会社が多いため、年末年始・正月にご家族がお亡くなりになってしまったときの緊急対応をしてくれる先として頼りになります。
特に、年末年始・正月には火葬場が休業していて火葬ができないことから、遺体を安置しておく必要がありますが、葬儀社では、遺体の取り扱いについても相談にのってくれる場合が多いです。
火葬場が営業するまでの間、遺体を衛生的に保全するための措置(エンバーミング)を提案してくれる葬儀社もあります。費用などは事前に明確に説明を受けるようにしてください。
菩提寺への連絡
菩提寺がある場合には、お亡くなりになる前に、あらかじめ菩提寺に連絡をしておきましょう。葬儀の際に、僧侶に読経をお願いしますが、僧侶もまた年末年始・正月に予定があったり、他のお亡くなりになった方の葬儀対応で忙しいことがあるからです。
市区町村役場の手続き
ご家族がお亡くなりになると、死亡届などの手続きを、決められた期限内に行わなければなりません。例えば、死亡届は、ご家族の死亡を知ってから7日以内に役所に提出することが必要です。
死亡直後に行わなければならない公的な手続きには期限が設定されていることから、市区町村役場には、年末年始・正月でも受け付けてくれる夜間・休日窓口が用意されています。
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金融機関の手続き
年末年始・正月は、銀行をはじめとした金融機関も休業日となります。そのため、年末年始・正月に現金が必要になったとしても、出金できないことがあります。
ご家族がお亡くなりになった際に、菩提寺の僧侶へのお布施、葬儀社への支払い、遺体安置にかかる費用など、出費が必要となることが多いため、年末年始・正月休みに入る前に、あらかじめある程度の現金を引き出して手元に置いておくことがお勧めです。
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弁護士への連絡
ご家族がお亡くなりになると、相続が開始されます。年末年始、正月休み中にお亡くなりになり、「突然相続の問題など、すぐには考えられない。」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、通夜、告別式の際など、親戚が一同に会すると、お亡くなりになった悲しみはわきに置かれて、相続の話し合い(遺産分割協議)を始める親族がいることも少なくありません。
事前に相続対策、節税対策を十分に行い、話し合いをしっかり行っていたご家庭はさておき、そうでない場合には早めに相続問題についても、弁護士に法律相談しておいてください。
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いかがでしたでしょうか?
今回は、相続問題から少し離れて、年末年始、正月休みを迎えるにあたって、年末年始や正月の最中にご家族がお亡くなりになってしまったときの葬儀(通夜・告別式・葬式など)の対応などについて、弁護士がまとめました。
ご家族の死亡は、いつおとずれるか予想することはできず、ある日突然お亡くなりになり、相続が開始されます。突然の相続開始にもあわてることのないよう、生前に早めに、相続対策・節税対策をしておくことが重要です。