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遺産分割

遺産分割に期限はある?相続で注意すべき「期限」を弁護士が解説!

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「遺産分割」とは、亡くなった方(被相続人)の遺産を、相続人の間で分ける手続きです。

ご家族がお亡くなりになった後、多忙であったり、遺産分割協議が円滑に進まないまま放置されたりした結果、遺産分割が長期間にわたって行われず、不動産の登記が亡くなった方のままとなっているような事例があります。

結論からいうと、「遺産分割」自体に期限はありません。しかし、いつまでも遺産分割を行わずに放置しておくとデメリットも多くあります。というのも、遺産分割に付随するいくつかの相続手続きには、明確な期限があるからです。

そこで今回は、遺産分割と、相続の際に注意しておくべき期限について、相続に強い弁護士が解説します。

「遺言」の人気解説はこちら!

遺言

2018/12/22

遺言書を失くしたら?紛失したら?再度作成し直す方法・注意点は?

せっかく作成した遺言書を失くしてしまったら、どうしたらよいのでしょうか。遺言書は重要な書類であり、自分が死んだ後の相続財産の分け方について、自分の意向を反映させるものですから、保管、管理は万全にしなければなりません。 しかし、火災や地震、引っ越しなどの際に遺言書の紛失はどうしても起こってしまう可能性があります。遺言書を失くしてしまったとき、紛失したときの対応は、自筆証書遺言か、公正証書遺言かによっても異なります。 そこで今回は、遺言書を失くしたとき、紛失したときの対応と、再度作成しなおす方法・注意点を、相 ...

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遺言

2018/12/30

遺言書と異なる内容の遺産分割協議はできる?できない4つのケース

ご家族がお亡くなりになって遺言書が発見されたとき、故人の遺志を尊重してあげたいものの、どうしても納得いかない内容の遺言が残されていたという相続相談があります。 遺産分割協議とは、遺産の分割方法を、相続人全員で話し合い、相続人全員の合意のもとに相続財産(遺産)を分け与える手続きのことをいいます。 他の相続人も、遺言書の内容にどうしても従いたくない場合には、遺言書の内容とは異なる内容の遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成することができるのでしょうか。できるケース、できないケースについて、相続に詳しい弁護士 ...

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遺言

2018/12/22

遺言執行者とは?2018年の法改正で権限が明確化!

相続財産(遺産)を、大切な家族やお世話になった方にどう分けてもらうかを生前に決めておく方法に、「遺言」の制度があります。遺言の中に、不動産は配偶者(妻や夫)に、預金は子どもに、などと財産の分け方を書いておくのです。 財産の分け方を遺言で決めても、いざ遺言者がお亡くなりになると、財産を遺言書どおりに分けるための手続きが必要です。 遺言に書かれた内容を実現する行為を、「遺言の執行」と呼び、この遺言の執行をする役割を負う人のことを、「遺言執行者」といいます。 2018年(平成30年)7月の相続法の改正で、遺言執 ...

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遺言

2018/12/19

遺言能力とは?遺言が有効にある場合、無効になる場合の判断基準

遺言能力とは、遺言を有効に行うことができる能力のことをいいます。相続の生前対策で、「遺言を残しておいた方がよい」というアドバイスをよく受けるかと思います。しかし、遺言能力のない状態で残した遺言書は、無効です。 せっかく相続税対策、揉めない遺産分割対策などの目的で残した遺言が無効となってしまわないためにも、遺言能力があるかどうか、の判断基準をしっかり理解してください。特に、認知症にり患してしまった後の遺言書作成には要注意です。 また、相続人の立場でも、不利な遺言が残っているとき、「遺言能力のない状態で作成さ ...

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遺言

2018/8/8

自筆証書遺言が作成しやすくなりました!【2018年法改正】

「遺言を作ろう。」と考えている方に朗報です。 2018年7月に、相続分野の法律が改正されました。これによって、2019年からは、遺言が、より簡単に残しやすくなります。 というのも、「遺言」とひとことでいっても、「遺言」にはいろいろな形式があり、それぞれの形式ごとに、満たさなければならない要件があります。 「遺言」の法律上認められる要件を欠いてしまうと、せっかく遺言を作ったのに、お亡くなりになった後に「無効」となってしまい、「遺言」を作成した意思が実現できなくなってしまいます。 今回のテーマである「自筆証書 ...

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遺言

2019/1/14

【2019年1月13日施行!】自筆証書遺言の財産目録の改正ルール【完全版】

2018年7月の相続法の改正で、自筆証書遺言の作成ルールが変わります。 この改正は、2019年(平成31年)1月13日に施行されます。施行日に、この記事は修正しました。 遺言書は、のこされる家族などのために、自分の財産の分け方を決めておくための、大切な文書です。せっかく作った遺言書を後から無効とされてしまわないように、正しい作成方法を知っておくことが重要です。 今回は、この自筆証書遺言の作成ルールの変更について、施行日直前ということで詳しい解説を、相続に強い弁護士が解説します。 目次1 そもそも自筆証書遺 ...

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遺言

2019/1/5

親に遺言書を書いてもらう方法・テクニック7つ【弁護士解説】

15歳以上の人は、遺言を残す能力(遺言能力)がありますが、遺言を書くも書かないも遺言者の自由であって、実際には、遺言書を書かずにお亡くなりになる方も大勢います。「遺言自由の原則」があるからです。 しかし、お亡くなりになる方(被相続人)にとっては、「自分の死亡した後のことは、子に任せる」という方もいますが、実際に家族が亡くなったとき残された者の立場では、遺言書がないととても手間がかかったり、「争続」となって丸く収まらないことも少なくありません。 「遺言書の話は気が重い」、「死後の相続のことを生きているうちに ...

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遺言

2019/1/6

複数の遺言書が発見!対応は?どれが優先?【弁護士が解説!】

遺言書とは、お亡くなりになったご家族の、相続財産の分け方についての意向を示す、とても重要な書類です。その効果は絶大で、民法に定められた法定相続分よりも、遺言書に書かれた指定相続分が原則として優先します。 しかし、尊重されるべき重要な書類である遺言書が、複数発見されたとき、どのように対応したらよいでしょうか。どの遺言書にしたがえばよいのでしょうか。優先順位などはあるのでしょうか。特に、全ての遺言書の内容が全く違い、相反するとき混乱することでしょう。 遺言書は、お亡くなりになった方(被相続人)が熟考に熟考を重 ...

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遺言

2018/7/27

遺言は作り直せる?自筆証書遺言の修正・変更の5つのポイント

あなたは、遺言を作っていますか? 「遺言」は、遺言をのこす人が、ご家族や、お世話になった人などのために、遺言をのこす人の「想い」にそって財産をわたすための、大切な手紙のようなものです。 「遺言」を、書面の形で示したのが「遺言書」ですが、「遺言書」は、自分ひとりで書くもの(「自筆証書遺言」といいます。)でものこすことができます。 私達弁護士が相続についての法律相談を受けて、このような話をすると、「実は仏壇の下に・・・」など語りだす方も少なくありません。 しかし、ご自分ひとりで書く「自筆証書遺言」は、専門家が ...

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遺言

2019/3/5

夫婦で一緒に遺言書を作成するときの注意点と、共同遺言の禁止

相続対策を検討するとき、相続問題は、ある1人の問題ではありません。ご家族全体の問題であるという自覚をもって、家族全員で話し合いをしながら、遺言書の作成など生前対策を進めるのはとても効果的です。 しかし、夫婦で一緒に遺言書を作成しようと考えるときには、注意点があります。それは、「共同遺言」が禁止されているということです。 夫婦の相続財産(遺産)の行方について、将来のことは未定ですので、「原則として配偶者(夫や妻)に残す。しかし、配偶者が死亡している場合には、長男に残す」と遺言したいとき、どのように進めたらよ ...

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遺言

2018/11/7

自分で遺言書を作成する方法と注意点を、弁護士が解説

遺言書を作成しておくことで、未然に防げる相続トラブルは多くあります。遺言を作成するのに、早すぎるということはありません。 遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種がありますが、今回は、最も簡単に作成でき、自分ひとりで作成できる「自筆証書遺言」を作成する方法と注意点を、相続に強い弁護士が解説します。 よくある相続相談 自分で遺言書を作成する方法を、手順に応じて知りたい。 自分で遺言書を作成しても無効にならないための注意点を知りたい。 遺言がない場合には、相続は法律のルールどおりに行われ、相続 ...

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遺言

2019/2/8

「相続させる旨の遺言」とは?遺贈との違いは?弁護士が詳しく解説!

遺言書においてひんぱんに登場するのが、「不動産は妻に相続させる」、「A銀行の預金は長男に相続させる」といった、「~を相続させる」という言葉です。このような内容の遺言は「相続させる旨の遺言」と呼ばれます。 遺言書において特定の財産を特定の方に与える方法には、「遺贈(いぞう)」もあります。正確には、特定の財産を与える遺贈は、「特定遺贈」と呼びます。 では、「相続させる旨の遺言」と「遺贈」は、どのように違うのでしょうか。遺言書において「相続させる」と書いた場合に、どのような意味があるのでしょうか。 遺言をのこさ ...

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遺言

2018/10/23

【弁護士が解説する】秘密証書遺言とはどんな遺言?作成方法は?

秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にしながら、遺言書が存在することのみを公証人に認証してもらって作成する、遺言方法の1つのことをいいます。 秘密証書遺言は、その他の遺言方法である自筆証書遺言、公正証書遺言に比べて、利用されるケースが非常に少ないですが、秘密証書遺言を活用することができるケースも少なくありません。 よくある相続相談 遺言の内容を秘密にしたいが、「自筆証書遺言」の厳しい要件を満たしているか不安・・・ 遺言の存在を知らせ、遺産分割協議に反映してほしいが、内容は自分が死ぬまで秘密にしてほしい。 ...

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遺言

2018/11/7

不公平な遺言書は有効?無効?公平に相続財産をもらう方法は?

あなたにとってあまりにも不公平な内容の遺言書が残っていたとき、「この遺言書は無効なのではないか。」と納得がいかない相続人の方から、ご相談を受けることがあります。 結論から申しますと、遺言書は、「不公平である。」という理由だけで無効になることはありません。すなわち、不公平な遺言書もまた、「遺言は有効である。」ということです。 一方で、不公平な遺言書によって権利を侵害された相続人が、少しでも公平に相続財産(遺産)をもらう方法として、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」があります。 しかし「遺留分減殺請求 ...

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遺言

2018/12/7

遺言を残さないと危険?遺言書を絶対に書いておくべき人とは?

「遺言を書いておいたほうがよいのでしょうか?」という相続相談が、弁護士のもとに多く寄せられています。結論からいうと「遺言を書かないほうがよい」という人はいません。 相続人も相続財産も、相続債務も全くない、という人でない限り、「遺言を書いた方がよい。」というアドバイスを差し上げることとなります。むしろ、「遺言書かないと危険だ」というリスクある方もいます。 今回は、その中でも「絶対に遺言書を書いておいた方がよい(むしろ、遺言を書かないと不利益がある、損をする)」と強くお勧めしたい方について、相続に詳しい弁護士 ...

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遺言

2018/12/6

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較!結局どちらがいい?弁護士が解説

数ある遺言書の種類のうち、特によく利用されているのが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。この2つの遺言については聞いたことがある方が多いでしょう。他方、秘密証書遺言や緊急時の遺言の利用頻度は非常に低いです。 自筆証書遺言にも公正証書遺言にも、いずれもメリット、デメリットがあると解説されています。メリット、デメリットとして非常に多くの項目を比較していくと、結局どちらを利用したらよいかわからなくお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回は、ご状況に合わせて結局自筆証書遺言と公正証書遺 ...

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遺言

2018/12/6

遺言書がトラブルの原因となるケースと解決法を、弁護士が解説!

相続の生前対策として「遺言書を書くこと」がよくあげられます。しかし、お亡くなりになったご家族残していた遺言が、かえってトラブルの原因・発端となることもあります。 「遺言書がなくて遺産分割でもめた」という話はよく聞きますが、逆に「遺言があったことでもめた」という相続相談も、弁護士のもとには多く寄せられています。遺産分割でもめると、相続税申告、相続登記などにも影響します。 そこで今回は、遺言書がかえってトラブルの原因となるケースと解決法を、相続に詳しい弁護士が解説します。遺言書は、争い回避の手段ですが、不適切 ...

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遺言

2019/4/15

公証人に出張してもらい、公正証書遺言を作成する方法は?

遺言書を書こうにも、高齢や病気などが理由で、なかなか外に出ることができないという方がいます。 遺言の中でも「自筆証書遺言」という形式であれば、自分ひとりで、自宅で作成することが可能なのですが、「自筆証書遺言」は、「全文手書きでなければならない」など、有効とするための要件が厳しく設定されており、要件を満たさなければ遺言が無効となってしまいます。 これに対して、公証人につくってもらう「公正証書遺言」の場合には、公証役場まで出向かなければならないことが原則です。 そこで今回は、「遠出は難しいけれど、公正証書遺言 ...

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遺言

2018/11/26

遺言書の調査方法(調べ方)と検認手続のポイントを弁護士が解説!

「遺言書」が、相続において非常に重要であることは、一般の方でもご理解いただけているのではないでしょうか。遺言が存在する場合には、民法の原則にしたがわない遺産分割を行わなければならないことが多いからです。 しかし、遺言書の存在を、全ての相続人が知っている場合は、むしろ稀かもしれません。 よくある相続相談 相続人の一部の人が、自分に有利な公正証書遺言を書くよう強要した。 相続人に知られず作成された自筆証書遺言が仏壇から発見された。 自筆証書遺言で必要となる検認手続について知りたい。 身近な相続人すら知らなかっ ...

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遺言

2019/1/18

2018年相続法の改正で変わる、遺言制度の見直し【弁護士解説】

2018年(平成30年)に行われた、民法のうち相続法に関する部分の重要な法改正について、今回は「遺言制度の見直し」という側面から解説していきます。 遺言制度に関して、今回の法改正で変更があった点は、次の4つです。 ポイント 自筆証書遺言の方式の緩和 自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の創設 遺贈の担保責任等 遺言執行者の権限の明確化 特に今回の改正では、自筆証書遺言の様式の緩和によって、遺言が作りやすくなり、また、法務局での保管制度が創設されたことにより、検認手続も不要となったことから、自筆証書遺言が増加 ...

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相続財産を守る会を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所では、相続問題と遺産分割のサポートに注力しています。

弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野です。

お亡くなりになったご家族が遺言を残していたり、相続財産が多くあったりする場合、遺産分割にすぐ着手し、相続をするのが一般的ではないでしょうか。

しかし、相続財産があまりないと思って着手しなかったとか、相続手続きの期限を知らずに放置していたりする相談者もいます。お亡くなりになった方の相続手続きが終了していないのでは?と疑問の方は、ぜひご相談ください。

遺産分割には期限がない

遺産分割そのものに、法律上の期限はありません。1年後でも、5年後でも、10年後であっても遺産分割をすること自体は、法律上可能です。

ただ、今回解説するように、相続に関連する手続きの中には、あらかじめ遺産分割をしておかないと不利益が生じてしまうものもあります。そのような手続きの期限が来る前に、遺産分割を行うべきでしょう。

また、期限がないとはいえ、遺産分割をせずに長期間放置しておくと、相続財産(遺産)が共有のままとなり、自由に利用したり処分したりできなくなります。

相続財産(遺産)が共有状態だと、現金が必要な場合でも、不動産を売却できなかったり、預貯金債権の払戻しを受けることができない可能性があります。

参 考
遺産分割の種類と手続・方法の種類は、こちらをご覧ください。

親などの家族がお亡くなりになり、相続人が複数いるとき、他の相続人との間で相続財産を分けるためには、遺産分割をしなければなりません。 遺産分割の流れは、遺言書の有無の確認、相続人の確定、遺産分割協議、遺 ...

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【3か月以内】相続放棄の期限

相続放棄とは、文字通り、相続人が相続を放棄すること、つまり相続しないことをいいます。

相続放棄は、家庭裁判所で相続を放棄するという意思表示をする方法で行いますが、この家庭裁判所への申述手続には、「3か月以内」という期限が存在しています。

相続放棄をしたほうがよいかどうかは、相続財産を調査し、その結果によって判断しなければならず、期限内に行わなければならない点で一番急がなければならない手続となります。

参 考
「相続放棄をすべき場合かどうか?」については、こちらをご覧ください。

相続のしかたには、単純承認、限定承認、相続放棄の3種類があります。 相続放棄は、ほかの2つの方法(単純承認、限定承認)が、相続財産を引き継ぐことを前提としているのに対して、相続財産を引き継がないための ...

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相続放棄とは?

相続放棄をすると、亡くなった方がもっていた財産も、債務も、一切相続しないことになります。亡くなった方が財産が少ないのに多額の借金を抱えていた場合、相続をすると、相続人がその借金を返済しなければなりません。

このような場合に、相続放棄が行われます。

注意ポイント

一応相続はしたいと考えているが、債務がどのくらいあるか分からないという場合、「限定承認」という方法もあります。「限定承認」は、亡くなった方の相続財産の限度で亡くなった方の債務を返済する、という制度です。

ただし、限定承認は、共同相続の場合(=相続人が複数いる場合)には相続人全員が共同でしなければなりません。そのため、常にこの制度を利用できるわけではありません。

熟慮期間3か月とは?

相続放棄(限定承認も同じ)には、「熟慮期間」と呼ばれる期間があります。

相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月」以内にしなければならなりません。この期間は、相続するか、相続放棄をするか、限定承認をするか、を考えることができるので、「熟慮期間」と呼ばれます。

熟慮期間の起算点は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。

もっとくわしく!

例外として、相続人が未成年者であるか、または成年被後見人である場合は、熟慮期間の起算点は、これらの者の法定代理人(両親や成年後見人など)が、本人のために相続の開始があったことを知った時が起算点となります。

なお、成年被後見人の場合は法定代理人の認識した時点が基準となりますが、被保佐人の場合には、原則どおり、被保佐人自身の認識した時点が基準となりますので注意が必要です。

限定承認すべき場合と、手続・方法は、こちらをご覧ください。
限定承認すべき場合とは?限定承認の方法と手続の流れを弁護士が解説

限定承認について、その方法と手続を解説します。相続人は、相続が開始した時点から、お亡くなりになった方(被相続人)の一切の権利義務を承継します。 一切の権利義務の中には、プラスの相続財産(遺産)も含まれ ...

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熟慮期間を過ぎるとどうなる?

熟慮期間内に何もしないと、相続を「単純承認」したものと扱われます。つまり、財産も債務も、亡くなった方のものをあるがまま相続することになります。熟慮期間が過ぎてしまうと相続放棄や限定承認をすることはできません。

相続人が複数いる場合、それぞれの相続人ごとに、熟慮期間が算定されます。

たとえば・・・

A、B、C3名の相続人がいる場合、Aの熟慮期間が過ぎてしまうと、BやCの熟慮期間が過ぎていない場合でも、Aは相続放棄や限定承認をすることができなくなります。

Aの熟慮期間が過ぎたとしても、B,Cは自分の熟慮期間が過ぎていなければ相続放棄はできます。

相続放棄や限定承認をするかを決めるためには、相続財産の調査を行わなければなりません。また、相続放棄などをしないとしても、遺産分割をする前提として、財産や負債がどれくらいあるのかを調べる必要があります。

3ヶ月という熟慮期間は決して長いものではありませんので、遺産分割をすぐに行わない場合でも、亡くなった方の財産や債務の状況を調べることは、すぐに行うべきです。

熟慮期間を伸長する方法

熟慮期間は、利害関係人(典型的には相続人本人)または検察官が申し立てることで、家庭裁判所において、伸長できます。亡くなった方の財産状況の調査に時間がかか場合には、熟慮期間の伸長を検討すべきでしょう。

この申立てをすべき先の裁判所は、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続人が、熟慮期間の伸長の申立てをするとき、申立書のほか、最低限、以下の書類が必要です。申立てに必要な費用は、相続人1人につき収入印紙800円分と、手続きでの連絡用に使う郵便切手です。

ポイント

  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 熟慮期間の伸長を求める相続人の戸籍謄本

この他にも、申立てをしようとする者と相続人との関係に応じた書類(亡くなった方の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本など)が必要です。事前に裁判所に確認するのがよいでしょう。

【4ヶ月以内】準確定申告の期限

所得税の確定申告の必要な方がその年の中途で亡くなった場合には、その相続人は、死亡の年の1月1日から亡くなった日までに被相続人が得た所得金額と税額を計算して、申告・納付を行う必要があります。

この手続きを「準確定申告」といいます。

所得税の準確定申告は、税務署に申告・納付を行う手続きとなりますが、この手続きには「4か月以内」という期限が存在します。

準確定申告とは?

準確定申告を行う場合には、以下の書類を、亡くなった方の死亡当時の納税地の税務署長に提出します。

ポイント

  • 準確定申告書
  • 各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した「付表」

相続人が複数いる場合には、各相続人が連署して準確定申告書を提出するのが原則です。

ただし、相続人の一人が、他の相続人の氏名も書いた上で提出することもできます。この場合、申告書を提出した相続人は、他の相続人に、申告した内容を通知する必要があります。

準確定申告の期限とは?

準確定申告は、相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。

準確定申告が、2つの確定申告の期間をまたぐ場合には、どの期間の準確定申告をいつまでに行わなければならないか、次の例を見てご理解ください。

たとえば・・・

2018年分の所得についての確定申告をしなければならない人が、翌2019年1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合(たとえば1月下旬に亡くなった場合)には、2018年分と2019年分の両方について、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内準確定申告を行う必要があります。

なお、亡くなった方が個人事業者で、かつ、消費税の課税事業者であった場合には、同様に、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、税務署長に、消費税についての申告書を提出する必要があります。

4ヶ月の期限を過ぎたらどうなる?

期限内に準確定申告を行わない場合には、延滞税が課される可能性があります。

相続税の節税対策、生前対策などによって少しでも税金を少なくしようと努力しても、税金の納付・申告期限を理解していなかったり、怠ってしまったりしていれば、予想外の出費となってしまうおそれがあります。

【10ヶ月以内】相続税申告の期限

相続や遺贈などで取得した財産が「基礎控除額」を超える場合に、相続税の申告や納税が必要となります。「基礎控除額」の範囲内の相続であれば、申告も納税も必要ではありません。

相続税の申告・納付の手続にも、「10カ月以内」という期限が存在します。

相続税とは?

相続税とは、亡くなった方から相続人などが相続した財産に対して課される税金です。

「基礎控除額」として、「3000万円+600万円×相続人の人数」を越える相続財産(遺産)に相続税がかかりますが、一方で、これを超える価額の財産を相続する場合でも相続税がかからない場合もあります。

たとえば・・・

「配偶者の税額軽減」の制度(配偶者が法定相続分で相続するか、あるいは1億6000万円以下の財産を相続する場合であれば無税)を利用する場合には、基礎控除額を越える財産にも相続税がかかりません。

ただし、この制度を利用する場合には、相続税はかかりませんが、相続税の申告は必要となります。

相続税の申告書の提出先は、亡くなった方の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、亡くなった方の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地が基準になるわけではない点に注意が必要です。

相続税の申告期限とは?

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に対して行う必要があります。

この期間内に遺産分割が完了していない場合でも、相続税の申告は行う必要があります。

申告期限までに申告をしなかった場合には、延滞税などが課される場合があります。

相続税の申告期限までに遺産分割が間に合わないとどうなる?

さきほど解説した「配偶者の税額軽減」は、配偶者が遺産分割等で実際に取得した財産をもとに計算されます。

そのため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は、原則として、税額軽減の対象になりません。

例外として、相続税の申告書等に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限から3年以内に分割したときも、税額軽減の対象になります。

この他にも、相続税に関しては、遺産分割が完了していることを前提として適用される税法上の特例があります。相続による税負担を軽減するため、遺産分割はできる限り早めに行うべきです。

また、相続税の申告期限までに遺産分割が完了していない場合には、法定相続分どおりに各相続人が相続したものとして相続税が課され、実際に税金を納付する必要が生じます。

実際に財産を相続したわけではないのに相続税を納付する資金が必要になりますので注意しましょう。相続税の申告や税負担の軽減方法については、相続税にくわしい税理士に相談するのがよいでしょう。

【1年以内】遺留分減殺請求の期限

遺留分(いりゅうぶん)とは、法定相続人に認められた、相続財産の最低限の取り分のことです。近しい相続人の権利を守り、その生活を保障するために定められた、民法上の制度の1つです。

たとえば、配偶者と子どもが相続する場合には、配偶者には、遺産の1/4が遺留分として認められます。

参 考
遺留分が認められる場合と、計算方法・請求方法は、こちらをご覧ください。

相続のときに、「相続財産(遺産)をどのように分けるか」については、基本的に、被相続人の意向(生前贈与・遺言)が反映されることとなっています。 被相続人の意向は、「遺言」によって示され、遺言が、民法に定 ...

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遺留分減殺請求権とは?

仮に、亡くなった方が遺言で子どもに全財産を相続させた場合には、配偶者の取り分がありません。この場合、配偶者は、1/4の遺留分を確保できなかったことになります。

このような状況を「遺留分の侵害」といいます。

遺留分を侵害された場合、侵害された相続人は、財産を得た者に対して、自分の遺留分に相当する財産を取り戻すための請求をすることができます。この権利を「遺留分減殺(げんさい)請求権」といいます。

遺留分減殺請求権の行使方法は、こちらをご覧ください。
遺留分減殺請求権の行使方法を、弁護士がわかりやすく解説!

相続が開始されたときに、相続財産をどのように引き継ぐ権利があるかは、民法に定められた法定相続人・法定相続分が目安となります。 しかし、お亡くなりになった方(被相続人)が、これと異なる分割割合を、遺言に ...

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遺留分減殺請求権の期限を過ぎるとどうなる?

遺留分減殺請求権は、相続の開始と減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと、その後は行使することができません。

また、相続開始の時から10年を経過した場合も、同様に権利を行使することができなくなります。

期限内の遺留分減殺請求権の行使の方法

遺留分減殺請求権は、裁判でなくとも行使することができます。もちろん、いきなり裁判を起こすことも可能です。

期限まで時間がない場合には、まずは遺留分を侵害するような贈与や遺贈によって財産を受け取った者に対して内容証明郵便を送って、権利を行使しましょう。

【2年以内】葬祭料・埋葬料の請求期限

国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、その亡くなった方の葬祭を行った方に、葬祭費が支給されます。金額は市区町村によって異なり、最高で7万円です。

また、健康保険の被保険者が亡くなった場合には、その亡くなった被保険者と生計維持関係にあった家族で埋葬を行った方に対して、埋葬料が支給されます。

これらのお金の請求期限は、葬祭を行った日、あるいは被保険者が亡くなった日から2年です。それを過ぎてしまうと請求はできません。

【3年以内】生命保険の死亡保険金の請求期限

生命保険の死亡保険金の請求は、被保険者が亡くなった日から3年以内に行わないと、時効によって請求ができなくなる可能性があります。

どのような生命保険がかけられているか、事前にご家族で情報共有をしておく必要があります。生命保険についての調査が必要な場合には、弁護士・司法書士など相続の専門家にお任せください。

【5年10ヶ月以内】相続税の還付請求期限

相続税の還付とは、払いすぎた相続税の返還を受けることです。

相続税は、被相続人が亡くなったことに対応しながら10ヶ月という短い期間に申告と納付をすませる必要があり、また過少申告に対しては税額の追加というペナルティもあるため、時に本来よりも多くの税金を納めてしまうことがあります。

納め過ぎた相続税の返還を受けるのが相続税の還付の手続きです。

相続税の還付手続の期限は、相続税の申告期限(相続開始を知った時から10ヶ月)から5年間、つまり、相続開始を知った時から5年10ヶ月以内です。

遺産分割サポートは「相続財産を守る会」にお任せください!

いかがでしたでしょうか?

今回は、「遺産分割に、期限はあるのでしょうか?」というご相談について、相続に強い弁護士が解説しました。遺産分割には期限がないものの、相続手続きの中には、気にしておかなければならない期限が多くあります。

そして、問題をより難しくしているのは、相続手続きにおいて注意すべき期限は、法律・税務・登記など、多くの分野にまたがって存在していることです。

弁護士だけの立場から、税理士だけの立場から、相続手続きの期限を見るべきでなく、期限を過ぎてしまって損をする相続にしないためには、さまざまな観点から相続問題を見て、期限を過ぎていないかチェックしなければなりません。

「相続財産を守る会」では、相続問題に強い弁護士はもちろん、税理士、司法書士など、多くの分野の専門家が在籍し、相続手続きをすべて一括してお任せいただくことができます。

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弁護士法人浅野総合法律事務所

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弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座(東京都中央区)にて、相続問題、特に、遺言・節税などの生前対策、相続トラブルの交渉などを強みとして取り扱う法律事務所です。 同オフィス内に、税理士法人浅野総合会計事務所を併設し、相続のご相談について、ワンストップのサービスを提供しております。

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