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遺留分侵害額請求権とは?遺留分侵害への対応が、法改正で変わる!

更新日:

相続問題が発生し、相続人間でトラブルになると、「もらえるはずの遺産がもらえなかった・・・。」という問題が発生します。

「もらえるはずの遺産」のことを「法定相続分」といいます。「民法」という法律に定められた、「相続できるはずの財産」のことです。

ご家族がお亡くなりになったとき、相続をあてにしていたのに、もらえるはずの遺産がもらえなかったら、どうしますか?

私たち弁護士のもとにも、次のような相続の相談が寄せられることがよくあります。

よくある相続相談


兄弟(姉妹)なのに、自分は全く遺産をもらえなかった。
亡くなった夫が、遺産のすべてを、夫が経営する会社を手伝っていた子どもに与えるという遺言書をのこしていた。
母が、財産のすべてを私たちの知らない人にあげるという遺言書をのこしていた。

特に、「遺言書」は、お亡くなりになったご家族の意思を尊重するために残すものですが、この「遺言書」によって、法定相続分が侵害されてしまうことがあります。

相続で遺産をもらうことができるのを予定して、住宅ローンなどを組んでいた場合、人生設計がくるってしまうことでしょう。

「遺留分減殺請求権」という方法によって、もらえるはずだった相続財産の一部を取り返すことができます。

注意ポイント

相続人が、もらえるはずだった相続財産の一部を取り戻すことができる「遺留分減殺請求権」は、2018年法改正によって改称されました。

2018年に相続法が改正され、「遺留分侵害額請求権」と名を変えた後も、相続されるはずの財産をもらえなかった相続人にとって、有効な手段です。

「遺産分割」の人気解説はこちら!

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2018/8/7

配偶者の取り分が増加?2018年法改正と「持戻し免除の意思表示」

2018年法改正で、「持戻し免除の意思表示」について、重要な改正がありました。 この「持戻し免除の意思表示」ですが、一般の方にはなじみの薄い専門用語ですので、今回の解説は、よくあるご相談内容をみながら、解説を進めていきます。 よくある相続相談 亡くなった夫が、「一緒に住んでいた自宅を私に与える」という遺言をのこしてくれていました。 自宅をもらえるのはありがたいのですが、自宅をもらってしまったために、逆に、預金や株式など、生活に必要な資金を十分にもらえませんでした・・・。 私たち夫婦は高齢なので、どちらかが ...

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2018/11/10

もめる遺産分割協議8パターン、揉める理由と対処法を弁護士が解説

「遺産分割協議」とは、法定相続人や、遺言によって相続人に指定された人が、相続財産(遺産)をどのように分けるかについて話し合いをする協議のことです。 遺産分割協議は、あくまで話し合いですから、円満に解決し、相続人全員の合意のもと、相続財産(遺産)が分割されることも少なくありません。 しかし、遺産分割協議のうち一部は、大きなもめごととなります。相続財産を分けるとき、遺産分割協議がもめる理由、原因ごとに、その対処法を相続に強い弁護士が解説します。 遺産分割協議のもめ事を未然に防ぐため、そして、いざもめてしまった ...

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2018/11/6

寄与分とは?認められる場合と計算方法を、弁護士が解説!

民法に定められた法定相続人・法定相続分の考え方は、一般的に公平な遺産分割の割合であるとされていますが、実際には、法定相続分以上の貢献を主張したい相続人がいることがあります。 法定相続分を越えて、相続財産の維持、増加に貢献したことを主張する相続人の相続分を増やし、公平な相続を実現する考え方が、寄与分の考え方です。 よくある相続相談 長男は家業を手伝ったが、次男は生活費を入れなかったので、長男に多く相続してほしい。 長女が特に、被相続人の老後の看護を行ったので、長女に多く相続してほしい。 相続財産の大部分は、 ...

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2019/1/4

遺留分の放棄はできる?方法・手続と注意点を弁護士が解説!

他の相続人にあらかじめ遺留分を放棄させたい、もしくは、「争続」を回避するために、遺留分を放棄したい、という相続相談が、弁護士のもとに寄せられます。しかし、遺留分の放棄は、(特に、ご家族がお亡くなりになる前には)容易ではありません。 遺留分の放棄は、ご家族がお亡くなりになる前に行うものについては、強制的に、無理やり放棄させられてしまう場合に備えて、本人の意思では自由には行えないことになっています。「相続放棄」とも間違えやすいですが、区別して理解してください。 遺留分の放棄をすると、放棄した人は相続人となるこ ...

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2018/12/12

遺産相続に強い弁護士に、相談・依頼する6つのメリット

遺産相続トラブルを抱えている方から、「弁護士には敷居が高くて相談できない。」とか、「弁護士に相談するととても高額の費用がかかるのではないか。」といったお声を聞きます。 確かに、遺産相続トラブルを自分たちだけで解決をできることもありますが、家族内では解決できないほど紛争が激化してしまったとき、遺産相続を解決した実績の豊富な、相続に強い弁護士に相談したり、依頼したりすることはとても有益です。 そこで今回は、遺産相続トラブルを抱えて、弁護士に相談しようかお悩みの相続人の方に向けて、その相続問題を弁護士にご相談い ...

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2018/11/13

相続財産をもらいすぎた人への対応は?特別受益で調整する方法

遺言や、お亡くなりになった方の生前の贈与によって、相続財産(遺産)をもらいすぎの人がいるとき、相続人はどのように対応したらよいのでしょうか。 相続財産を守る会には、「特別受益」に関する次のようなご相談がよく寄せられます。 よくある相続相談 兄が親と同居しており、親が亡くなる前に多額の生活費をもらっていた。兄は相続財産をもらいすぎではないか? 妹は結婚の際に多額の支度金をもらっていたが、自分はもらわなかった。妹だけお金をたくさんもらって不公平ではないか? 他の相続人から「遺産をもらいすぎだ」と言われているが ...

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2018/10/25

代襲相続とは?範囲・割合をケースごとに弁護士が解説!

「代襲相続」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「代襲相続」を知ることによって、いざ相続が発生したとき、誰が、どれだけの遺産(相続財産)を相続できるかがわかります。 通常、相続が発生したときには、民法という法律に定められた相続人である「法定相続人」が相続をするのが原則となります。 しかし、「法定相続人」が、相続が発生したとき、既に死亡してしまっていた場合に発生するのが「代襲相続」です。 そこで今回は、「代襲相続」が起こるケースで、相続は具体的にどのように進むのか、「代襲相続」の範囲、割合など ...

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2018/11/11

遺産分割協議書の書式・ひな形サンプルのダウンロードと作成方法

ご家族がお亡くなりになると、相続財産(遺産)を得るためには、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成しなければならない場合があります。 遺言がない場合や、遺言があるけれども、相続財産(遺産)の全てについての相続が記載されていないケースでは、相続人全員が協議に参加し、遺産分割協議書に実印を押印しなければ、相続財産の名義変更、処分ができません。 今回は、遺産分割協議書の作成方法を、書式・ひな形のサンプルをもとに、相続に強い弁護士が解説します。 ポイント 遺産分割協議書の書式例・ひな形のサンプルは、こちらからダ ...

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2019/3/13

生前の預貯金の無断引出と、遺留分の関係は?パターン4つを解説!

ご家族がお亡くなりになったときに、「長男に全ての財産を相続させる」といった遺言があると、他の相続人の遺留分を侵害することとなります。民法で定められた最低限の相続分である遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権によって救済を図ります。 しかし、上記のような不公平な遺言が残っていたようなケースでは、すでに、生前もしくは死後に、預貯金が無断で引き出されてしまっており、使われてしまっている場合が少なくありません。 このように、同居の家族や、遺留分を侵害するほどの財産を取得した相続人などが、預貯金を無断で引き出 ...

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2018/11/16

指定相続分とは?法定相続分との違いは?

相続財産(遺産)を相続する割合のことを、「相続分」といいます。そして、相続分には、指定相続分と法定相続分とがあります。 相続財産の分け方は、遺言によって希望通りに決めることができますが、遺留分等に注意しなければなりません。指定相続分について民法の条文は次の通りです。 民法908条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。 今回は、指定相続分についての基礎知識、法定相続分との違い、指 ...

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2018/12/12

遺産相続は、いつ弁護士に相談する?依頼すべき適切なタイミングは?

遺産相続のトラブルを抱えてしまったとき、弁護士に相談をするタイミングに「早すぎる」ということはありません。むしろ、できるだけ早いタイミングで一度ご相談をいただいた方が、先の方針も見据えた有効なアドバイスができます。 一方で、弁護士に相談、依頼するには、相談料や着手金など費用がかかるため、依頼すべき適切なタイミングに初めて遺産相続問題を相談、依頼したいと考える相続人の方が多いのではないでしょうか。 「もう少し問題が深刻化したら。」「まだ自分一人で解決できるはず」と考えて遺産相続問題を弁護士に相談せず、依頼の ...

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2018/10/25

法定相続人とは?法定相続人の範囲・順位と割合を弁護士が解説!

身近なご家族がお亡くなりになってしまったとき、「誰が財産を相続することができるのだろう。」と不安に思うことでしょう。 遺言・遺書などがのこされていたなど、お亡くなりになったご家族の意思が明らかでない場合には、相続をすることのできる人は、「法定相続人」とされています。「法定相続人」は、「民法」という法律で定められています。 法定相続人となることができるのは、配偶者(妻もしくは夫)、子、父母、兄弟姉妹ですが、ご家族の状況によって、法定相続人の範囲や、法定相続人が相続できる割合が変わってきます。 いざご家族がお ...

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2018/12/21

遺留分減殺請求にかかる費用は?弁護士報酬(弁護士費用)はいくら?

ご家族がお亡くなりになったとき、残された遺言によって、あなたの相続できるはずであった財産が減らされてしまったとき、「遺留分減殺請求権」を行使して救済できる可能性があります。 遺留分減殺請求権を行使する方法には、内容証明郵便など、話し合いによって解決する方法のほか、遺留分減殺請求訴訟を起こして裁判所で解決する方法がありますが、いずれの方法でも、幾分かの実費がかかります。 遺留分減殺請求権について、他の相続人が争いって来て「争続」になり紛争が激化する場合、その交渉、面談、訴訟などの全てを、相続に強い弁護士にお ...

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2019/1/19

相続分以上の財産を得ると、別の相続でも特別受益になる?【相続Q&A】

今回の相続相談は、ある相続で、生前贈与、遺贈などの方法によって相続分以上の財産を取得した場合であっても、その後に起こった別の相続では「特別受益」とされないのか?という相談です。 特別受益とは、被相続人の生前に特別な利益を受けた場合に、その分相続財産(遺産)を取得できる割合が少なくなる制度です。 別の相続、例えば、過去に起こった祖父母の相続や父の相続などで多くの財産を得ていたことは、「特別受益」になるのか?ならないのか?というのが今回の解説です。実際のご相談にお答えする形で、相続に強い弁護士が、Q&A形式で ...

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2018/12/29

遺留分減殺請求を弁護士に相談するメリット8つと、弁護士費用

遺留分減殺請求は、多くの相続手続きの中でも、難しい法律問題を含んでおり、「争続」にもなりやすいため、弁護士に相談・依頼したほうがよい手続であるといえます。 遺留分減殺請求権を行使すると、権利行使をされた相手方は、もらえる財産が少なくなることを意味します。このように限られた相続財産(遺産)の取り合いを意味する遺留分減殺請求は、相続手続きの中でも、特に揉め事が起こりやすいです。 そこで今回は、1人で簡単には解決できない場合に、遺留分減殺請求を弁護士に相談・依頼するメリットと、その際にかかる弁護士費用について、 ...

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2019/2/20

持戻し免除の意思表示とは?遺留分との関係を、弁護士が解説!

お亡くなりになった方(被相続人)から生前に特別の利益を受けていた相続人がいる場合、「特別受益の持戻し計算」といって、特別受益分を、相続財産(遺産)に加えて計算することで、不公平を取りのぞくこととなっています。 しかし、この方法によると、被相続人が、ある相続人に対して特に多く財産を相続させるはずであったという意思が実現できなくなります。そこで活躍するのが「持戻し免除の意思表示」です。つまり、「特別受益であっても、持戻し計算はしなくていい」ということです。 「持戻し免除の意思表示」を行った場合、相続分の計算、 ...

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2019/1/24

配偶者居住権とは?自宅に住み続けるための活用方法│2018年改正

今回は、持ち家の相続に関するお話です。不動産を所有する方の相続では、私たち相続財産を守る会の専門家にも、多くのお悩みが寄せられます。 高齢社会の進展にともなって、夫婦の一方が亡くなったときの、のこされた配偶者の年齢もまた、これまでより高齢化しています。高齢であればあるほど、「自宅に住み続けることができるか」は、死活問題です。 よくある相続相談 夫に遺言を残してもらい、一緒に住んでいた家を相続したが、預金を相続できなかったため生活費に苦しんでいる。 相続分どおりに分割協議をして、家を相続したが、その他の現預 ...

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2018/11/20

いとこが亡くなったら遺産を相続できる?いとこが相続する方法は?

一般的に、「相続」というと、親子関係で起こる相続をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、相続の中には、親子だけでなく、祖父母、孫、兄弟姉妹などが相続人となる場合があります。 「いとこ(従兄弟、従姉妹)」は、両親の兄弟の子のことをいい、4親等離れています。直接の親子関係にある「直系血族」に対して、「傍系血族」といいます。 いとこは、相続人となることができるのでしょうか。いとこが死亡したとき、相続財産を得られるのでしょうか。いとことの関係が仲良しの方も仲が悪い方もいるでしょうが、いとこが相続する ...

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2018/12/2

相続放棄申述受理証明書とは?取得する必要あり?入手方法は?

相続放棄とは、相続人が、相続する権利を放棄することです。「相続しない」と宣言すること、と言ってよいでしょう。 相続をすると、亡くなった方のプラスの財産だけでなく、マイナスの財産、つまり借金・負債も引き継ぐため、亡くなった方が借金を多く抱えていた場合、借金を引き継がないために相続放棄を検討します。 相続放棄の手続きを家庭裁判所で行うと「相続放棄申述受理通知書」という書面が交付され、ほとんどの相続手続きはこの書面で進められます。 しかし、相続放棄申述受理通知書では足りず、「相続放棄申述受理証明書」を発行しても ...

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2019/2/15

悪質な相続財産・遺産の独り占めを防ぐ5つの方法

「遺産を、仲の悪い兄弟に独り占めされた」という法律相談をよくお聞きします。相続において、公平を損なわないよう「遺留分」という最低限確保できる相続分についての考え方がありますが、しかし、それでも「遺産の独り占め(総取り)」問題はなくなりません。 相続財産(遺産)は、法律と裁判例にしたがって公平に分配されるべきであり、不公平な場合には「遺留分減殺請求権」による救済がありますが、それでも起きてしまう遺産の独り占めは、どのような方法によって行われるのでしょうか。 今回は、「遺産の独り占め(総取り)」について、よく ...

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遺産をもらえなかったら、どうしますか?

相続は、どのようなタイミングでやってくるか分かりません。

ご家族が亡くなった場合でも、あなたは長い間生活を続けていく必要があります。このとき、相続財産(遺産)をあてにすることとなるのではないでしょうか。

もし、亡くなった方の収入を頼りに生活していた場合、その後、どうやって生活していくかも考えなければなりません。

法定相続分とは?

亡くなった方の配偶者(夫、もしくは、妻)や子どもであれば、ふつうは、亡くなった方がのこした財産(遺産)のいくらかをもらうことができます。このことは、民法でも定められています。

民法で定められた相続分を「法定相続分」といい、なにもなければ、原則として法定相続分の財産をもらうことができます。この「法定相続分」な、相続財産(遺産)のうち、次の割合とされています。

ポイント

配偶者と子が相続人の場合
  • 配偶者の法定相続分:2分の1
  • 子の法定相続分:2分の1
配偶者と親が相続人の場合(子がいない場合)
  • 配偶者の法定相続分:3分の2
  • 親の法定相続分:3分の1
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合(親も子もいない場合)
  • 配偶者の法定相続分:4分の3
  • 兄弟姉妹の法定相続分:4分の1

亡くなったご家族がのこすものはお金(遺産)だけではありませんが、家族のその後の生活を考えると、遺産をもらえるかどうかは、非常に大切な問題です。

法定相続分は必ずもらえるわけではない

しかし、亡くなった方の配偶者や子どもだからといって、常に遺産をもらえるわけではありません。「法定相続分」が、必ずもらえるわけではないのです。

相続財産(遺産)をもらえなかった人は、その後の生活を考えなおさなければならなりません。

あまり考えたくない事態ですが、大切にしていた人が自分に遺産をのこしてくれないとき、遺産をもらえる方法がないか、考える必要があります。

法定相続分がもらえないケースの例

「家族の仲が良い」こと自体、必ずしも当たり前ではありません。

夫婦仲が悪かったり、親が子どものうちの1人を特にひいきしているということも、決してめずらしくありません。

ご家族が亡くなった時に、自分に遺産をのこしてくれないのではないかと、考えておかなければならないでしょう。

夫と仲が良くありません。

離婚はしていないのですが、夫は別の女性と生活しており、亡くなった場合に私に財産をのこしてくれるとは思えません。

父は、社長です。自分の会社を弟にまかせています。

父が亡くなった時に弟が多めに遺産をもらうのは仕方ないと思っているのですが、私にも家族がいるので、遺産を全くもらえないのでは困ります。

このようなご相談も、私たち弁護士がよくお受けします。。

相続人の方の「遺産をもらう権利」を守るための制度として、民法には、「遺留分(いりゅうぶん)」という制度があります。次の章でくわしく解説します。

遺留分(いりゅうぶん)とは?

亡くなった方の相続人のうち、配偶者と子どもには、「遺留分(いりゅうぶん)」がみとめられています。

「遺留分」とは、亡くなった方がのこした財産のうち、一定の割合については相続人が受け取れるようにする、「遺産をもらうことができる権利」をみとめるという制度です。

「遺留分」の制度がある目的は、相続人の生活を守るためです。「遺留分」は、さきほど説明した法定相続分の半分(2分の1)とされています。

少しむずかしい話になりますので、具体例をあげて説明します。

たとえば・・・

亡くなったAさんが2000万円の財産(遺産)をのこしました。Aさんの相続人は、妻と子ども2人の、合計3人です。

2000万円の遺産のうち、半分の1000万円は相続人の「遺留分」、つまり、妻と子どもの合計3人が受けとることのできる財産として守られています。

妻の法定相続分は、1/2(つまり半分)ですので、妻は、1000万円のうち、半分である500万円を「遺留分」として守ることができるのです。

子どもの遺留分は、相続人の遺留分である1000万円から妻の遺留分である500万円を引いた残額500万円の1/2ずつ、つまり、それぞれ250万円ずつです。

つまり、この事例では、遺言などによって亡くなったAさんが他の人に財産をあげようとしても、妻は500万円、子どもはそれぞれ250万円ずつをもらう権利があるわけです。

では、次の章ではいよいよ、この遺留分という権利を守る方法について、弁護士が解説していきます。

遺留分を侵害されたときの対応は?

ここまでお読みいただければ、亡くなったご家族の配偶者(妻もしくは夫)や子どもであれば、「全く財産がもらえないことはない」ということを理解いただけたでしょう。

そこで、遺留分を侵害された場合に、どのように守ればよいか、具体的な方法を理解しておきましょう。

「遺留分侵害」とは?

遺留分がどのように守られるかを説明するために、「遺留分の侵害(しんがい)」について説明します。

「遺留分の侵害」とは、さきほど解説した相続人の「遺留分」が、遺言、生前贈与などの方法によって、相続人の手に入らないことをいいます。

さきほどの具体例で、「遺留分の侵害」について、再び解説します。

たとえば・・・

先ほど説明したとおり、Aさんの妻には、500万円の遺留分がみとめられます。Aさんの妻は、2000万円の遺産のうち、500万円を受けとる権利があります。

もし、Aさんが、亡くなる前に遺言をのこし、2人いる子どものうちの1人に、すべての相続財産(遺産)を相続させると書いた場合、遺言どおりだと、妻はまったく遺産を受け取れません。

Aさんの妻に遺留分としてみとめられているのは、500万円でしたね。遺言どおりに相続すると、Aさんの妻は、もらえるはずの500万円の遺留分ををもらえていないわけです。

この状態を、法的にいうと、Aさんの妻は、500万円分の「遺留分を侵害されている」ということです。

この例でみるとわかるとおり、遺留分がないと、亡くなったご家族の意思によっては、今後の生活が立ち行かなくなる方がでてきてしまいます。

遺留分を侵害された相続人ができること(遺留分減殺請求権)

「遺留分が侵害されている」場合、つまり、亡くなった方の配偶者や子どもが、もらえるはずの遺産をもらえなかった場合に、遺産をもらえなかった相続人は、誰に対して、どのような請求をすればよいでしょうか。

現在の民法では、遺留分を侵害された相続人(遺産をもらえなかった相続人)は、遺産をもらった人に対し、「その財産をわたしてください」と求めることができます。

この権利を、遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)といいます。

たとえば・・・

先ほどの例に戻ります。

Aさんが子どもの1人に2000万円の遺産すべてを与えたため、Aさんの妻は、500万円の遺留分を侵害されました。

Aさんの妻は、遺産2000万円をすべてもらった子に対し、「500万円ぶんの財産をわたしてください」、と請求できるのが、遺留分減殺請求権です。

注意ポイント

ただし、「遺留分減殺請求権」の現在のルールでは、Aさんの妻は、500万円ぶんの「お金」をもらえるとは限りません。

Aさんの相続財産(遺産)2000万円が、不動産(2000万円の価値のある土地)だけだった場合、困ったことになります。

この場合、遺留分減殺請求を受けた子が、500万円のお金を払うことを選ばない限り、Aさんの妻が受け取ることができるのは「お金」ではなく「土地の持分(もちぶん)」となるからです。

その結果、Aさんの相続財産(遺産)である土地は、Aさんの妻と子の「共有」になります。

2018年法改正で、遺留分減殺請求権はどう変わった?

以上のとおり、遺留分を侵害された相続人は「遺留分減殺請求権」で、少なくとも「遺留分」相当額の財産を確保できます。

しかし、さきほどの例でもわかるとおり、「相続財産(遺産)の大部分が不動産である。」という場合には、現在の「遺留分減殺請求権」のルールでは、不都合が生じます。

遺留分を主張する人に渡すお金がないと、不動産の「共有」状態が生じます。

遺留分で争いになるほど仲がわるい相続人間が、不動産を共有して、将来、うまくやっていけるとは、到底思えません。

注意ポイント

相続財産(遺産)の中に不動産があっても、お金もたくさんあれば「遺留分」を主張する相続人にはお金を渡し、不動産は渡さなくて済みます。

この意味でも「生前対策」の重要性がわかります。

まとめ
2018年(平成30年)の相続法改正のまとめは、こちらをご覧ください。

平成30年(2018年)7月6日に、通常国会で、相続に関する法律が改正されました。 正式名称、「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」という法律が成 ...

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現在の相続法の問題点

今の民法のルールでは、「遺留分減殺請求権」を行使したとき、遺留分を侵害された人は、遺留分を侵害した人がもらった財産そのものを受け取るのが原則です。

「相続人の生活を保護する」という目的からすれば、お金で受け取れたほうが良い場合もありますが、必ずしもお金で受け取れるとはかぎりません。

その結果、1つの遺産が、複数の相続人の共有(きょうゆう)となり、更なる争いの火種となったり、遺産を売却できなくなったりといった問題点が起こります。

「共有」とは、1つの物を、複数の人が一緒にもっている状態のことです。「共有」の場合、それぞれの人が「持分」を持ちます。

Aさんの妻は、自分の子どもに「相続財産をわたしてほしい」と求めているくらいですから、Aさんの妻と、不動産をもらった子の関係は、仲が良いとはいえないのではないでしょうか。

1つの不動産を、妻子2人で共有することとなると、この土地をめぐって更なる争いがおこる可能性は高そうです。

財産をあげた人、つまり亡くなった人にとっても、せっかく遺言書を作って財産を子ども1人にあげようとしても、その目的を達成できないことになってしまいます。

もし、Aさんの妻が、生活のためにお金が必要で、この土地を売りたいと考えても、共有している子の賛成がなければ、Aさんはお金がもらえません。

持分だけでは土地を自由に使うことができないので、Aさんの持分だけを買いたい、という奇特な人も見つかるかどうかわかりません。

「不動産を残すこと」に意味がある場合、たとえば、亡くなった方の事業用につかっていた不動産で、その事業を子どもが事業承継した場合などには、さらに問題は深刻です。

2018年法改正後のルール

これらの、現在の民法における「遺留分減殺請求権」の不都合により、遺留分を侵害された相続人ほ保護は、新しいしくみに変わります。

はじめに説明したとおり、遺留分を侵害されてしまった相続人の「生活の保障」が目的ですので、その目的に合った制度になります。

2018年(平成30年)7月13日に、相続に関する法律が公布されて、「遺留分減殺請求権」は、「遺留分侵害額請求権(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅうけん)」という名前になりました。

「遺留分侵害額請求権」は、「お金だけを請求することができる権利」とされています。

2019年(平成31年)7月13日までには、新しいルールが適用されます

たとえば・・・

さきほどの例に再び戻ります。

Aさんが2000万円の遺産をのこした場合に、Aさんの妻は500万円の遺留分をもっています。

Aさんの遺産が不動産だけ(2000万円の価値のある土地)だったとしても、新しい制度では、Aさんの妻は、お金を請求することができるだけになります。

Aさんの妻は、不動産の持分をくださいと請求することはできなくなり、「500万円のお金をください」と請求するのが「遺留分侵害額請求権」です。

まとめ
2018年(平成30年)の相続法改正のまとめは、こちらをご覧ください。

平成30年(2018年)7月6日に、通常国会で、相続に関する法律が改正されました。 正式名称、「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」という法律が成 ...

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遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)は、弁護士にお任せください

いかがでしたでしょうか。

今回は、「相続人としてもらえるはずの相続財産(遺産)がもらえなかった」というご相談について、弁護士がくわしく解説しました。

このお悩みを解決するための「遺留分減殺請求権」について、2018年7月の相続法の改正「遺留分侵害額請求権」という名になり、利用しやすくなりました。

「相続できるはず」と見込んでいた財産が、遺言書の発見などによって、そのとおりに実現しなかったとき、亡くなった方の配偶者(妻、もしくは夫)や子であるときは、財産をもらえる権利があります。

当会では、「遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)」について、豊富な相談実績のある弁護士がおります。

「遺留分」を侵害され、相続人に対する請求をすることをお考えの方は、ぜひ、「相続財産を守る会」にご相談ください。

当会では、相続人となった方の生活を守るためのサポートをおこなっています。

ご相談の予約はこちら

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「遺留分」の考え方は、非常に難しいですが、できるだけわかりやすく、具体例をあげて解説しました。

今回の解説をご覧になっていただくことで、次のことをご理解いただけます。

解説のまとめ

「遺留分」とその侵害についての基本的な考え方
「遺留分」をもらえなかった場合の、相続人の救済手段
2018年の相続法改正によって、より活用しやすくなった「遺留分侵害額請求権」

相続財産を守る会では、相続に強い弁護士だけでなく、税理士、司法書士などの他の士業、不動産会社、FP、保険会社などが一丸となって、あなたの相続のサポートをします。

まずは、初回のご相談にて、あなたの置かれている状況をご説明いただき、オーダーメイドの相続のご提案をお受けくださいませ。

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